director's voice

Awabi ware(陶芸)

Awabi ware(あわびウェア)
2013年の初出展からそのお仕事を着々と確かなものとしてきた
岡本純一さん。
5年を経て、再び淡路島からやってきてくださいます。

Q1
Awabi ware、岡本純一さんは
「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
その中で、特に見ていただきたいものがありましたら、加えて教えてください。

A1
ぜひ手にとっていただきたいものは、職人さんとともに作り上げた新作のパン皿です。
拭き漆仕上げのパン皿は、毎日の食卓で使われることで、その美しさが増していきます。

また、新作としてカップ&ソーサーなど数アイテムを出品します。
併せて、あわびウェアの定番の器も並びます。

カラーバリエーションは、基本色を中心に
パープル、黄色、トルコ青色などをセレクトする予定です。

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Awabi wareでは、岡本さんはメインの作り手のひとりであって、
かつディレクターとしての役割もされています。

岡本さんが感じ、想い描き、考えたことを、形にするために動く。
こうして生み出される作品が、Awabi wareの豊かな作品群となって
この場に帰ってきてくださいました。
2018年のAwabi ware。
まだまだ進化発展していくAwabi wareの今をたっぷり見せていただけそうです。

そうそう、陶器の制作がお仕事の大きなヴォリュームですが、
今回のように漆器の企画もなさって、
Awabi wareとして発表されるようにもなったのでした!

Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心の中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?

A2
ものづくりをしていく中で常に考えていることは、
「民藝は可能か」ということ。
民藝を僕なりに要約すると、
私たちは自然と手をつなぐような道具づくりができているかどうか。

そんな民藝に真摯に向き合った赤木明登さんの著書「21世紀民藝」や
「美しいもの」シリーズは、
あわびウェアのものづくりに常に影響を与えています。

映画は何と言ってもスパイものが大好きです!トムクルーズ最高!

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岡本さん、この秋に「ミンゲイサイコウ」というサイトを立ち上げられました。
→ click

岡本さんが考える民藝とは、どういうことでしょう。
それは私がここで安易に言葉にしてしまうことではなくて、
民藝という言葉を巡って、ものづくりにまつわること、
もっと言えば、生きることについてといったさまざまなことを
共に考えあうことを、岡本さんは望んでいるような気がします。

民藝といえば、今回、14日の日曜日にはトークイベントを行います。
「民藝のインティマシー―」の著者でもあり、
NHK Eテレ『趣味どきっ!』「私の好きな民藝」
(4/3-5/29、全9回)に出演されていた
鞍田崇さん(明治大学准教授・哲学者)と稲垣で
「工藝を巡る耕し」について、お話ししたいと思います。
「工房からの風」はずっと小冊子や作家の言葉とともにありました。
言葉、文章とともにあるクラフトフェアならではのお話を、
鞍田さんと交わすことそのものが
「工藝を巡る耕し」になればよいと思っています。
岡本さんもひょっこりいらっしゃるかな?どうかな??

トークイベント
14日(日)12時からコルトン広場内テント
予約制ではなく、15分前(11:45)からお席に順番にご案内いたします。
※席に限りはありますが、お立ち見も可能です。
※天候により、急な場所の移動がある場合もございます。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
アトリエに木製のアームチェアがあります。
背もたれと座面がイグサで編まれていて、
どこか懐かしく愛着が持てます。
実は、それは大学で木工を学んでいた妻が二十歳の頃に作った作品です。
その椅子が、民藝という言葉に出会うきっかけとなりました。
それ以降、僕は、民藝館や道具屋を巡り民藝の美しさに魅了されていくのでした。
淡路島のアトリエにその椅子はあります。
よかったらいつかお立ち寄りください。

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純一さんにはよき伴侶、寛子さんがいらっしゃいます。
Awabi wareの活動も寛子さんの力があってこそですね。
(と、純一さんがおっしゃいます)
今のAwabi wareを導いたといってもいいような木の椅子。
淡路島のAwabi wareを訪ねた時、私も見せていただきました。
皆様も淡路島に行かれた折には、ぜひ見せていただいてはいかがでしょうか。

Awabi ware、岡本純一さんのブースはニッケ鎮守の杜、
中央のレンガ道に沿った緑の下草のスペースです。

ミンゲイサイコウのサイトはこちらになります。
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