director's voice

ako hiroshige

手編みで帽子を制作をされる
ako hiroshigeさんからのメッセージをご紹介します。

Q1
「工房からの風」に、ako hiroshigeさんは
どのような作品を出品しますか?

A1
ヤクとキャメルの原毛の手紡ぎ糸で編んだ帽子とネックウォーマーを。

やわらかくてふんわりした素材が好き。
これまで色んな素材を織ったり編んだりしてきましたが、
数年前に和綿を知って糸紡ぎをはじめてから、
紡ぎの素材探しの中で出会ったのが、ヤクの原毛。
紡いでも編んでも優しく柔らかいまま、ずっと探していた感触。
手にしっくりと馴染んでくれて、心地よく仕事ができる素材です。

帽子を初めて編んだのは、スウェーデン留学中に最初の冬を迎えた時。
外の冷たい寒さに頭や耳が痛くて、今すぐ帽子が欲しい!
遠い町まで買いに出るよりそばにある毛糸で編んだ方が早いと、
クラスの友達に教わって編んだのがきっかけです。

実際は、編み上げるのに何週間もかかったので、
買いに行った方がきっと早かったのですが。
今は便利な世の中で
「普段の生活に必要なものを自分で作る」
というとてもシンプルなことを忘れがちですが、
異国の田舎暮らしではそれはごく自然なことで、
時間の流れもゆるやかで穏やかな日々でした。
帽子は、私の手仕事の原点を思い出させてくれる、
心温まるアイテムです。

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『ずっと探していた感触』である素材を用いて、
『手仕事の原点』である帽子を作る。
ako hiroshigeさんのお仕事には、喜びと確かさが詰まっていますね。

Q2
「工房からの風」への出展が決まった時、どのようなことを思いましたか?

A2
長年、自分探しをしながら制作を続けてきましたが、
表現方法も作るものも絶えず変化していたので、
なかなか自信が持てず一貫性もないように感じていました。

でもそうではなくて、
広いすそ野から自分なりのてっぺんへと登っていく道を、
長い時間かけて少しづつ進んでいるところなんだ、と思えました。
道に迷い遠回りをしながらも、その時々に感じることを大事にやって来てよかったと。

まだその道は続きますが、これからも自分自身と向き合って進んで行きたいです。

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『広いすそ野から自分なりのてっぺんへと登っていく道を、長い時間かけて少しづつ進んでいる』
という言葉は、よほど自分を見つめないと出てこないものですね。
見つめる時間もとても大切ですが、今回のように、
たくさんの方々の「手」や「想い」を感じながら、
ひたすら手を動かすこともako hiroshigeさんには必要な時間だったかもしれませんね。
案ずるより生むが易し、なんでもwelcomeになって、自信をもって開いてみる。
今展がそんな機会になったらよいですね。

Q3
ako hiroshigesさんの「工房」のある街の好きなものやところ、
自慢できること大切に思っていることひとつ教えてください。

A3
ステキなお店がたくさんある!

カフェ、ケーキ屋さん、パン屋さん、
定食屋さん、雑貨屋さんなど、どんな種類のお店でも、
しっかりした軸を持った人が経営するお店には、独特の魅力があります。

そのお店にあるモノや人が作り出す空気が心地よいと、
カラダの真ん中からじんわりとするような。
そんなほんわかした気持ちや元気をもらえる場所や人に出会ったとき、
この街に越してきてよかったなぁと思います。

田舎ではないけどちょっとゆったりめな街での日常、手仕事のある暮らし。
“今”を大切にしたいです。

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素敵な町ですね。
私はどこだか知っていますが(笑)、お書きになっていなかったので、
謎?なままにしておきますね。
関心のある方は、ぜひ直接会場でお尋ねになってみてください!

ako hiroshigeさんの出展場所は、galleryらふとの脇、
参道のほとり。
小さなニット帽子屋さんが森に出現!みたいな
絵本の中のような展開になったらいいですね。

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