director's voice

香田進さん・佳子さん(アトリエ倭)(風人)

アトリエ倭。香田進さんと香田佳子さんによる木工ユニットです。

「工房からの風」には、このところ毎年「木」をテーマとしたワークショップテントを展開くださって、
その年ならではの心がふっとあったかくなる手仕事の時間を創ってくださっています。

Q1
アトリエ倭さんは、 今年の「工房からの風」では、どのような担当してくださいますか?

A1
今年は『風のタネ』というタイトルの、木のカードホルダーを作るワークショップをします。
工房からの風に出展されている作家さんは
自身の仕事の紹介カードを置いている方が多くいらっしゃるので、
お気に入りの作家さんのカードを持ちかえっていただいて飾っていただくためのカードホルダーです。

風で始まる出逢いがやがて芽吹いて花を咲かせ実を結び、そこから工芸が広がっていくように、
そのタネのようなカードを持ちかえっていただくきっかけのようになれたらと考えたワークショップです。

今年の工房からの風のメインビジュアルの木のように、深く根をはり葉を茂らせるような、
そんな木に成長できるタネを、ぜひ持ちかえっていただけたらと思います。

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『風で始まる出逢いがやがて芽吹いて花を咲かせ実を結び、そこから工芸が広がっていくように…』
想いがこもったアトリエ倭さんならではの今年の企画。
『風のタネ』というタイトルも、この場ならではのものですね。
そして、木のカードホルダーは、さまざまな使い方で暮らしを彩ってくれそうですね。

Q2
アトリエ倭さんは、「工房からの風」には、何年に出展されましたか。
その時の印象に残る体験(感想)をひとつ教えてくださいますか?

A2
私たちは2012年に出展させていただきました。
その時に稲垣さんに『佳き出逢いの風を』という言葉をいただき、
その言葉がずっと核のように心にあります。

当時、木のおもちゃだけを作っており、50組の出展者さんにも関係者の方にも一人も知り合いがいなかった私たちですが、出展がきっかけで多くの作家さんと知り合うことが出来、
以降も大切にしたい出逢いの風を幾度となくいただいています。
また、出展がきっかけで作る物の巾がかなり広がり、今では文房具やスツールなども製作しています。
『新しい自分たちに出逢う』という意味でも、佳き出逢いの風をいただいたと思っています。

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佳き出会いの風を

アトリエ倭さんは、この言葉のままに、まっすぐ世界を広やかにされていらっしゃいますね。
自分を十全にして開く。そこから広がる輪がますます自分を育てていくんだって、
私の方こそ、おふたりから学んでいるのです。

風人を担ってくださっているのは、出展者の方々に実りある参加をしてもらいたい、
そのお手伝いをしたいという気持ちなのだといつも感じています。
そのまっさらな気持ちが、結果としておふたりの制作の進化にもつながっているのでしょうか。
風人さんにとって、この機会がそんな風であってほしい、
それを体現してくださっているおふたりなのです。

Q3
木を素材として作られたもので、アトリエ倭さんの心に残るもの、
または、大切にしているものを教えてくださいますか?

A3
私たちは建具屋で修業をして独立したので、古い建具や木造建築に心を惹かれることが多くあります。
福島の祖母の生家が猪苗代湖のほとりにあるのですが、
そこの梁や柱が今では手に入らないような立派な材で出来ていて、
何十年も積み重なった時間で黒く光っていてとても美しく感じます。

また木製の建具も、当時『デザイン』という呼び方は無かったと思いますが、行く度にとても綺麗だなと思います。

ああいった、真直ぐな気持ちで作られたカッコいい仕事に憧れます。
時を重ねるほどに美しく育まれるもの。
「工房からの風」に集う作り手や使い手の多くが、きっと「好き」なものであって、
大切にしたいことのような気がします。
木には特にそれが表れていくように思います。

アトリエ倭さんは今年もコルトン広場、モニュメント周りにワークショップテントで展開くださいます。
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