庭日誌

らふとに明かり 灯るころ

ヨルガオの花ひらく夕べとなりました。

庭当番の終わりかけ、らふとに明かりが灯るころ、
まるで一日のご褒美の様に、大きな白い花びらを開き、甘い香りを漂わせます。

トロロアオイの蕾も庭人さんのお土産に。
もともと和紙づくりに使う植物として育て始めましたが、
この頃はこの蕾の美味しさがひそかな人気。さっと湯がいて三杯酢でいただきます。
ほろ苦く、オクラのような粘りがあります。
それもそのはず、トロロアオイはハナオクラとも呼ばれ、
オクラと同じアオイ科で、花も実もそっくりなのです。
和紙作りに使うのは「根」だけなので、
(根を砕いて水につけたネバネバをネリと呼び、紙素と水のつなぎに用います)
蕾をとった方が「根」も大きく育つと言われています。
種をとる分の花を咲かせます。
こちらは大きな黄色い一日花を朝から夕方まで咲かせます。

まるでトロロアオイからヨルガオへ、バトンを渡しているような夏の終わりの夕暮れです。

工房からの風
工房からの風 MECENAT2017大賞