director's voice

山崎裕子さん・陶芸・静岡

陶芸は応募が一番多いジャンルです。
出展に通っていただく倍率もどうしても高くなってしまいます。
狭き門をくぐってくださった作家の方々は、それぞれ個性が輝いています。
朝霧高原で作陶される山崎さんは、
フォルムと色が美しく響いた焼き物を作る方です。

Q
山崎さんは、『工房からの風』に、どのような作品を出展されますか?

A
パステルグリーン、サーモンピンク、、ブルー、クリーム色、しましま・・・
カラフルな釉薬のカップやご飯茶碗、、マグ、ボウルなどを持っていきます。

色は釉薬にほんの少しいれた金属の色です。
それが熱で溶けて、流れたり、結晶ができたり、
釉薬の厚みや窯の中の温度差によって色や表情があらわれてきます。
窯から出たそれらの思いもかけない色や質感に引っ張られて、
少しづつ色を展開してきました。

「日常の器を作りたい!」と美術から陶磁に転向したのに
色を追いかける事はそこから離れてしまうように感じて少し躊躇していました。
でも今回、開き直って、もっと色をよく見て引き出そうと思いました。
美しい金属や何か分からない現象の表出を私は拾っています。
器の形をだらしなくしてそれらの表出を台無しにしないよう気をつけています。

ビビッドな色の器。
色は人の心にダイレクトに訴える力がありますね。
ぱっと心を明るくしたり、落ち着けてくれたり。
食卓やインテリアの中に、気持ちにビタミンとなるような美しい色とかたちの器、
取り入れてみませんか。

Q
『工房からの風』は、山崎さんにとってどんな風ですか?
あるいは、どんな風にしたいですか?

A
「工房からの風」は、今までは私とは関係のないどこか遠くで吹いている風でした。

6年前に埼玉から朝霧高原に工房を移し、
それから生まれた二人の男の子の子育てと
自然の中での初めての生活とその合間の器つくり。
少し余裕がなかったように思います。

初めてのミーティングはいろんな意味でとても新鮮だったんです。
すごく緊張して、その緊張感が直前の今戻ってきています。
当日、他の作家さんの仕事を見るのも、
器を介して色々な人とお話しができるのも楽しみです。

今までこもっていた自分の中を風が吹き抜けて、
家族と生活を大事にしながら、
これからも続けていける力になるといいなと思います。

50人の本気が、ひとつの風を起こしていくのですね。

山崎さんのホームページはこちら → 
出展場所は、『ニッケ鎮守の杜』の奥、
稲荷社のちょこんと前のシイの木の下です。