director's voice

hyakkaさん(木工)

神奈川県相模原市で、百年愛される家具を目指して制作をする
hyakkaさんからのメッセージをご紹介しましょう。

Q
hyakkaさんは「工房からの風」に、どのような作品をお持ちくださいますか?

A
テーブル、椅子、ベンチなど、
時を経るにつれ美しくなってゆく無垢の木の家具を中心に、
花器やパン皿といったこものたちも出品します。
そのほとんどが工房からの風に向けて製作した新作になります。

美しく機能的、だけではなく、木の魅力を引き出すこと。
自分の奥底を掬い取ること。
木にも人にも誠実であること。
そんなことを意識して製作しています。

花器は以前から製作しているものですが、
今回初めて、生木の丸太から作り出しています。

今までは質の揃った「木」でしたが、
今回の相手はまさに「樹」。
かたちも表情も実に様々。
毎回、丸太とにらめっこして作り出し、
削りながらかたちが変化していくこともままあります。
毎日ひとつずつ作ることを日課にして、
一日一回、真剣勝負をしています。

当日は椅子の試し座りスペースも設ける予定なので、
ぜひ座り心地なども確かめにいらしてください。
きっと「おっ」と思っていただけると思います。

hyakka_02

「工房からの風」では、あまり家具のご紹介はしていないのです。
大きなものなのでお渡しが小物のようにはいきませんし、
作家との信頼関係がちゃんとないと、アフターケアも含めて
きちんとご紹介できませんから、
複数回出展の作家ですでに信頼関係が結ばれている方で出展いただいています。
今回は、これからご紹介するstudio fujinoさんが該当作家ですね。

hyakkaさん、実は初出展ですが、お話しののち、
信頼してこのような家具の多い構成になっています。
場所もテント外にも椅子などを置けるようにご提案していますので、
ぜひ、座り心地などお試しになってみてくださいね。

Q
hyakkaさんとって「工房からの風」は、どのような風でしょうか?

A
「こどもの頃に感じていた台風」だと思います。
怖さとワクワクが入り混じった感覚。
風に煽られ、びしょぬれになっても楽しい。
そして何より、台風が過ぎた後の美しい風景。
まるで台風が余計なものを剥ぎ取っていったかのように、きらきらと澄んだ空気。
そんな光景が見られることを夢見て、製作に励んでいます。

余談ですが、今回出品する花器の中には桜の木のものがあります。
僕のブースは桜の木の真下。
循環というのかなんなのか、なんだか感慨深く感じました。
桜は削ると良い香りがするんです。
当日はそんな甘く爽やかな風が会場全体に吹き渡ると良いですね。

hyakka_03

そうなんです。
桜の木の下。
今年は早目の紅葉黄葉が始まりだしました。

Q
hyakkaさんのお名前、あるいは工房名についての由来、
またはエピソードを教えてくださいますか?

A
hyakkaは、「百年愛される家具」を目指して製作しています。
ひゃっかという言葉を漢字にすると、百科、百貨、百花、百果など、
いくつかの漢字が当てはまりますが、共通するのは「百」という数字。
あまり意味を限定したくないという思いもありました。

・・というのは半分後付けのような話で、
実際は、独立するずいぶん前、
妻とどんな屋号がいいか話していたとき、妻が出した案が「百果」でした。
その後もいろいろと考えましたがパッとしたものが思いつかず、
なし崩し的にhyakkaになったのでした。
(妻曰く、「たくさんの果実が実るように」、
百果だったそうです。今、知りました。)

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百果。
とてもいい名前ですね。
奥様の想い、通じますように~
(工房からの風は果実をメインビジュアルにしていますし!)

hyakkaさんのブースは、ニッケ鎮守の杜に入ってすぐ。
そう、桜の木の下です。

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text sanae inagaki