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ヒヅミ峠舎(陶芸)

山口県柳井市日積においてヒヅミ峠舎を開いた
三浦圭司さん、アリサさん夫妻からのメッセージをご紹介しましょう。
(陶芸舎と峠舎をかけたんですね!)

Q1
ヒヅミ峠舎さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A1
染付と色絵の日常使いの器を出品させていただきます。
お茶碗、丼ぶり、蕎麦猪口、お皿、小鉢などです。

昔から人々に馴染みのある染付の器を
生活が楽しくなるようなかたちで、
少しだけ物語を含んだ図案で作りましたので、
今回特に見ていただきたいです。

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ヒヅミ峠舎さんでしか描けない個性的な絵付けの器。
たっぷり見応えありそうで、わくわくしますね。

Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心の中で大切にしている映画、
いずれかを教えてくださいますか?

A2
工房でよく聴く音楽は「 鈴木常吉」さんです。
郷愁に駆られるアコーディオンの音色と、
光と影、男と女、父と子、生と死、表と裏・・・
というような二面性のある世界観がとてもあたたかく、
自分たちに考える時間を与えてくれます。

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好きな音楽と作品がとっても合っていますね。
郷愁とあたたかさとユーモアと。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
工房の入り口のドアです。
イギリスの100年程前の丸い形のステンドグラスを見つけ、
それを使って沖縄に住む父が木のドアを作ってくれました。

昼間は素朴でカントリーのような印象ですが、
夜は工房の白熱灯の灯りがステンドグラスを煌びやかにし、
外から見ると昭和の小さな呑み屋のような雰囲気になる。
そんな昼と夜の顔を持つ木のドアが大切な宝ものです。

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アリサさんは沖縄のご出身でしたね。
お父様が手掛けたイギリスのアンティークのドア。
どんな雰囲気なんでしょう。
ぜひ見せていただきたいです。

ヒヅミ峠舎さんの出展場所は、手仕事の庭のほとり。
お隣は同じくご夫婦で出展される和紙の小嶋紘平さん・祐希さん

ホームページはこちらになります。
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加賀雅之さん(木工)

岡山県に工房を構える木工作家加賀雅之さん。
Semi-Acoという工房名でも活動をされています。

Q1
加賀さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
その中で、特に見ていただきたいものがありましたら、加えて教えてください。

A1
木の器、特にお皿類を中心にお持ちする予定です。

僕のものづくりのテーマに
「同じカタチをいくつもつくれる技術と芯を持つ」
というものがあります。

「手仕事」を言い訳にはしたくないという思いから、
自身に課したテーマの一つです。
ですが、今回は新たに「一点もの」にも挑戦してみようと考えています。
小さなチャレンジですが、僕なりに大きな一歩です。

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加賀さんの誠実なものづくり。
小さなチャレンジ!と言われる一点物の作品を見せていただくのも楽しみです。

Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心の中で大切にしている映画、
いずれかを教えてくださいますか?

A2
工房ではいつもラジオをかけているので好きな本の話しを。

ものづくりに対して直接的に関係しているかは分かりませんが、
辻まことさんの「山からの言葉」という本が好きです。
僕は山屋じゃないけれど、山屋の視点はとてもしっくりと腑に落ちる。
きっと僕も、街には住めない種類の人間のようです。

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山屋の視点、気になります。
加賀さんからも、読んでみたい本を教えていただきました。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
今住んでいる自宅兼工房は、築70年近くになるいわゆる古民家。
初めてこの家を内見した時、作業場にしようと思っていた離れ屋の梁の
釿(ちょうな)の跡が美しくて、その場で購入を決めました。

たまたま近くで畑仕事をしていた老人が元の持ち主で、
聞けば元大工さん。
残念ながら昨年の9月に亡くなってしまったのですが、
釿の跡に感動して購入を決めたと伝えた時の
とても嬉しそうな顔を、今でもはっきりと覚えています。

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このお話しもとても素敵なストーリーですね。
元の持ち主の元大工さんの笑顔が浮かんできます。
こうして、心ある人に使いつながれていくもの。
加賀さんが作るものも、
きっと同じようなことを願って作られているのではないでしょうか。

加賀雅之さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜。
銀座アスターを背中にしたテント群の中にあります。

ホームページはこちらになります。
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Awabi ware(陶芸)

Awabi ware(あわびウェア)
2013年の初出展からそのお仕事を着々と確かなものとしてきた
岡本純一さん。
5年を経て、再び淡路島からやってきてくださいます。

Q1
Awabi ware、岡本純一さんは
「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
その中で、特に見ていただきたいものがありましたら、加えて教えてください。

A1
ぜひ手にとっていただきたいものは、職人さんとともに作り上げた新作のパン皿です。
拭き漆仕上げのパン皿は、毎日の食卓で使われることで、その美しさが増していきます。

また、新作としてカップ&ソーサーなど数アイテムを出品します。
併せて、あわびウェアの定番の器も並びます。

カラーバリエーションは、基本色を中心に
パープル、黄色、トルコ青色などをセレクトする予定です。

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Awabi wareでは、岡本さんはメインの作り手のひとりであって、
かつディレクターとしての役割もされています。

岡本さんが感じ、想い描き、考えたことを、形にするために動く。
こうして生み出される作品が、Awabi wareの豊かな作品群となって
この場に帰ってきてくださいました。
2018年のAwabi ware。
まだまだ進化発展していくAwabi wareの今をたっぷり見せていただけそうです。

そうそう、陶器の制作がお仕事の大きなヴォリュームですが、
今回のように漆器の企画もなさって、
Awabi wareとして発表されるようにもなったのでした!

Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心の中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?

A2
ものづくりをしていく中で常に考えていることは、
「民藝は可能か」ということ。
民藝を僕なりに要約すると、
私たちは自然と手をつなぐような道具づくりができているかどうか。

そんな民藝に真摯に向き合った赤木明登さんの著書「21世紀民藝」や
「美しいもの」シリーズは、
あわびウェアのものづくりに常に影響を与えています。

映画は何と言ってもスパイものが大好きです!トムクルーズ最高!

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岡本さん、この秋に「ミンゲイサイコウ」というサイトを立ち上げられました。
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岡本さんが考える民藝とは、どういうことでしょう。
それは私がここで安易に言葉にしてしまうことではなくて、
民藝という言葉を巡って、ものづくりにまつわること、
もっと言えば、生きることについてといったさまざまなことを
共に考えあうことを、岡本さんは望んでいるような気がします。

民藝といえば、今回、14日の日曜日にはトークイベントを行います。
「民藝のインティマシー―」の著者でもあり、
NHK Eテレ『趣味どきっ!』「私の好きな民藝」
(4/3-5/29、全9回)に出演されていた
鞍田崇さん(明治大学准教授・哲学者)と稲垣で
「工藝を巡る耕し」について、お話ししたいと思います。
「工房からの風」はずっと小冊子や作家の言葉とともにありました。
言葉、文章とともにあるクラフトフェアならではのお話を、
鞍田さんと交わすことそのものが
「工藝を巡る耕し」になればよいと思っています。
岡本さんもひょっこりいらっしゃるかな?どうかな??

トークイベント
14日(日)12時からコルトン広場内テント
予約制ではなく、15分前(11:45)からお席に順番にご案内いたします。
※席に限りはありますが、お立ち見も可能です。
※天候により、急な場所の移動がある場合もございます。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
アトリエに木製のアームチェアがあります。
背もたれと座面がイグサで編まれていて、
どこか懐かしく愛着が持てます。
実は、それは大学で木工を学んでいた妻が二十歳の頃に作った作品です。
その椅子が、民藝という言葉に出会うきっかけとなりました。
それ以降、僕は、民藝館や道具屋を巡り民藝の美しさに魅了されていくのでした。
淡路島のアトリエにその椅子はあります。
よかったらいつかお立ち寄りください。

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純一さんにはよき伴侶、寛子さんがいらっしゃいます。
Awabi wareの活動も寛子さんの力があってこそですね。
(と、純一さんがおっしゃいます)
今のAwabi wareを導いたといってもいいような木の椅子。
淡路島のAwabi wareを訪ねた時、私も見せていただきました。
皆様も淡路島に行かれた折には、ぜひ見せていただいてはいかがでしょうか。

Awabi ware、岡本純一さんのブースはニッケ鎮守の杜、
中央のレンガ道に沿った緑の下草のスペースです。

ミンゲイサイコウのサイトはこちらになります。
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吉澤佑種子(アダンの帽子)

皆さん、アダン、って知っていますか?
亜熱帯、熱帯に生育するタコノキ科の常緑小高木。
私は、奄美大島で描かれた田中一村の絵でかろうじて知っていました。
関東に暮らしていると身近には触れることのないアダン。
それを素材として作品作りをする
吉澤佑種子(ゆうこ)さんからのメッセージをご紹介しましょう。

Q1
吉澤さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A1
沖縄のアダンという植物を使って編んだ帽子を出品させていただきます。

アダンの葉のみで編みあげたアダン帽子は涼やかでとても軽く
シンプルな美しさが魅力です。

季節は秋となりますが、
ぜひお手にとっていろいろとかぶっていただき
ひと夏の帽子ではなく
これから長く永く共に暮らしを彩っていける
そんな ひとつ との出会いを楽しんでいただけましたらとても幸せです。

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沖縄にしばらく移り住んでいらした吉澤さん。
その時に出会ったアダンの帽子。
戦前には一大産業として栄え、
今はすっかり衰退してしまっているその帽子と縁あって出会いを得られました。
現在は丹波市に住みながらも、沖縄の方とのつながりのもと
制作を続けていらっしゃいます。

Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心の中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?

A2
時計がわりにラジオをかけることもありますが
普段一番よく聴いているのは、
外から聞こえてくる様々な鳥や蛙、
いろいろな虫たちの奏でる音楽です。

その中でも特に愛すべきは
愛猫のイビキや寝息が奏でる妙なる調べ。
重低音で響くのどを鳴らす幸せなリズム。

ついつい熱中してしまいがちな私は
彼女のおかげで、手を休め、一息つくようなことが多々あります。
BGMから休憩時間の確保までマネージメントしてくれる
できる相棒に恵まれ、日々、制作を満喫しています。

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共通する作家の方も多いですね。
自然が奏でる調べ(猫も自然の一部ですものね)を慈しむ想い。
今度、音楽や本、映画の話もぜひ伺ってみたいです。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
カゴやザル、イスや机などなど
暮らしの中でお世話になっているものは数多くありますが、
ひとつ となるとやはり

『初めて編んだアダン帽子』です。

沖縄の伊江島で大城ナツさんに初めてお会いした時につくったもので
何が何やらわからぬままになんとかかんとか形になったものの
とても不恰好な上、頭も入らずかぶることが出来ませんでした。。。
そのおかげ?でもう一つ、もう一つと編み続け
すっかりアダン帽子に魅入られてしまいました。

かぶれない不恰好な帽子ではありますが、
私にとっては、とても大切な宝物です。

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人との出会い、ものとの出会いはほんとうに不思議で面白いですね。
アダンで帽子を編むことが、ひとりの女性の生きていく骨格となっていく。
そのような素晴らしい出会いの実りのような帽子を通して、
私たちもさまざまな想いを得ることができるのではないでしょうか。

吉澤佑種子さんの出展場所は、おりひめ神社の奥。
インスタグラムはこちらになります。
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近藤亮介さん(陶芸)

奈良県に登り窯を築く近藤亮介さんからのメッセージをご紹介いたしましょう。

Q1
近藤さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A1
食器と花器を出品します。

赤い土は化粧をしたり象嵌をして活きるように。
白い土はその土の質感が活きるような透明釉をかけます。
微妙な鉄分の土は窯変が鮮やかになるような焼き方を目指して作ります。
基本的に粘りが少ない土を使っているのであまり大きなものは作れません。
比較的粘りのある土では型打ちの器を作っています。

鉄絵の皿等もあります。
ちょっと前にすぐ近所の山を崩して取れた土があるんです。
赤土も白土も耐火度がとても高いです。
今のところ焼き負けてるので、
良い具合に仕上げて持っていければと思います。

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近藤さんの器を使っています。
広島で掘った土を使って焼いたというその皿がとてもいいのです。
仕事柄たくさんの陶芸作品と出会えて、
自身も守備範囲!というか好みが広やかだと思っているのですが、
久しぶりに王道の「やきもの」に出会えたような喜びがありました。

作られる形はオーソドックスです。
というか、今っぽくはないかもしれません。
けれど、そこがかえって新鮮かもしれませんね。
人の営みの時の中で磨かれ、熟した形。
美しい姿の器です。

いただいた画像も素敵ですが、ぜひ直接目で見て、掌で包んでみてください。
土の、炎の美しい存在感を感じていただけることと思います。

Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心の中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?

A2
芳村俊一先生の本は定期的に読み返します。
主に土や石を探して焼くことについての本です。
自分も経験値が上がるにつれて、
以前はわからなかった内容がわかることがあり、感動します。

やきものの仕事をしていると、こういった事が多々あります。
それが大きな魅力です。

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近藤さんは自ら土を探し、堀り、陶芸用に整え、焼き上げていくひと。
志す道のしるべのような書物との出会いは幸福ですね。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
自分が独立してやきものをつくるにあたって、
先生が「木ベラ」と「竹の曲がり」という成形道具をわけてくださいました。

やきものの削りの作業をするときに使うのですが、
必ずチラッと先生のことが頭をよぎります。

先生のことをとても尊敬しています。
お陰で、使うときはいつも身が引き締まる思いです。

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現在の工藝作家は弟子入りをせずに独学で世に出る人が多くなりました。
そのことの自由さやよさも色々あるかと思いますが、
一方、弟子として修業された作家の方ならではの強みというか、
豊かさというのもあらためて思うことがあります。

先の書物もですけれど、尊敬する師をもつ近藤さんの
これからのお仕事、作るものがとても楽しみなのです。

近藤亮介さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜。
広場側から入ってすぐの緑の下草の中のテントです。

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京都炭山朝倉木工(木工)

京都府宇治市で、京都炭山朝倉木工を開く朝倉亨さんと玲奈さん。
二回目の出展となりました。

Q1
朝倉さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A1
今年は工房開設10周年の節目の年です。
その活動のなかで最大の作品を出品します。
栗材を拭漆で仕上げた大飾棚でW2800×H2000あります。
かなりの迫力です。

800_栗拭漆大飾棚

こちら、ですね!
栗の木を素材として、拭き漆で仕上げられた重厚な飾り棚。

工房開設10周年という節目に、この大作をもって、
京都からはるばる「工房からの風」の地に来て発表くださること。
そのお気持ちを、私たち企画者も本当にありがたく思っています。

「工房からの風」が、このように出展作家にとって
よき節目の場にもなれるように、私たちも心を澄ませて準備に励みます!

そうそう、朝倉さんは他にも

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匙や楊枝入れなどの小物も制作されています。

Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心の中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?

A2
作業中は無音です。
音楽やラジオはつけません。
木の削れる音に耳を傾け木と対話します。
心地よい集中の海に沈んでいく感覚が良いのです。

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『心地よい集中の海に沈んでいく感覚』
ものづくりの人たちが共通に抱く感覚なのではないでしょうか。
その感覚が作品の底ひに流れているのかもしれません。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
ゴッホの椅子です。

山で木を切り倒してすぐ生木のままで加工して組み立てます。
使いながら乾燥させるのですが
乾燥が進むと仕口が引き締まりより堅牢な木組みになっていきます。
材木は製材して何年も乾燥させないと使えないと
思い込んでいたのでこの生木の木工は晴天の霹靂でした。
これをグリーンウッドワークといいます。

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きちっと作りこんで丁寧に仕上げる朝倉さんだからこそ、
このグリーンウッドワークが、創造の意識を広げてくれたのですね。
学び、経験値をあげていきながら、発想を固めずに柔軟に開いていく。
ものは時に、大切なことをあらためて気づかせてくれますね。

京都炭山朝倉木工さんの出展場所は、おりひめ神社と稲荷社の前。
先ほどの画像にもあった大きな栗の飾り棚を中心に、
大小さまざまな木でつくられた作品と亨さんと玲奈さんが、
皆様をお待ちしています。

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伊藤慎さん(陶芸)

この夏、滋賀県から兵庫県に移られたばかりの
伊藤慎さんからのメッセージをご紹介します。

Q1
伊藤さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A1
豆皿・豆花器といった可愛らしい器、
釉薬や土に個性がありつつも普段に取り入れやすい器、
生活空間のちょっとしたアクセントになる陶器を出品します。

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豆花器はその時々で即興的に色や形を決め、
小さいながらも一点もの作品という意識で制作しております。
一期一会の豆花器に是非会いに来てください。

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選ぶ楽しさに満ちた展開になりそうですね。

Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心の中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?

A2
「indigo jam unit」さん「Uyama Hiroto」さんの曲をよく聞きます。
だいぶ平たく言うと、JAZZをベースに様々な音楽要素を混ぜ、
再構成や実験的な新しいことをしながらも、
叙情的な景色が浮かぶような音楽が好きです。

音楽に限らず古今東西温故知新、
色々混ぜたり重ねたりして生まれた型にはまってないものが好きです。

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伊藤さんの陶芸も、古今東西温故知新のよさをたずね、
型にはまらず、混ぜたり、重ねたりして表情が豊かなのかもしれません。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
制作中の陶芸を乗せて運んだりする木の板を
「サン板(さんいた)」と呼びますが、
大きな工場を閉鎖された窯元さんから貰いました。

その用途でも使いますが、
年季が入った味わい深い木は展示什器としても重宝してます。
裏面に工場の方が品名を筆文字でカッコよく書こうと
練習した跡や、作業の痕跡など、ひたむきに作っていた魂を
受け継いだ気分に勝手になりながら、大切に使ってます。

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使われていたものを譲り受けて生かしていくってなんだか気持ちの確かさがありますね。
今回の展示にも使われているのでしょうか?

伊藤慎さんの出展場所は、コルトン広場スペイン階段前
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牛平安代さん(木彫)

京都で木彫を続ける牛平安代さんからのメッセージをご紹介いたします。

Q1
牛平さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A1
楠や山桑の木を使った木彫りの人形やブローチを出品します。
「工房からの風」への出展を通して出会った方が、
私の作品を見て祈りを感じると教えて下さいました。
その祈りとテーマを頭の片隅において制作しています。
一草一木まで愛を注ぐ母性のような強さと
優しさを感じる作品を是非ご高覧いただきたいと思います。

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牛平さんの木彫には、どこかぎゅっと心を掴まれるような懐かしさを感じてしまいます。
それは作る速度(彫る速度)が、
牛平さんの心弾み、心澄む速度と響いているかではないでしょうか。
小さな作品であっても(だからこそ)時間のかかる制作だと思いますが、
作る人の幸せとともにある制作が続くことを願っています。

Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?

A2
幼少の頃に大好きだった「ちょこまかくまさんとのっそりくまさん」という絵本です。
小さなはたらきもののクマと大きくてのんびりしているクマのお話です。

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ある日ちょこまかくまさんは、朝からおうちの掃除をしてクッキーを焼いてのっそりくまさんのおうちへ遊びに行きます。
のっそりくまさんはお昼寝をした後にちょこまかくまさんが遊びにくると思ってお茶の準備をします。
そしてお庭にテーブル置いて二人で仲良くお茶をするというお話です。
ちょこまかくまさんは赤い屋根のおしゃれなおうち、のっそりくまさんは藁葺きの素朴なおうちで、
どちらの生活も二人の関係もとても素敵なのです。

私の木彫りの制作で大切にしている事は「暮らしの中で生まれる豊かな心」です。
それはきっとこの1冊の絵本から始まっているのだと思います。

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ふふ、ちょこまかくまさんのお話し、
ここでこんなにお伝えするのもなんだか、ふふふって笑ってしまいましたが、
牛平さんの想い、とっても伝わってきますね。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
私の思い出に残る草は数珠玉です。
子どもと鴨川へ遊びに行った時、数珠玉を見つけました。
ハト麦のような草の実で子どもの頃に首飾りや腕輪を作って遊んでいました。
あの時感じていた色や艶、青い匂いの記憶が鮮やかによみがえり
私は夢中で数珠玉を摘みました。

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私は京都に住んでいますが、子どもの頃は香川県で過ごしました。
田んぼの畦道や用水路、河川敷などでよく遊びました。
河口付近でしたので潮の満ち引きも海から吹く風も光も感じながら、
広い河川敷で背丈ほどある草叢の中を犬と散歩をしたり、
草花を摘んだりして遊んでいました。
今思いかえしてみるとそれはとても大切な時間でした。

先日「工房からの風」のミーティングの前に縄文展に行きました。
そこには縄文土器や土偶と一緒に貝に穴をあけただけの
シンプルな腕輪の装飾品がありました。
私は美しい貝を見つけて喜んでいる縄文人を想像しました。
美しいと感じたり創作したいという想いは
私の数珠玉へと繋がっていたのだと思うと
嬉しくてきらきらとした気持ちになりました。

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牛平安代さん、「atelierきりかぶ」と工房名を名付けて活動されています。
(なので、私はつい、「きりかぶちゃん」と呼んでしまうのです・・
皆さまも、テントで「きりかぶちゃん」ってお声をかけてみられては・・・)
弾むような心を持ったまま、手刀を静かに握るきりかぶちゃんの世界。
サイズ自体は小さくとも、その作品の蔵す世界の広さを大切に、
牛平さんならではの制作が続きますように。

牛平安代さんの出展場所は、道路側から参道に入ったところ。
galleryらふとの西側です。

ホームページはこちらになります。
→ click

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Honda Silk Works(染織)

Honda Silk Works
本多祐二さん、さくらさん夫妻の染め織り工房です。
3年前、養蚕から行う布づくりをするおふたりが、
「工房からの風」に初出展くださいました。
覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

Q1
Honda Silk Worksさんは「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

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絹のショールを出品します。
布の表情と質感にこだわり、糸作りから手掛けています。
糸は繭を茹でて挽いたものと、
綿状にして紡いだものに強く撚りをかけて、
天然染料で染めて織っています。

制作の根っこにある、養蚕での経験と感じた思い、
素材の特性を布に表現できる様に、
繭や糸を沢山いじくりながら、
発見と閃きと悩みを繰り返しつつ製作して来ました。
何年もかかりようやく少しずつ、
これからも作り続けて行きたいと思う形が出来て来ました。

日常使いと言うには存在感がありすぎるかもしれませんが、
とても力強くこの一枚でどこにでも出かけて行きたくなる様な布になりました。
大判のものは、ぐるぐる巻いたり肩からすっぽり身体を包んで服一枚分の代わりにお使い頂けます。

当日は実際に触れて、巻いてみていただけたらと思います。

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力づよさと優しさのたっぷりつまった布。
本多さんの想い描く布の姿、鮮やかになって、
こうしてこの場に戻ってきてくださったのですね。

3年前、「工房からの風」出展後に染織の修行のために、
京都に移られたおふたり。
出展後にくださった文章を基にした「凪ぐ浜の宝もの」
あらためて、皆さんにも読んでいただきたく、ここにリンクいたしますね。
→ click

本多さんたちにとって、この場で出会う方々と交わす言葉や想いは、
おふたりの制作の上でのかけがえのない養分なのではないでしょうか。
ぜひ、今のHonda Silk Works の布を手に取って、
その感触を味わっていただき、
感想をお伝えいただきたいと私からも願っています。

Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?

A2
音楽が大好きでよく作業中に聴きます。
織るときは集中したいので、
Glenn Gould の『The Goldberg Variations 』や
Pablo Casalsの『Cello Suites Nos.1-6』等が多いですが、
染めている時は民族音楽等を大音量で流すことが多いです。

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染める時と織る時にともにある音楽が違うというのも面白いですね。
でも、なんとなくわかるような・・・。
そして、作られる布にそれが響いているような気もします。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
それは茅葺き屋根です。

茅葺き屋根の家に引っ越しをしました。
いつか(近々!?)葺き替える時の為と、
少しでも自分で修繕出来るようにと、
茅葺きの勉強会に参加してきました。

屋根の上で触れたものは、
木・竹・草 ”そこらへんにあるもの”。
“そこらヘんにあるもの”
が、人の知恵と技術で
想像を絶するものへと変わって行く様を目の当たりにして、
改めて素材と人の手について考えた貴重な体験でした。

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おふたりの暮らしのダイナミックさは、
「生きている」ことを十全に楽しみ、味わい尽くしている、
そんな気持ちよさに満ちていますね。

今できることを先送りにしない。
今すべきことをやり尽くす。
“そこらヘんにあるもの”
の尊さを見出す人の生み出す布、
ますます楽しみになってきました。

Honda Silk Worksさんの出展場所は、
galleryらふとの西側の日本庭園調の空間。
3年前と同じ場所で、進化した布に出会ってみてください。
ますますふかぶかと豊かになった笑顔のおふたりに出会えますよ。

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小林達也さん(木工)

今展の隠しテーマは草と木。
今回木工作家の方々がすばらしく、
作風もさまざまに、見応えたっぷりな構成なのです。
隠しテーマが「草木」なせいでしょうか?
(いや、応募時にはわかっていなかったので、
そんなはずはないのですが、
天ならぬ、展の思し召し??)

京都からもおふたりの力ある作家が出展くださいます。
小林達也さんからのメッセージをご紹介しましょう。

Q1
小林さんは「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A1
今回の「工房からの風」には、皿や小型の盆といった木の器類を出品予定です。

その中でも、漆で仕上げた角盆や、
高台付きの角皿は、実際に使用してみて使い勝手も良く、
自分でも欲しかったものが作れたと感じていて、大変気に入っています。

今回は鑿跡の仕上げの違いや、サイズも大小様々な物を制作しましたので、
ご来場の方には、ぜひ手に取って、ご自身の手と、ご自身の暮らしに、
しっくり馴染むものをじっくりと見てお選びいただけたらと思っております。

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端正な形に、美しい鑿の跡。
使い心地がよく、使う程の愛着が増す器、暮らしの道具になりそうですね。
目から感じる美しさ、手から伝わる美しさ。
木の器に美を感じる日本独特の感性を幸せに思います。

Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心の中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?

A2
東京の土田刃物店の土田昇さんの著書で
「時間と刃物~職人と手道具との対話~」
という書物に深い感銘を受け、手元に置いています。

私自身が、ものを作り出す過程において、
素材である木と、私の手の間に存在しているものこそが無数の手道具達です。
この手道具無くしては制作活動が成り立ちません。
そして、この手道具の数々も、全てが職人の手仕事なのです。
この本には、有名無名の刃物鍛冶をはじめとした手道具の作り手たちや、
名人大工や建具職等の使用者にまつわる話が詰まっています。

私も制作活動における何割かの時間を、
刃物の研ぎや、道具の調整といったメンテナンスに費やしています。
当然、その時間は作品は出来ていかない訳ですが、
研ぎや調整無くしては、仕事になりません。

刃物を研ぐという静かな時間は、
作り手にとって、刃物との対話の時間なのだと思います。
年代物の古道具なども時に仕事に使ってみようかと思い、
刃物を研いでみて、使い物にならず、
結局、舌打ちするようなこともあるのですが、
その静かな時間の中で、研いでいる刃物から
物作りにおける誠実さや情熱ということを
考えさせられる瞬間が確かに存在する。

この本は、そうした、作り手と手道具の関係を
様々なエピソードをもって書いています。
物を作るにあたって、相棒である道具、
又は、なってくれるであろう道具と、
今後も真摯に向き合い続けようと思わせてくれる一冊です。

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ブログを通じて作家にメッセージを寄せていただくことの喜びは、
このような文章と出会えるときですね。

作る仕事を支える道具。
その道具も作られたもの、なのですよね。
道具を作る仕事は縁の下の力持ち。
その仕事が報いられるようであってほしいと、
心から思います。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
昔から家にある「鞍掛」です。

鞍掛とは元は乗馬の鞍を掛けていたのですが、
踏み台や腰掛として使用することもあったため、
いつの頃からか、踏み台や腰掛としての使用がメインになったようです。

代々農家だった我が家の物は、
もちろん鞍など掛けたことも無いような風体のものですが、
亡き祖母が昭和の初めに嫁いできた頃からあったと申しておりましたので、
事実なら作られてから、80年以上は経過しています。

おそらく、家の新築を請け負った近隣の大工さんか何かが、
端材の檜でサービスにでも作ったのだろうと思われます。

座の部分は丸太を半分に割ったもので、曲面を下にして、
通しホゾで貧弱な脚が接合されているのですが、
ホゾに全く緩みが見られない隙の無い仕事がされています。
決して、大切にされてきたものではありませんが、
いつも玄関先の広い土間に置かれ、農作業や、餅つきなど、
我が家の日常の暮らしを見守ってきたものです。

今では私がたまに腰をおろし、コーヒー片手に、
本を読みながら子供たちが玄関先で遊ぶ姿を見守っています。
もちろん定位置は玄関先の土間です。

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80年以上も前、ふと作られたかもしれない鞍掛が、
時を経て、このように見て、感じてもらっていること。
見る目、感じる心を持ったひとに出会えたこと。
ものの力、ひとのちからを感じさせてくれるストーリーを
お伝えくださってありがとうございます。

小林達也さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜。
銀座アスターを背中に並んだテントのひとつです。