director's voice

山下透さん(陶芸)

染織の方が続きましたので、陶芸の方を。
京都から出展くださる山下透さんです。

Q
山下さんは「工房からの風」に、どのような作品をお持ちくださいますか?

A
2種類のシリーズの器を作っています。
シンプルな形に成形して5種類の釉薬を施釉したものと、
昭和の頃の生活食器や、
東欧の国々のプロダクトなどをイメージした装飾をしたもの。
今回の展示に向けて新しく作った装飾の器や、
大きめサイズの皿を見て頂きたいと思っています。

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昭和や東欧の国々!
どこかノスタルジックな雰囲気のある器ですね。
きれいに整った形は使いやすく、
ほっとするようでいて、現代のセンスが響いている器。
揃えたくなりますね。

Q
山下さんにとって「工房からの風」は、どのような風でしょうか?

A
4月のミーティングから始まり、
半年間「工房からの風」当日に向けた準備と制作を続けて来ましたが、
その間ずっと風に吹き揺らされていました。

展示への心配、制作の試行錯誤でのもどかしさという向かい風。
一方、展示当日への期待感や新しい試みでの充実感という追い風。
それは今までにない心地よい緊張感でした。
展示の日、どんな風が何を運んでくるのか楽しみです。

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山下さんて、かわいいものへの感度がよくって、
女子力高い男子!なのです。
なので、お話しも楽しいのですが、
実は頭のスマートな方なんだなぁというのが、
私の山下さんの印象です。

デザイン力のある器とそれを束ねる構成力。
コンセプトをちゃんと立てて、そこに到達する道筋の考え方。
所謂陶芸家というよりは、プロデューサー的だったり、
デザイナー的だったりする力のあるひと。

今生まれてきている山下さんの作品ライン。
「工房からの風」では、きっと様々な方々からの風を受け取って、
それが、今後の制作に豊かな影響を与えていくのではないでしょうか。
今も、そしてこれからも楽しみな山下さんのお仕事です。

Q
山下さんのお名前、あるいは工房名についての由来、
またはエピソードを教えてくださいますか?

A
器の裏に印を押しています。
一見すると四つ葉のかたちに見えますが、その中に「山下」が隠れています。
「山下」
シンプルなかたちの漢字に少しだけあそびがあるのは、
自分の作る器にも似たところがあるかも知れません。

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山下透さんの出展場所は、
ニッケ鎮守の杜に入った桜の木の下に4つ並んだテントのひとつ。
ぜひ、器の裏のかわいい印を見てみてくださいね。

そして、当日本部テントで配布する「風の音」にも、
山下さんからの文章も掲載しています。
こちらもぜひご入手ください。

山下さんのサイトはこちらになります。
写真もとってもきれいです。
→ click

written by sanae inagaki