director's voice

Renさん(金属)

出展作家の方々からのメール。
半年の準備期間を経て、展覧会を終えた生々しい気持ち、その文章。

中には思うようにいかなくて、悔しい想いを抱えながら、
率直な気持ちを丁寧に綴ってくださった方も数名いらっしゃいます。
公開する前提でいただいたものではありませんから、
この場で共有はしませんが、そういったおひとりおひとりの真摯な想いが、
「工房からの風」の一粒一粒の大切な要素となって、
つながっているのだと思います。

多くの出展作家の方々からいただいたメール。
とっても丁寧に長く書いていただきました。
この場からもお礼を申し上げます。
皆さんへのお返事がまだ送り切れていませんが、
今しばらくお待ちください。

さて、そろそろ一度区切りにしましょう。
最後は京都から出展くださったRenの中根嶺さん。
今回の最年少作家の方からのメールの一部をご紹介いたしましょう。

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一昨日京都へ戻り、荷下ろしを終えました。
帰り道ものすごい雨に会い、
この雨雲が千葉に来ていたらと思うとゾッとしました。
お天道様にも感謝です。

そして昨日は久しぶりに工房でモノを作らずに時間を過ごしました。

当日は風人さんやスタッフの皆様にも
たくさん助けていただき、楽しんで出展することができました。

最初のミーティングの時にも話しましたが、
本当に先人(先を行く人という意味で)の方達のおかげで
今日の自分があると思っています。

大きな意味では文化や金工の技術もそうですし、
今回立たせていただくことができた「工房からの風」
という場や風もその一つだと思います。
稲垣さんが最初に一粒の種を蒔き、
そして宇佐美さんやその時々のスタッフの方々、
出展された作家の方々、お客様それぞれが関わって育った今の姿。

その中に立ってみて、
今できることを精一杯やったつもりではいますが、
自分はこれからの「工房からの風」に、
何か少しでも香りや養分になるようなものを残せたのかな?などと考えています。
いつまで経っても先人のおかげであることに変わりないのですが、
いつか僕も誰かにとっての先人であるようになりたいです。

と、そんな大口を叩きながらも、
今はまだまだ自分自身の作りたいものを考えたり、
そのための技術、生活など目先のことで精一杯になりがち、
日々真摯に向き合う姿勢を大切に一歩ずつ頑張ります。

当日に足を止めて頂いたお客様や、お声がけいただいた言葉はもちろん
この半年間「工房からの風」へむけて取り組み考えてこと、
その一つ一つが実りであり、
心に留めてより豊かに次へと繋げて行けるように精進します。

これからの「工房からの風」がどのように育まれて行くのか、
とても楽しみです。
その中に僕もまた何かの形で関わらせていただく機会を得られれば嬉しく思います。

帰り際にお声がけいただいた「小さくまとまらないで」という言葉、胸に留めました。
性格なのかついつい程を整えたり、まとめてしまいがち、
作るモノも活動も当たって砕ける思いでもっともっと挑戦して行こうと思います。

今日からまた仕事を始めます、日常に戻ります。
この作業机の前に座り、手を動かすことを日常とできることに感謝をします。

改めまして、この半年間お世話になりました。 
本当にありがとうございました。

中根 嶺

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若くしてこんなに謙虚に感じられるなんて!
自分を振り返ると、感心してしまいます。。。

でも、これが嶺さんの正直な気持ちなんですね。
「工房からの風」の場にも、先人!である
出展作家のひとりひとりが残した何かがこの会の大切な要素になっている。
そんなことを嶺さんの文章から、あらためて感じることができました。

今まで、比較的に近くにお住まいの作家の方の協力を主にいただいてきましたが、
15回展に向けては、ぜひもっと広域に、実際の距離ではなく、
想いの距離が近い方と一緒にさまざまな企画を生んでいきたいと思います。
嶺さんをはじめ、ぜひいろいろな場面でご一緒くださいね。

Renさんの出展前のメッセージはこちらです。
→ click

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また、ひょっこり、共有したくなった文章をアップするかもしれませんが、
2016年の「凪ぐ浜の宝もの」、ここで一区切りとします。

さて、10月27日には、皆様に感謝をこめてご報告することがあります。
14時に記者発表!となりますので、
27日の夕方にはこの場からもお知らせさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。