director's voice

RIRI TEXTILEさん(染織)

今回、ほかにもテキスタイルネーム!な
染織の作家がいらっしゃいます。
和泉綾子さん。
RIRI TEXTILEの名で作品を発表されています。

Q
RIRI TEXTILEさんは「工房からの風」に、どのような作品をお持ちくださいますか?

A
草木染め、手織りのストールやクロスを中心に展示したいと思っています。

藍染めの産地である埼玉県・羽生市で染めた藍の濃淡、
最近気に入っている矢車附子で染めた色、
光の加減で柄の陰影が美しく浮かび上がる無染色の糸の組み合わせ。

その時々のリズムで刻まれる模様たち。
長く側に置いて、変化をいとおしむことができるようなもの。

いまの私が美しい、かっこいい、と思ってつくる布をお持ちします。
ぜひお手に取ってみていただきたいです。

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いまの私が美しい、かっこいい、と思ってつくる布

これが和泉さんが「工房からの風」を通じて、
タブン、自問自答を繰り返してこられた先の答えなのではないでしょうか。

その答えが、和泉さんの心、気持ちにとっても正確に感じられて、
ああ、このひとは、ほんとうに丁寧に向き合われたんだなぁと、
しみじみ読ませていただきました。

染織の世界は特にディープで、素材や技法に特化して
作家の興味関心が向かうことが多いように思います。

数年前に和泉さんとの初めての出会いがあったとき、
和泉さんが何をしたいのか、私自身の未熟もあってよくわからなかったのです。
そして、わからない、ということをストレートにお伝えしてしまったので、
和泉さんはくるしく思われたかもしれません。

にもかかわらず、その後も折に触れてお目にかかることが叶い、
今年は出展作家として参加くださることに。
でも、ここで和泉さんはもしかしたら、またまた迷われたかもしれませんね。
「自分の真ん中を」なんて、すぐ言いますから、私、(苦笑

いまの私が美しい、かっこいい、と思ってつくる布

これって、まさに、和泉さんの真ん中ではないですか!
そのことに、もっともっと自信を持ってほしいなぁ、
というのが、今の私の願いです。
でもきっと、そうなっていますね。すでに。
「工房からの風」の当日は、ぴかぴかの笑顔の和泉さんしか想像できませんもの。

Q
RIRI TEXTILEさんにとって「工房からの風」は、どのような風でしょうか?

A
その風の中に身を置きたいと思いながらも、
どんな風なのかわからなくて、
おっかなびっくり部屋の中で縮こまっていました。

自分にとってどんな風なのかまだ分からないけど、
窓越しに見るだけだった風の中へ、
怖がらないで飛び込んでみたいと思っています。

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そ、そんなに怖くないですから(笑

Q
RIRI TEXTILEさんのお名前、あるいは工房名についての由来、
またはエピソードを教えてくださいますか?


工房名の由来をよく聞かれるのですが、くだらない話が発端です。

学生のとき、ひょんなことから友達同士で
外国人みたいなニックネームをつけ合おう!という話になり、
ついたニックネームがリリーでした。

本名にかけていたりする訳でもなく、
その場のノリで特に意味はなかったのですが、
なぜかそのニックネームがクラス中にすっかり定着しました。

その後、作家として名前をつくろうと思った時に、
字面(英語表記は照れくさかったのでローマ字でRIRIと)
が気に入っていたことと、
呼んでもらいやすいシンプルな名前がいいなという思いから、
工房名はRIRI TEXTILEにしました。

余談ですが、実際は綾子という名前で、
織りにまつわる字がついています。
染織にまつわる由来があるわけではないのですが、
今このような道を進んでいることに不思議な縁を感じます。

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リリー。
なんだかわかる気がします!

RIRI TEXTILEさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜に入ってすぐ。
少し小高いところから、みんなを見下ろして!いる、
気持ちよい空間です。

ホームページはこちらになります。
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text sanae inagaki