director's voice

鈴木有紀子さん・ろうそく・静岡

鈴木有紀子さんも二回目の出展となります。
(今回19工房が複数回の出展となっています)
ろうそく。
鈴木さんのろうそくは、暮らしの中で生きる工芸ととても響くもの。
さあ、どんなろうそくなのでしょうか。

Q
鈴木さんは、『工房からの風』にどのようなろうそくを作って来られるのでしょうか?

A
ようやく灯りを恋しく思う季節になってきました。

今回は、「小さなサプライズ」を潜ませたろうそくを並べます。
2度目の出展となる今回は、作りたい、作ってゆきたいと思う、
安定がよく・じっくり時を過ごしてもらえたら..と生まれたろうそくを。

北欧の林の中の一風景を切り取ったような…
「白樺の切り株」や「白夜」の空気をろうそくに仕立てました。
そっと出番を待っているとき、ぽっと炎を灯じたときの表情の違いに、
いつも私も感じてにんまりとする「はッ」とをみつけて頂けますように。

そして、「灯す」ということにまだまだ勇気のいる方へ。
ろうそくのある時間のきっかけにして頂ければと思い、
「灯りのたね」を作ってみました。
同等sizeで「富士山ろうそく」も作りました。

また、ガラスのさこうゆうこさんと一緒に作ったものを
それぞれの場所にてみて頂きたいと思います。
ずっと探していてなかなか出会えなかったもの。
「キャンドルポット」
前回、工房からの風を終えて、澄んだ素直な作風にぜひ..と思い、さこうさんに投げかけました。
さこうさんからも作ってみたくてろうそくのことを聞きたかったとお話を受け、
ろうそくを灯してもらい、吹きガラスのことを聞かせてもらい、
ゆっくりとゆっくりと進めて作りました。

安心して灯してもらえるもの、
陰影を隠さずそれでいて美しいものが生まれたことを喜んでおります。
この出会いを下さった「工房からの風」のお陰です。

うれしいですね、こういう熟成したコラボ!

Q
鈴木さんにとって、『工房からの風』ってどんな風ですか?

A
俯瞰で見たらなんて寛大な風だろう…と感じ、
近づいてみれば、ろうそくのように心模様で印象の変わる風のように思います。

前回味わった風は、どこまでも温かく大きな風だったけれど、
二度目の風に向かう今は、あの時、迎え入れ背中を押してくれた風に
恥ずかしくない時間を費やしてこられたでしょうか…。
と、楽しみでもあり、背筋の伸びるようでもある心持ちがしています。

鈴木有紀子さんのろうそくの魅力については、今回出版される書籍☆でも
4頁にわたって綴らせていただきました。
日本ではまだなじみの薄い暮らしで楽しむろうそくですが、
灯さずにおいて美しく、灯して尚美しい鈴木さんのろうそく、
ぜひ間近でご覧になってみてくださいね。

鈴木有紀子さんのホームページはこちら → 
出展場所は、『ニッケ鎮守の杜』のちょうど真ん中あたり、
藤棚の下です。