2023年 工房からの風

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阿部春弥さんから

出展作家の皆様から、続々とメールをいただいています。
ありがとうございます。

熱い感動の涙、なみだの方。
楽しかったー!という方。
いくばくかの悔しさを整えていらっしゃる方。
さまざまですけれど、言葉、文章に整えてみることは、
ご自身の今後にとってよいものかもしれませんね。

そのような中か、いくつか選ばせていただき、
こうして皆様と共有させていただいております。
もちろん、デリケートな本音も書かれていますが、
公開する性質じゃないものは、私なりに考えて控えていますので、
ご安心くださいね。

そして、私たち主催者、企画者にとっても、
出展作家からのメッセージは、何よりの宝ものです。
感謝の交感は豊かなプラスを育みますし、
気づきはこれからの成長につながりますから。

では、次の作家の方を。
女子二名の熱き涙の話が続きましたので、
次は爽やかなメッセージを。
陶芸の阿部春弥さんから

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・・・
・・・

半年余りの準備期間がありましたが、ほかの仕事を進めながらも
常に心のどこかに、工房からの風の事があったように思います。

右も左もわからない4月の入学式
(勝手に入学式にしていますが)の不安な気持ちから、
当日、鎮守の杜に向かう道中は楽しみでしょうがない気持ちでいっぱいでした。
雨が降っていても、天気ばかりはしょうがない、
今日までしてきたことに偽りはないんだと思えたら、
結果どうこうより、2日間楽しもう!と。
そう思えたのも、goodなタイミングで届いた
小冊子「風の音」と稲垣さんのお手紙のお陰ですかね。

工房からの風。
僕にとっての風。
どんな風だったのでしょうね。
遠くの方で吹いている風が、自分の周りを吹きまわり、
あっという間に行ってしまいました。
今はまだはっきりとはわかりません。
わかったことは、予想以上に心地の良い風だった事です。
この風を作り手としての成長の糧にしていかなければもったいない!
目に見えない風を、目に見える形で残せていけたらと思います。

また、今回強く感じたことの一つに、
風の向こう側を改めて強く感じました。
作り手の多くの方はそうだと思いますが、
普段はひとりで素材と向き合い、孤独の中で製作しています。
油断すると、作っている向こう側の、
使い手の方のことを感じにくくなってしまうことがあります。

作ったものを、伝えてくれる人がいて、使ってくれる人がいる。
みんながいて、風になるんだな、と。
当たり前のことですが、大切なことを改めて教えてもらいました。

作り手としても、人としても、まだまだ未熟な僕ですが、
うつわ作りに日々精進していきたいと思います。

本当にありがとうございました。

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みんながいて風になるんだ。

って、素敵な感想ですね。
私も今回、ほんとうにそう実感しました。
特に来場者の方々のあたたかさ、熱さの確かさが、
この風の特徴なのだと。

どんなによい作家や仮によい企画であっても、
それを支持してくださる方がいなければ風は起こらない。
しかも、「工房からの風」のお客様は、
一過性の点ではなくて、何年にもわたっての線や、
ここからさまざまな場所でもつながってくださる面のような
つながりを持ってくださる方が多くて、
その想いがあたたかで、熱い風になってるんですね。

爽やかな佇まいの阿部春弥さんの器、
たくさんの方々の風の中で心地よく並んでいましたね。

阿部春弥さんの出展前のメッセージはこちらです。
→ click

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大野七実さんから

市川市で作陶する大野七実さんからも、
さっそくメッセージをいただきました。

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私の風が終わりました。

ただただ涙が止まりません…
うれしいのか?哀しいのか?満たされてるのか?
それすらもまだよくわからない、いろんな色の涙です。
今、全部を出しきって、抜け殻のようにガランとしています。
自分のいとおしく永く続いた時間が終わってしまったように思います。

2日間ほんとうに楽しかった。
いちにちひとつのうつわのことを興味深く聞いてくださるお客さま。
楽布陶時代にうつわを選んでくださったお客さまとの再会。
はじめて私のうつわを手にとってくださるお客さまとの会話。

ひとり仕事場でひとつの光だけを頼りに進んできた時間が、
こうして誰かの手に渡る瞬間、すべてが救われたような気がします。
キラキラ輝く仲間たち。
その手からつくりだされる真心の作品。
風のあの場所が何か大きくあたたかなものに包まれているようで…、
自分がその一粒になれたしあわせ。
見るのと出るのではまったく違うんだ。
そう風人さんのひとりに言われたことがこのことなんだと、今実感しています。

いよいよ準備が整い、搬入を目前に私が感じたことがひとつあります。
それは、だんだんと集まってくる磁力みたいなもの。
みんながここへ向かって、
それまで独りそれぞれの素材と向き合っていた時間を両手いっぱいにかかえ、
だんだん近づいてくるものすごいパワー。
怖いくらいに強く感じました。

そのことを懇親会の席で話した時。
それは私がここに住んでるから。
俺らは集まる側だよ。って、そう言われた時。
もしかして、あー、わたしは土の人なのか?そんなふうに思ったのです。
土の人として、これからも工房からの風を大切にしたい。
こんなにも清々しく真っ直ぐな想いが集まるこの場所をもっと深いものにしたい。
そう思うのです。

自分たちの生きる場所へとそれぞれ帰っていったつくり手たちと
こころを通わせた2日間、一生の宝になりました。
そしてわたしもまたひとりのつくる時間に戻ります。
これからも自分の真ん中を信じて…

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七実さんと知り合って26年くらいになりますが、
野外の工房からの風に出展いただいたのは、今回が初めて。
26年間に土とあった様々な時間すべてが、
今の七実さんを形作っているのですね。

取り組まれた「いちにちひとつのカタチをつくる」。
全国様々な地にタンポポの綿毛のように飛んでいきましたね。

ご自身の作品を一層深められて、
一方で「土の人」として、この場に集う作家たちとともにぐんぐん伸びっていってくださいね。

大野七実さんの展示前のメッセージはっこちらです。
→ click

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aeiさんから

このブログには「凪ぐ浜の宝もの」というカテゴリーがあります。

これは 工房からの風という大波が去ったあと、
砂浜に打ち上げられ、散りばめられた、宝ものようなきらめきを
毎回綴っているものです。

出展作家から送られてきた私あてのメッセージから抜粋してのお届けです。

いの一番に送られてきたのは、金属装身具のaeiさんでした。

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稲垣さま

おはようございます。aei の桑山明美です。
昨晩、無事に愛知の自宅に帰ってきました。

今日は、少し朝寝坊をして
いつもの3倍の時間をかけて朝ご飯を食べました。
いつもと変わらない日常に戻りましたが、
確実に違う何かを手に入れた空気を感じています。

皆さんおっしゃるように、
長いようで短いこの半年はあっという間に過ぎて行きました。
昨日、周りの作家さんと
“帰りたくないね”
“もう一日でいいから出展していたいね”
と話しながら片付けの作業を行っていました。
風人さんのお手も借り、
いつもになくスムーズに片付けが済んでしまい、
会場を後にする時間がきました。

最後、皆さんから見送っていただいたその瞬間は、
卒業式に似ている感覚でした。
そして私は、また新しい朝を迎えています。

私は、作家という職業で生きて行く事にずっと自信が持てずにいました。
区切りをつけるため、30歳までに“芽”を出すぞ!
っとラインをひいて活動してきたここ4年間。
明日、私は29歳になります。

工房からの風に出展が決まり、
絶対なんとか芽がでると気持ちが舞い上がった春。
初夏のミーティングを終え、
そんな芽はとっくに生えていたと気づかされたあの日。

私にとって “芽” とは、それで食べていけることになることでした。
でも、違いました。

私は “つくる” ことが好きなので一生手放すことはしたくない。
“つくる” ことと向き合って生きる覚悟が出来ました。

これが、今回の出展で一番の財産です。

その他にもお話したいことがたくさんありますが、
かなりの長文になってしまうので、
割愛してひとつだけ書かせて下さい。

昨日のチャリティーの素材の果実で
私の作品を当ててくれた方がブースにお礼を言いにきてくれました。
こんなに素敵なりんごがいただけてうれしい!
ということ、
そして、その方の親戚が被災者なので、
チャリティーをしていただきありがとうございます。と。
私は、企画があればとりあえず手を出すタイプなので、
あまり深いことを考えずに参加しましたが、
彼女の本当に喜んでくれている姿を見て、
私も本当に心が熱くなりました。

悔いはやはりいくつもありますが、
私はそれ以上のものを手に入れました。

この先、また立ち止まることも何度もあるかと思います。
その時は、あの日に書いたメモを開き、
“腹をくくる”の言葉を読み返します。

この度は、工房からの風に参加させていただきありがとうございました。

aei 桑山明美

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5月の終わり、私を訪ねてこられた桑山さん。
たぶん、伝えたい思いがいっぱいいっぱいで、こんがらがって、
最初、私には何を言いたいのかがわからなかったのです。
でも、言いたかったことは、きっとひとつだったのですね。
これで食べていけるかどうか、ということ。
その不安に絡まれてしまっていたのでしょうか。

「そんなことは、誰にもわからないよ、
腹をくくるかどうかじゃないの」
と、私は応えるしかなかったのですね。

ハラハラと大粒の涙をこぼしだした人を前に、
正直参ったなぁ、と思ったことでした。

8月。
第二回目のミーティングで3か月ぶりにお会いした桑山さんは、
憑き物が落ちたように、すっきり爽やかな笑顔の人になっていました。
それは若いからだけではなくて、
桑山さん自身の心の素直さからの変化だったのだと思います。

展覧会の二日間、渾身の新作を素敵なディスプレイに配置して、
訪れるお客様と、自然体の素敵な笑顔で会話を続けていた桑山さん。
授かった宝物は、やりきった果ての自信なのだと思います。

そうそう!
お誕生日、おめでとうございます!!
よい20代最後の年が始まりますね。

開催前に届いたaeiさんからのメッセージはこちらです。
→ click

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リリック

「工房からの風」では、初日の晩に出展作家の懇親会を開きます。
風人さんと主催者あわせて70名程の会なのですが、
今年はその風人さん(出展経験作家で、今展ではサポートスタッフ)
からサプライズが用意されていました。

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菅原博之さんがウクレレとメインヴォーカル、
ナカヤマサトシさんが同じくウクレレで加わってライブが始まりました。

曲は「風になりたい」(THE BOOM)。

夏に行った日本橋三越本店でのプレ企画でお披露目になったものです。
(この時の記事はこちら → click

と、ここまでは私も知っていたのですが、
またしても、やられました!私までサプライズ。

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曲半ばで、いきなりラップが!♪
えっ??誰?
ほうき職人の吉田慎司さん!
(彼によれば、民衆音楽という点で民具と共通点ありなのだそーです。ふむふむ。)

もう、みんなおなか抱えて笑っておりました。
いやー―盛り上がりました。
ちなみに、帽子は自前だそうです。

聞けば、金曜日の夜、風人さんカラオケやさんで特訓したのだそう。
今回のオーガナイザー、菅原博之さんのキビシイチェックの下に・・・。

「風になり隊」、参りました。

(後半、ラップがかなり持っていってしまいましたが、
前半は、クールなステージでしたよ)

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涙出るほど笑ったあとに、風人女子たちが、
「よっしーのラップの歌詞が、すっごくいいんだよー。
今のじゃ何言ってたかわからないけど、
ほんと、いい歌詞なんだよねー」
と、口々に言うのです。

なので、固辞するよっしーに無理を言って、
歌詞を送ってもらいました。
ちなみに、リリック、とのことです。
ラップ風に読んでみてくださいね。


 ♪

風はいつだって前に流れる
その目は生まれつき正面についてる
その足は独りで歩くためにある
僕達が歩けばそれが風になる
今だけ起こせる今だけの風を
今だけは束ねてもうひとつ前へ

         written by Yossy

では、明日からは、出展作家からのメッセージ、
「凪ぐ浜の宝もの」を、お届しますね。

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ご来場ありがとうございました。

第13回工房からの風
お陰様で無事終了させていただきました。

日曜日は穏やかな秋日和の中、
過去最大数のご来場者をお迎えすることができました。
企画者からも心より御礼申し上げます。

次回の開催は来年10月15日(土)16日(日)予定。
募集要項は新年早々に公開いたしますが、
応募期間は2月下旬からを予定しています。

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(おりひめ神社の脇、
ナカヤマサトシさんのインスタレーション。
木漏れ日に祝福されているように・・・)

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近日中にこのdirector’s voiceでは、
毎年行っている「凪ぐ浜の宝もの」をご紹介します。
出展作家の現在の心模様、メッセージです。
大きな波が退いた後に残るきらりと光る想い。
共に感じ合いたいと思います。

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赤木明登さんと稲垣のお話し会にも
追加でご用意した椅子も含め50席が埋まり、
お立ち見も含めて多数のお客様にご参加いただくことができました。
ありがとうございました。

晴天過ぎて眩しかったり、
スダジイのどんぐりが落ちてきたり!
と、野外でのトークイベントならではのハプニングもありました。
(すみません!)
けれども、皆様和やかな中にも真剣にお聞きくださり、
ありがたく思いました。

赤木さんのお蔭でとても有意義なお話しができましたので、
いずれこちらにもまとめたいと思います。
今しばらく、お待ちくださいませ。

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では、まだしばらく、風の余韻を
「凪ぐ浜のたからもの」で味わっていただけますように。。。

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初日の笑顔

初日、土曜日。
雨の予報にもかかわらず、たくさんのお客様に恵まれました。
ありがとうございました。

そして、なんと、雨を覚悟、対策して臨みましたが、
降らなかったのです!!
たくさんの方々の心のてるてる坊主さんのおかげです!!
感謝の気持ちでいっぱいです。

初日のスナップ、ランダムですが、お届けしたくて。

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武井春香さんのワークショップ

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matsuricaさん

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SŌK ソーク さん

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勢司恵美さん

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菅原博之さん

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光景

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赤堀友美さん

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庭の駅 実生の寄せ植え

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阿部春弥さん

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大谷房子さん

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大野七実さんのブース

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吉田史さん(OLD TO NEW)

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Honda Silk Worksさん

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うだ まさし さん

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山田春美さん

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大野八生さんのワークショップ

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林 志保さん

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ナカヤマサトシさんのインスタレーション

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大住潤さん

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もっと、もっとご覧いただきたいのですが、このへんで。

日曜日はお天気の予報。
ちょっと日差しが強いでしょうか?
重ね着で調整できる服装がよいかもしれませんね。

木漏れ日揺れる空間に、作家それぞれに伸びやかに展示を行います。
作家たちの思いっきり!の作品群。
ぜひ、お手に取ってご覧ください。

ご来場心よりお待ち申し上げております。

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豊かな風が流れ出しました

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雨の予報にもかかわらず、たくさんのお客様にご来場いただいております。
(そして、今のところ雨も降らず!)
ありがとうございます!!

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トキニワカフェもいいかんじです。

ご来場!お待ちしております!!

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通常開催いたします。

おはようございます。

只今、雨はあがっております。
通常開催いたします。

途中雨になりましても、通常開催です。

(ただし、一部ワークショップが現況に応じて中止になる場合がございます)

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出展作家、風人の皆さん、みんなぴかぴか笑顔で準備に勤しんでいます。
どんな天気であっても、ぴかぴか、ほやほやの作品がご自身でうれしいのだと思います。
そんな作品と作り手の表情、ぜひ出会ってくださいますように。

ご来場をお待ちいたしております。

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通常開催予定です。

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(大谷房子さん、手織り布のてるてる坊主くん)

いよいよ明日となりました。
予報はあいにくの雨・・・。
けれども、準備も万端整えておりますので、
通常開催予定でおります。

基本、予定通り屋外開催です。
万が一会場が館内になったとしても、
現在のところ中止の予定はありません。
ご来場をお待ちしております。

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「庭の駅」チームは、ブーケづくりに勤しみ、

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いつになく早い桜落ち葉を拾いつつ、

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よき時空をと願います。

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この集合写真は4月の第一回ミーティングでのもの。
ここから、50人の今年度出展作家、本気で本当に励みました。
それって、あらためてすごいことだって思います!

この桜咲く日の手からぐーーーんと進化、深化した手から生まれたもの。
ぜひ、お手に取ってご覧いただきたいと心から願っています。

二日間、皆様のご来場を主催者、出展者、関係者一同お待ち申し上げております。

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大野八生さん

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今回のメインビジュアル、りんご。
昨日も「この絵は買えるのでしょうか?」
とのお問い合わせをいただきました。
すみません!
大野さんの絵画の販売はないのです。
(なんと、チャリティーにご提供くださっていますが!)

大野さん関連では、イラストを描いていただいた
手ぬぐい、トートバッグ、Tシャツと、
ご著書の販売を、「庭の駅」で行っています。
(画像のちほどupしますね)
大野さんご自身も、「庭の駅」で販売担当!もしてくださいます。

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(ガッツなモデルは、アトリエ倭の進さん)

ほかにも、大野さんの手になるミニ盆栽
(お庭の実生の苗で作ってくださいました)
mixシードや、ハーブバスセットの
可愛い説明書のイラストと手描き文字も書いてくださいました。

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大野さんのワークショップもあります。

『庭の恵みのハーブリース』
15:00~16:30
両日定員各8名様
2000円
WORKSHOP Dテント(galleryらふと前)

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こちらは新たに始まった朝日小学生新聞への大野さんの連載。
この新聞、朝日新聞からのご提供で、
「素材の学校」で無料配布させていただきます。

数に限りがありますので、ご希望の方はどうぞお早目に!
(コルトン広場「素材の学校」テントへ go!)

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裏方さんに徹して表にあまりお出にならない大野さんですが、
会場のあちらこちらで立ち働いてくださっています、きっと。
そして、何より、各作家ブースの作品に飾られたお庭の草花。
大野さんの心の籠った水切りで、シャキッとしてることと思います。
作品と草花とのハーモニーも、ぜひ楽しんでいただければと思います。

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チャリティー・素材のりんご

昨年、大好評をいただいたチャリティー企画。
あっという間に列ができて、完売!
残ったらどうしよう~というのも杞憂に終わった
ありがたい反響をいただきました。
昨年の記事はこちら → click

さて、今年も行います。
「素材の果実 りんご編」

メインビジュアルに使ったりんごをテーマに、
出展作家、風人さんたちが、
それぞれの素材でりんごをテーマに制作した
オリジナル作品を提供くださいました。

協賛作家をご紹介します。(順不同 敬称略)

2015 工房からの風 出展者・風人一覧表
赤堀友美
牛尾範子
Mellow Glass
にしむらあきこ
いにま陶房
廣川温
髙部雄策
matsurica
三浦 侑子
うだまさし
AC CRAFT
石塚悠
OTA MOKKO
三上優司
am
菅野あゆみ
tass (遠藤能範遠藤博子)
ますみえりこ
aei
服部謙二郎
千 sen
ci.cafu metal work
増田周一
大野七実
nibi
morinosu
松尾剛
sonor
山田春美
väli
加藤キナ
アトリエ倭
nomama
TETOTE
松塚裕子
森友見子
吉田慎司
大野八生
勢司恵美
菅原博之
菅原わかこ
Anima uni

個別包装しながら、作家さん同士、スタッフ、
これ素敵―!
ええっ、これ1000円なの~?
と、まあ、騒がしかったこと(笑
みんなですごいねーと、キャッキャッと興奮しながら、
お包みしました。
ほんと、皆さん、すごく素敵なものを作ってくださいました。
(定番化したらよいのに!
という感じのものも多かったですねー)

こちら、ニッケ鎮守の杜の庭の中に建つ
galleryらふとのウッドデッキのシンボルツリー、
白樫の木に、吊るします。
装飾担当は、箒の吉田さん。
手製の縄梯子を用意して、りんご作品を吊るしていきます。

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これら個別包装してものに番号を振って、くじ引きを作ります。

くじは一回1000円でお引きいただきます。
さあ、どれが手元にやってくるのかしら???

こちらの売上金は、全額、GBFund
(ジービーファンド、G:芸術、B:文化、F:復興/ファンド)に寄付させていただきます。

2011年より続けてきた、芸術文化復興への支援ファンドへの寄付。
今年も、作家の方々のご協賛で実施できる運びとなりました。
1000円で、素材の果実、りんご編を、ぜひお持ち帰りくださいませ。

くじ引き開催は、日曜日の15時から。
ぜひ、全りんご!完売して、全額寄付をさせていただきたいです!
皆様、ご協力のほどお願い申し上げます。

画像は集まったところ。
ビニルに入っているので、美しさが伝わらなくってごめんなさい!

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赤木明登さんトークイベント

塗師、赤木明登さんと、
今展ディレクターの稲垣早苗のお話し会を開きます。

10月18日日曜日
12時~13時
「ニッケ鎮守の杜」内「galleryらふと」前

40席をご用意いたします。
他はお立ちになられてのご参加となります。

11時45分よりお席にご誘導いたします。
お席をご希望のお客様は、
11時45分より前に「galleryらふと」前に
お越しいただくことをおすすめいたします。

尚、天候や混雑の状況によって、
当日ご案内の変更がある場合がございます。
あらかじめ、ご了承くださいませ。

赤木明登 あかぎ・あきと
塗師
1962年岡山生まれ
中央大学文学部哲学科卒業、編集者を経て、
1988年輪島へ
輪島塗の下地職人・岡本進のもとで修行
1994年独立
現代の暮らしに息づく生活漆器=「ぬりもの」の世界を切り開く

1997年 ドイツ国立美術館「日本の現代塗り物十二人」展
2000年 東京国立近代美術館「うつわをみる 暮らしに息づく工芸」展
2010年に岡山県立美術館「岡山 美の回廊」展
2012年にオーストリア国立応用美術博物館「もの 質実と簡素」展に招待出品

著書に
『漆 塗師物語』〈文藝春秋〉
『美しいもの』『美しいこと』『名前のない道』〈ともに新潮社〉
共著に
『茶の箱』〈ラトルズ〉
『毎日つかう漆のうつわ』「能登ごはん便り」〈新潮社〉
「形の素」(美術出版社)など
各地で個展を開くほか、「ぬりもの」を常設展示しているお店を全国にもつ。
HP → click

161015ak

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季刊「住む」に赤木さんが連載中の
「名前のない道」。
その中で、「クラフトフェアはいらない?」
という刺激的なテーマの連載がありました。
その3回目の連載時、稲垣あてに
インタビューのご連絡をいただいたことが
今回のトークイベントのきっかけのひとつです。

このことについて綴った稲垣のブログはこちらです。
click 1
click 2

続きは、また。
と、書きながら、すみません!続きが書かれていませんでした。

けれど、忘れたわけではなくて、
いやむしろ日々そのことを考えながら、
話し合う機会を多くの方々と持ってきました。

クラフトフェア云々を定義したり、是非を問うことを超えて、
「次のことを考える」
ことに向かっています。
そのこととつながるお話しができたらいいな、
と思っています。

赤木さんご自身は、お話しの抽斗がたくさんある方ですし、
特に「この話をしよう」と決めて来られないかと思うので!
私が何をどのように引き出せるか、、、ですね。。。
このことも、ずっとぐるぐる考えておりました。

赤木さんのお話しということで、
さまざまな角度から関心を寄せられる方が多いので、
どなたに向けて、という焦点も持ちたいと思いました。

ぐるぐる考えたときは、原点に戻ることですね。
そうなると、「工房からの風」は、
新鮮な工芸作家が世に出る機会を作りたい。
そのことを喜び、応援する方たちの集う磁力を高めたい、
ということが根っこですから、
そのことに滋養となるようなお話しをしたいと思っています。

日曜日、おりひめ神社を前にしたウッドデッキの上から、
工芸にまつわる「次のことを考える」お話し、
お届けしたいと思います。

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以下は、赤木さんと稲垣とのご縁を少し振り返ってみます。
長くなりますが、ご関心のある方はどうぞお読みください。

 

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赤木さんとは同い年なのですが、
その存在を知ったのは、1988年、25歳の時のことでした。

私が俳句修業のために金沢に1年半滞在して千葉に戻ったあと、
東京から能登に家族連れで輪島塗の修業に行った人がいる、
と友人から聞かされたのです。
それは大学時代の親しい友人で、
赤木さんと同じ出版社に同期で入った人でした。

すれ違ったけれど、同じようなことを考えて行動する人がいるんだなぁ。
と、その塗師修業に輪島に行った人のことは、とても心に残っていました。

1995年
玉川高島屋で開かれた「現代の道具展」という企画展に、
夫の稲垣が参加して、その印刷物の撮影が我が家で行われました。
その時、なんとも美しい漆のお重が撮影用に届いていました。
聞けば輪島で独立したばかりの作家で、元編集者なのだといいます。
ああ、あの人だ、もうこんなに素敵な作品を作られるようになったんだ!
と、なんだかとても嬉しい気持ちになったのでした。

1996年
上記の展覧会がきっかけでお会いできた赤木さんにも加わっていただき、
ニッケコルトンプラザのコルトンホールで企画展を開きました。
「工房からの風-新鮮・三十代・作り手たち」
というものです。
そう、タイトルは「工房からの風」の原型。
自分と同世代のこれからの作家を集めて展覧会を開きたいと思ったのでした。
その時に、初めて小冊子を編みました。

(当時は原稿がすべて手書きで、
寄稿いただいた原稿を書院というワープロに打ち込んでいました。
レイアウトも自分で行い、フロッピーで印刷所に入稿したことを覚えています。
そんな時代です(笑))

その時、赤木さんが書いてくださった
「思う力」という文章はとてもすばらしいものでした。
赤木さんの著書「美しいもの」の序章に一部引かれてありますので、
お手元にある方は、ぜひお読みいただければと思います。

1997年
「工房からの風-五行五感」という企画展を
同じくコルトンホールで行いました。
その時は、赤木さんに文章をもっと書いてほしくて、
赤木さん特集号?のような小冊子となりました。

1998年
「チルチンびと」という雑誌に、
「作り手たちの暮らす家」という連載を稲垣が行っていました。
その3回目の号で赤木さんを取材させていただきました。
赤木さんの暮らしぶりや生き方に触れた
最初の記事だったと言われた号でした。

その後、作品のお取り扱いは続けさせていただいてきましたが、
大きなことをご一緒する機会は少なくなりました。
赤木さんは人気作家となってお忙しくなってきましたし、
私はこれから世に出ていく作家を応援する仕事を軸に動いていましたから。

振り返れば、ちょうどその期間が
「生活工芸」とのちに呼ばれるようになった動きの隆盛期だったのですね。
「生活工芸」の定義というか、私の感じていることをここに簡単に書けませんが、
一時期、ある特定の作家たちが集中して雑誌媒体に載ったり、
全国の力のあるギャラリーやショップが競うように展覧会をしていた時がありました。

そういうパッションについていけない、、
というか、ついていく必要を私が感じなかったのです。
企画者は、本当にその作家をよいと思っているのだろうか?
思っていたとしても、その人たちだけなのだろうか?
まるで流行を追うような雰囲気から遠くにいたい、
という気持ちと、すでに活躍している作家を奪い合うよりも、
新たに表れてくる新鮮な作家を探して添うことを仕事にしたい、
という気持ちだったのでした。

そしてその期間が、所謂「クラフトフェア」隆盛期へともつながっていくのですね。
「工房からの風」も、望んだわけではありませんが、その只中にあったのでした。
その間、私自身、新しい作家との仕事に力を注ぎましたが、
一方で、仕事に深さが欠けていったような気もします。
工芸にまつわる世界には、もっと深くて豊かな世界があることを感じていながら、
その方向に力を注げていない飢えたものがあったのでした。

そんなとき、「クラフトフェアはいらない?」の取材の件で、
赤木さんと久しぶりにお話しする機会を得たのでした。

赤木さんの存在を知ってから四半世紀が過ぎたんですね。
40代は、それぞれのベクトルで仕事をしてきて、
50代に入って、「次のことを考える」ことを
こうしてお話しできること。
とてもありがたく、不思議な巡りあわせも感じています。

そしてそのことは、もちろん私一人のことではなくて、
「工房からの風」というささやかだけれど、
ある磁力を持った場所で出会えた人たちとともに
考えていこうと思っています。

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これはこの五月、galleryらふとで
数名の作家を交えてお話しをしたときの光景。
最初は緊張していた若い作家の方々でしたけれど、
こうした場面を重ねながら、
工芸を巡っての次のことを考えていきたいと思います。

と、長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!
日曜日、豊かなお話しを引き出したいと思います。