director's voice

earthwormさん(布)

開催まであと4週間となりました。
これからは、50人の作家からのメッセージを中心に、
当日のお楽しみ!に役立つ情報などを綴っていきますね。

さて、どなたから始めましょう。。
と、一瞬迷いましたけれど、すぐに決まりました。
earthworm(アースワーム)さん。
布を作る方からのメッセージです。

Q1
earthwormさんは、どのような作品を「工房からの風」に出品されますか?

A1
素材はウールを中心に。
風をはらむ様な大判ストールをたっぷりとなびかせて。
手紡ぎ・手織りのホームスパンではマフラーとマットが並びます。
色合いは白からグレー、黒。その間。
木々に囲まれた少し奥まったテントで、
布の醸し出す静かな空気を感じて頂ければ嬉しいです。


ストイックなまでに一見シンプルな布。
「静かなる空気」
が伝わってくるような布を織るearthwormさんです。

Q2
earthwormさんにとって「工房からの風」って、どんな風(かぜ)なのでしょうか?

A2
ずっと吹いていました。
時に静かに。時に猛々しく。

それを意識したのは「川上」という文章を目にした時。
自分の事を言われている様で、頭をガツンと殴られた気がしました。

当時の私は運良く大きなイベントに出展が決まり、舞い上がっていました。
イベントに出る為には数を揃えなくてはならない。
思いつきで、偶然に、時には強引に作り上げた物を前に、
受け入れてもらえるか。自分らしいか。
「どう見られるか」。そんな物差しで作品を見ていた様に思います。

自分の中に湧き上がる物に目を向けて、言葉にし。
時間をかけて手段を探り、形にしていく。
今の自分は少なくとも、自分がなぜ作るのか。
出発点を掴めた様に感じています。
応募するなら今だと思いました。

不安も焦りも。もちろん沢山あるけれど、
これまで積み重ねてきた日々を信じて。
当日を迎えたいと思っています。


2008年。
もう5年も前のことになるんですね。
「川上」という文章をブログに綴ったこと。

その5年前の文章を今も心に響かせて、
こうして一緒に工房からの風に向かう作り手が存在すること。
心からうれしく、ありがたく、身の引き締まる思いがします。

自分で書いた文章ですけれど、久しぶりに読み返す機会を得て、
思いを新たにしました。

先日のブログで、
『「工房からの風」は、作品のよさにこだわっていきたいのです』
なんて、堂々と書いてしまいましたが、実は、言葉の選び方に戸惑いもありました。
「作品のよさ」なんて、ペランと言いきっていいものだろうかと。

「作品のよさ」の感じ方は、人によって違いますね。
もちろんその前提の上で、「工房からの風」らしい視線を育んで
出展作家を構成していきます。

けれど、よさ、という曖昧な言葉の向こうには、
『「川上」のことを丁寧にやりすぎて
世の中に出ていくのが苦手な作り手が持っている
確かな魅力を見落としてはいけない』
ということが、あったんだ、ということを、
earthwormさんからのメッセージから、
あらためて気づかせてもらったような気がします。

そして、earthwormさん にとって「工房からの風」への出展は、
まさにjust now!だったのですね。
思う存分、今のご自身のお仕事が、来場者の方々に伝わるといいですね。

さて、今回のお楽しみ?クエスチョン、おひとり目に行きますね。

Q3
earthwormさんは、小学生のころ、何になりたかったのか、
教えてくださいますか?

A3
先の事はあまり考えない、のんきな小学生でした。
必要に迫られて絞り出したのが、確か「デザイナー」。
今の自分に近からず、遠からず。不思議なものですね。

デザイナーさん!
今回、ほかの出展者からも、同じ回答が届いています。
やはり、美術的なことが好きな子どもだった人が多いのですね。

ところで、 earthwormって、日本語で何のことかわかりますか?
はい、お庭と大変関係深い名前です。
答えは、ミミズ。
えっ?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
お名前の美鈴さんから、取られているようですよ。
会場のニッケ鎮守の杜の花壇でも、ミミズさんは土を良くして、
大活躍をしてくれています。

さて、earthwormさんのHPはこちら → 
出展場所は、おりひめ神社正面に向かって右側。
galleryらふとの前方です。
静かに芯のある布が、凜と揺れていることでしょう。