director's voice

加藤かずみさん・陶芸・東京

今年の出展作家からのメッセージを今日からお届けしていきますね。

トップバッターは、加藤かずみさんです。

やさしいような、きりっとしたような、
はかないようで存在感のある
そんな美しい磁器の器を作る作家です。

Q
かずみさん、『工房からの風』には、どのような作品を出展されますか?

A
温かい食べ物や飲み物のおいしい季節になってきましたので、

カフェオレボウルや耐熱のものなど、定番のうつわと一緒に持っていきます。

今年の1月から作り始めたカフェオレボウルは、何個も試行錯誤を繰り返し、
やっと失敗なく、焼きあがるようになりました。
家族でそろえても楽しそうだな、なんて思いつつ大きさも3種類作りました。

同じく今年から作り始めた耐熱のグラタン皿には、
蓋も付けて雑炊なども炊けるようにしました。
もちろん蓋なしでも使えるようになっています。
土鍋も出展しますので、これからの季節に。

新しい釉薬で新作のコンポートも。
皿の部分と土台の部分を轆轤でひいたあと、
一つ一つ手で彫って加飾してからくっつけます。

凹凸があるため、釉薬も変化し複雑な色合いになっています。

 

10月って、
秋そして向かう冬へと、器選びも楽しいシーズンですね。

 

Q
かずみさん、にとって、『工房からの風』ってどんな風なのでしょうか?
そして、今年、どんな風にしたいですか?

A
2009年の一回目の出展の時は、暖かくて強い春一番のような風でした。
2012年の今回は穏やかに吹いている爽やかな秋の風のようです。
美味しいものを食べたり、暖かい服を着ておしゃれをしたり、
紅葉などの木々の変化も美しい、
春とは違う感じのわくわくした秋の風にしたいです。

加藤かずみさんは、2010年、2011年とオブザーバーといって、
私たち企画側のお手伝いをしてくださる作家として大活躍してくださいました。
初出展のときが実質的なデビューで、その後、着々と活動の場を広げているかずみさん。
いつも素敵な装いで、そのセンスのよさも、作品とつながっている気がしています。
食卓や、住空間に美しいエッセンスが散りばめられていくような。

今年は2年間を空けての出展。
きっと初めての時とは違った緊張、
そして、楽しみに包まれた時間を過ごされているのでしょうね、今。

加藤かずみさんのホームページはこちら  →  
そして、展示場所は、galleryらふとの前方、手仕事の庭エリア。
椎の木の木漏れ日が、ひととき磁器の器に映り込んで、
とっておきの秋の日に恵まれそうですね。