director's voice

加藤キナさん

Q
風人の加藤キナさんは、今年の工房からの風では、何をしてくださいますか?

A
風セレクションを担当いたします。
風人さん・WS作家さんの作品があつまります・・・
ワクワク 今から楽しみです。

加藤キナでは、林檎の花など革でできた色々なお花のコサージュを出品します。
りんどうの花を作る15分ほどのデモンストレーションも予定しています。
素敵なものに囲まれて、皆さまのお越しをお待ちしております!

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Q
今年度の出展作家の方にひとことエールをお願いします。

A
自分の道をつきすすんでおられる方、
これでいいのかな?と少し立ち止まっておられる方
皆さんそれぞれだと思います。

でも、きっとだいじょうぶ。
答えは自然と見えてきます。
私も同じ、みんな同じ。それぞれ悩んで苦悩して・・・
その苦悩がタカラモノ。

当日はこころから楽しんでください。
よい2日間となりますように!

Q
加藤キナさんの記憶、印象に残る小さな頃の
「ものづくり」は、いつのどんなものでしたか?

A
サワサワ サワサワ・・・ 蚕が桑の葉をはむ音です。
小学生の頃、つむぎの産地で育った私は学校帰りによく道草をして、
桑畑に入り込み桑の実をつまんでいました。
親戚も、道をへだてたお向かいの家も、養蚕農家をしていました。
大きな家の2階は広い広い空間になっていて、
そこにカゴロジという名の 竹製の四角い平な籠に桑の葉をしきつめ、
「お蚕さま」を飼育していました。

ストレスに弱い蚕。
とても清潔で静かな空間に、サワサワ・・・生命の音がこだまします。
機織り機も何台かあり、大人になってからその1台を譲り受けたのですが、
なんの印もなく解体された機・・・
機織りの知識のあった母方の祖母はなくなり、とうとう組み立てることができませんでした。

住んでいた家には蔵があり、
そこには昔紺屋をしていた名残の藍染め用の型紙が大切に保管されていました。
祖母が自分で染めた生地のハギレを上手につなぎ合わせ、
こたつの掛け布団に仕立てていました。

もったいなく普段使いにはできないのですが、
ときどき取り出してそのヒンヤリとした感触を味わっています。

産地ならではの想い出です。
染織の学校を出て、今は革のお仕事をしていますが、
その仕事にも大きな影響があることに気がつきました。
脳やこころだけでなく、
血液や細胞すべてに記憶はしみ込むのかもしれませんね。

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キナさん、ありがとうございます。
若いキナさんですが、貴重な原風景があるのですね。
ちょうどキナさんは今日から個展も吉祥寺であるのですね。
キナさんのHPがありませんので、こちらのご案内をいたしますね。

9月18日(金)~20日(土)25日(金)~27日(日)
ギャラリー・ボンブラ
180-0001東京都武蔵野市吉祥寺北町1-2-11
金・土・日曜日 13時~19時開廊 (最終日16時まで)

こちらのショーウィンドーに展示している作品。
「Sicassiette シカシェット」
フランス ピカシェットの家を今年訪ねて、
その感動から生まれた作品です。

180×45サイズを5枚
10年間 捨てる事のできなかった革のハギレで作った大作。
なかなか出来ないこと・・・
やってしまったキナさんに敬意を表してこちらからもご案内いたしますね。
「工房からの風」でキナさんに会われたら、ぜひご感想を!