2018年10月の記事一覧

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お迎え準備

出展作家の方々からのメッセージ紹介を一呼吸。
今日は台風一過の穏やかな日でしたので、
会場の一部、お庭のニュースを。

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いつも庭人さんたちと整えている花壇。
今日は、大野八生さんが終日入って手と心をこめて手入れをしてくださいました。
大野さん、とぉーーてもお忙しく、イラストのお仕事たっぷり抱えられる中、
終日のお庭手入れはどんなに時間のやりくりが大変だったことでしょう。
けれど、そんなことおくびにも出さず、
黙々と植物と信頼の会話を交わすように手を進めてくださいました。
大野さんが入ってくださった後の庭って、ほんとうにぴかぴか輝くんですよね。
本展の前日もはいってくださるので、きっと輝きの庭、
みていただけますよ
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庭の補修、保全。この場に合った土を入れて、その上に砂利を載せていきます。
昨年の雨天のことを想い、うんとたっぷり土と砂利を入れてもらいました。
いいかんじですー。
画像上は、Ohamaさん、CHIGUMAさん、佐藤亜紀さんのあたり。
お足元がうんとよくなりましたし、美観もうんとあがりました!

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こちらは先日おりひめ神社で執り行われた安全祈願・晴天祈願、千客万来祈願祭です。
宮司さんにお越しいただき、清々しき日に行いました。
コルトンプラザの代表者や警備、保全担当の方、
そして、作家代表で大野七実さん、稲垣が玉串奉奠もさせていただきました。

今のところ、予報はよい感じです。
あと10日。
日々粛々と、作家の方々、そしてご来場者様をお迎えすべく
スタッフ一同心を込めて整えています。
10月13日14日の土日、工房からの風へぜひご来場くださいませ。

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R.BROWN Labo(革)

大阪で革バッグや革小物を制作するR.BROWN Laboさんからのメッセージをご紹介します。

Q1
R.BROWN Laboさんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A1
革の豊かな表情を活かしたバッグや財布・小物類を。
素材を活かしたシンプルな作りの中にも、
意匠を凝らしてより良いものができるように、
日々製作しています。

また今回の工房からの風のテーマである
『草と木』をイメージしたカラーで財布などの小物類も出品予定です。

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シックでスマートなフォルムが魅力のR.BROWN Laboさんの革バッグと革小物。
『草と木』をイメージしたカラーって、どんなものでしょう。
会場で出会えるのが楽しみです。

Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?

Q2
工房ではJAZZやSOUL MUSIC を聴くことが多いです。
特に70年代に活躍していたアーティストの楽曲をよく聴いています。

昔、音楽活動をしていたのですが、
発想して形に進めていくところなど、
楽曲作りと、ものづくりはとても似ていると感じる時があります。

それが今の自分のものを作るときの、
スタイルにも影響している部分があるのかなと思ったりもします。

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R.BROWN Laboさんが楽曲作りなど音楽活動をされていたと伺って、
とっても納得してしまいました。
作品にもどこか心地よいリズムが流れているような気がします。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

Q3
菱ギリという革を手縫いする時に使う道具です。

一般的に売られている市販品では大きく扱いにくかったので、
職人さんに作っていただきました。
自分の手に合わせてサイズを調整してくれているので、
とても手に馴染みます。

道具一つで作るものの出来栄えも変わってくると
感じさせてくれる一品です。

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作る人たちが作るための道具。
今回、この質問に、こうして道具を答えてくださった方も多いですね。
道具を作る方たちもいて、ものを作る仕事も成り立っています。
縁の下の力持ちの道具作りの方たちへのリスペクト、忘れずにいたいですね。

R.BROWN Laboさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜。
銀座アスター側を背中にした4つ並んだテントの中になります。

インスタグラムはこちらになります。
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佐藤亜紀さん(染織)

今年度出展作家のご紹介も東日本からの方々が終了しました。
30名。
ここからは、関西、中国四国、九州、沖縄、スイスからの
出展作家19名の方々からのメッセージをご紹介していきます。

まずは滋賀県の佐藤亜紀さん。
3回目の出展ですが、京都から信楽に工房を移してから初めての出展になります。

Q1
佐藤亜紀さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A1
草木染めの糸で織り上げたストールを中心に出品します。
素材は、絹糸100%のものや、絹糸に綿糸をくわえたものもあります。

経糸の色に緯糸の色をかさねることで浮かびあがる色。
染めためた濃淡の色や微妙に違う同色系の色がひきそろうことで
うまれる粒子のような色。

手織りならではのこまわりのきく色づかいが楽しく、
おおらかで自由な気持ちで織れるように心がけています。

一枚一枚の布を、ゆっくりと見てさわって、巻いて
あじわってもらえたらうれしいです。

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亜紀さんの布の魅力は、絹を中心とした輝きのある素材に、
得も言われぬ繊細で奥行き豊かな色が奏でるふかぶかとした世界です。
布そのものとして美しく、人がまとうことによって生まれる陰影の美しさが格別なことです。

染め織りを続ける年月を重ねるほどに、
じんわりと亜紀さんが目指している布の世界が
ふくふくと立ち上がってきているように感じています。

いえ、目指している、というのはちょっと正確ではないかもしれません。
かすかに、けれど確かに感じる光の方に向かいながら、
染め手、織り手である亜紀さん自身が見えてくるものに
喜びを感じているような布の輝きを感じています。

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Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?

A2
最近、制作しながら高木正勝さんの音楽をよく聴きます。
昔話を聴いてるようだったり、異国を旅してるような気持になったり、
おだやかな陽ざしの日にそよいでくる風のようなここちよさを感じたり、
四季折々の自然の情景が浮かぶようだったり。。。
こんなにも奥ゆきがあって表情ゆたかに音って奏でられるんだなぁと
心魅かれていて、インスピレーションや良い刺激ももらっています。

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亜紀さんの布ととても響きあう澄んだ音楽ですね。
風にそよぐ布のような。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

A1
やはり、「織り機」です。
修行時代に自分の制作用に織り機がほしくて
新品を購入するのは難しく、中古で探していたところ、
ゆずっていただきました。

ゆずってくださった方は、
社会人になって初めてのお給料で購入したものの
30年ほど一度も組み立てず、ねむらせておいたそうです。
部品ごとに、お手製の布の袋に丁寧に入れられ
とても大切に保管されていたのがうかがえました。
使ってもらえるならどうぞどうぞ、ということでご好意でおゆずりいただきました。
今でも年に一度の年賀状で近況などをお便りさせてもらっています。
私が日々、機織りしていることをとても喜んで下さっています。

機には、ここぞという時には
無事に織り上がりますようにと
神頼みみたいにお願いしたりしています。
今まで、数々の山を一緒に越えてきたような仲のように感じます。
これからも大切にします。

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織り手の方々の「機」との出会いには、豊かなストーリーがひそんでいますね。
亜紀さんに機を譲られた方も、こうして美しい布々が生まれてくることを、
ほんとうに喜んでいらっしゃると思います。
亜紀さんの織りあげた布も、そしていずれはこの機も、
心ある方々に譲られていく日に恵まれていくのだと思います。

佐藤亜紀さんの出展場所は、おりひめ神社の手前。
椎の高木のほとりで輝きの布がはためくことでしょう。

ホームページはこちらになります。
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小嶋紘平さん・祐希さん(和紙)

今年は手漉き和紙を手掛けるご夫婦の出展があります。
小嶋紘平さんと祐希さん。
新潟県で制作をされています。

Q1
小嶋さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A1
手漉き和紙を出品します。
私たちは、四季の移ろいや目の前に広がる風景を
それぞれのかたちで表現できたらと、
和紙の原料である楮の栽培から紙漉きを行っています。

紙漉きといっても紙を漉く工程は全体のほんの一部であり、
多くの時間は和紙の原料である楮の栽培や
草木の採取など自然に寄り添った時間から成り立っています。

そんな身近な存在である自然は、さまざまな想像力を与えてくれます。
長い冬の間、眠っていた大地からおぼろげな芽が出てきたかと思うと、
夏の暑さにも負けない青々とした草木を育たせ、
めいめいに咲き誇った花はやがて朽ちていく。

そしてそれは土に還り、その土地の風になっていくことを思うと、
真っ白で厳しくも静かな冬、ほの明るい光のようなものを感じます。

「工房からの風」の舞台である庭で、
さまざまな土地から生まれてくる風とともに、
私たちもその風の一部になれればと思っています。

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工藝では、素材から仕上げ完成まで、さまざまな工程がありますが、
素材作りから一貫して手掛けることは、
大変と一言では済まない深い道のりがあります。
けれど、その大変さにこそ意義や喜びもあるのではないでしょうか。
自然と深く交わいながら生み出されてくる小嶋さんの和紙、
ぜひその風合い、存在感を感じていただきたいと思います。

Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?

A2
「ときをためる暮らし/つばた英子・つばたしゅういち」

だんだん美しくなる人生を設計する。
自分たちの手で暮らしを彩るおふたりの聞き語り。
自分たちのものづくりも、
目の前に広がる何気ない日々の生活から生まれてくるものでありたいと
改めて感じさせられた1冊です。

「木のいのち木のこころ〈天・地・人〉/西岡常一、小川三夫、塩野米松」

宮大工として法隆寺や薬師寺の復興に尽力した西岡さんの言葉からは、
職人としてのプライド、育てる人としての信念が感じられ、
背筋がすっと伸びるような気持ちにさせられます。
また自然と人間への敬意がどの言葉からも感じられ、
ハッと気付かされる事の多い1冊です。

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だんだん美しくなる人生を設計する。
はっとさせられる言葉。
小嶋さんのものづくりの背骨を教えていただいたような気がします。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
草や木の魅力ってなんだろう。

待ちわびた陽だまり、何がなくとも人々はぞろぞろと外へと向かう。
ふとつめたい鼻先からやわらかな香りを感じる季節。

めぐみの雨が続き、空気にうるおいを与え、日に日に緑が生い茂る季節。
風を感じて景色がはやく動いて鼓動が高まっていく。

空が赤らんできたことを感じるころ、風に運ばれてくる香り。
そして金木犀の花が咲き始めると心が騒がずにはいられない。
そう、実りをむかえる季節。

枯れ葉も舞い落ちやがて深い眠りにつく山々、
澄み渡る空気があたりの景色をよりいっそう凛とさせる季節。

それぞれの季節の散歩道で、
なぜだか理由は分からないけれど惹きつけられる草や木に出会うことがあります。
そんな草木に胸の高鳴りを感じながら、嬉々とし戯れ帰る。

また日々の生活のなかでふとそれを目にしたとき、
おまもりのような存在になっていたり。
呼吸をともにする草や木に、
理屈ではなく安心感を覚えるのかもしれません。

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小嶋さんの作品を心地よく見て、触れていただけるように、
「手仕事の庭」の花壇に面したブースで小嶋さんに展示をお願いしています。
「手仕事の庭」にも、楮とトロロアオイが育っています。
素材と生み出されたものが、同じ空間にあるのはとってもうれしいこと。
皆さんとその空間をご一緒できることが工房からの風の喜びでもあります!

小嶋紘平さん・祐希さんのお仕事のHPはこちらになります。
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foot of the mountain(木工)

北陸、富山県で木工をされる中西健太さん。
foot of the mountainという名前で作品を発表しています。

Q1
foot of the mountainさんは、
「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A1
色々な形の取っ手が付いた、木の食器をメインに出品する予定です。
私の製作活動は取っ手付きのボウル作りからスタートしました。
趣味の登山の時に鞄に掛けられるものが欲しい、と思ったのがきっかけです。

生活の中でも吊るしたり重ねたりと役に立つことが分かり、
形・大きさ・樹種・仕上げなど様々に、楽しみながら製作を続けています。

その他、ボウル作りから派生した作品をはじめ、
色々と出品したいと思いますので、
お好みのものを探していただけたら嬉しいです。

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登山に役立つ道具がものづくりの発想の起点というのが、
とてもユニークですね。
そこから、ぐんぐん発展していくことも。
あらためて見てみると、取っ手って面白くって広がりがありますね。

Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?

A2
音楽が好きで製作中にもよく聴いています。
ジャンル問わず気分に合わせて聴きますが、
学生時代にギターを弾いていた影響か、
ギターの入った音楽を流すことが多い気がします。

特にガットギター(ナイロン弦のギター)の音色が好きで、
Joao GilbertoやBaden Powellなどのアーティストがお気に入りです。
ギターの音からは木の響きを感じるので、やっぱり木が好きなのだと思います。

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木を用いた楽器はとても多いですね。
foot of the mountainさんも、
いつか音とゆかりのあるものを制作されるかもしれませんね。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
展示台として使っている、桐の丸太。

初めてクラフトフェアに出展した時に用意したものです。
磨きながら使い続けていたら、良い風合いになってきました。
普段は製作時の椅子として使われています。

桐は軽いので大きさの割に持ち運びやすく、
今では製作・出展ともに欠かせない相棒になっています。
「工房からの風」にも持って行く予定でいますので、
作品と一緒にご覧いただければと思います。

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桐の丸太!ぜひ見てみたいです。
foot of the mountainさんの出展場所は、
ニッケ鎮守の杜、手仕事の庭の近く。
トキニワカフェ席も近いので、ぜひお立ち寄りください。

foot of the mountainさんのホームページはこちらになります。
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竹下努さん(陶芸)

岐阜県土岐市で作陶される竹下努さんからのメッセージをご紹介します。

Q1
竹下さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A1
白磁の器を出品いたします。
李朝白磁と言う昔の韓国の焼き物から
インスピレーションをもらって作っているので、
普段見られない形の器だったり、
目跡や砂高台と言う聞きなれない箇所が見どころだったりします。

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白磁ならではの美しさを写真からも感じますね。
地肌に釉薬がしっとりかかって、得も言われぬ肌合いも白磁の魅力のひとつ。
竹下さんの白磁、たっぷりお手に取って見せていただきたいです。

Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか

A2
J-ポップ、J-ロックを聴くことが多いと思います。

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Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
蕎麦を盛るための笊。
なんてことない量産の竹で出来ている平笊ですが、
蕎麦を盛るためにはこれ以上ないのかなと思い大事にしています。

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今回、「焼き物が大好き!」という方にもおすすめのブースが幾つもあります。
竹下さんのブースもそのひとつです。
ニッケ鎮守の杜中央部、本部テントの近くでぜひご覧ください。

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平野日奈子さん(陶芸)

岐阜県多治見市で作陶をする平野日奈子さん。
3回目となる出展では、どのようなメッセージを寄せてくださったでしょうか。

Q1
平野日奈子さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
特に見ていただきたい作品がありましたら、教えてください。

A1
グリーンのコバルト釉、粉引き、色釉の食事の器、
飾る器、装身具などを並べようと思っています。

お皿と料理の組み合わせを考えることが楽しくなってきて、
平皿をたくさん作ろうと思っています。

新しい釉薬の宇宙のようなお皿もぜひ見てほしいです。

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平野日奈子さんの器といえば、ふんわりとした印象の粉引き。
それが、今回は新しい釉薬に取り組まれていて、とてもカラフル。
そして、装身具にも展開が広がってうれしい驚きです。

平野さんは3回目の出展ですね。
同じく三回目の出展となる鈴木美佳子さんも新展開でした。
新たな取り組みで数年を経て出展くださること、
企画者としてはとても嬉しく思っています。

Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?

A2
普段はラジオを聴いていることが多いのですが、
午前中や夜遅くに季節や気分にあったものを聞いています。

今年の夏はとても暑かったので折坂悠太さんのアルバムをよく聞いていました。
草のにおいや、さーっと気持ちのいい風が吹いてくるような気分になっていました。

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ここにもラジオ派が!

多治見とえば、特に暑さで有名ですね。
陶芸にも厳しい夏だったことと思います。
草のにおいや、気持ちのいい風、呼び寄せたくなりますね。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

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祖母が作った鎌倉彫の朱色のお重です。

側面にそれぞれ梅の柄が彫ってあって、
小さな頃にぴったりのところに合わせてわっとうれしくなった
気持ちを今でもすごく覚えています。

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お手製の鎌倉彫のお重!とは。
作り手の皆さんは、さすがよき手をもつ方の血を引いているのでしょうか。
日奈子さんのように大切に使い続けてくれる手のもとにあって、
お祖母様もきっと満足されていることと思います。

平野日奈子さんの出展場所は、コルトン広場スペイン階段前。
モニュメント方面に開けたテントで爽やかな笑顔の
日奈子さんが出迎えてくださいますね。

ホームページはこちらになります。
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中里洋平さん(漆)

「工房からの風」では、漆器をメインに制作する作家は毎年1名ほどご紹介しています。
今年は長野の工房で制作をする中里洋平さん。
これから伸びてゆかれる作り手の方です。

Q1
中里洋平さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A1
漆器の椀や皿、鉢、弁当箱やカトラリーを出品致します。
木地はロクロなどを使わず、
無垢の広葉樹をノミやカンナで刳りぬいて作っています。

木の表情を消しきらないように漆を塗り、
かつ長く安心して使えるよう、
縁や底にはしっかり塗って、
丈夫に仕上げることを心がけて制作しています。

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独学で形作りから漆塗りまでを手掛ける中里さんの仕事。
素朴で使いやすいかたちながら、
均一、画一ではない、よきおおらかさが木の風合いと相まって、
なんとも味わいのある器となっています。

手がけたひとつひとつの部分に補強などの意味があって、
共に時を過ごすほどに美しく育つ器だと感じています。

Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?

A2
マリア書房から発刊されていた「緑青」という骨董雑誌が面白く、
古本屋を巡っては、少しずつ集めています。

幅広いジャンルで、国内外問わず各地の古民芸を紹介していて、
珍しい品々を集めた特集が多いので、新鮮な発見があります。

また寄稿している骨董店の情報も載っているので、
実物を見にお店へ訪ねて行く楽しみもあります。

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古きよき、、、といっても、
ほんの30年前くらいまでにはまだ残っていた
身の回りの美しいものたち。
案外その頃に少し古く感じられたものの中に、
今見出すべきよきものがあるような気がします。

中里さんの作るものに感じる美しさ、
目指していかれるものづくりには、
そのような懐かしさがこめられているような気がします。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
以前展示で見た、アジアの古い木彫品が印象に残っています。

動物の彫刻があしらわれた容れ物や食器、彫像など多岐に渡るのですが、
どれも大胆な彫りの入った迫力のある造形で、
また表面は真っ黒で鈍く艶掛かっていました。

食器などは腐食や虫食いを防ぐ為に吊るして保管するそうで、
かまどの煙にいぶされて黒く煤まみれなり、
磨かれたり、人の手の脂が加わったりと、
長い年月を経て独特の表情をしたコーティングとなって行くそうです。

日本でも、囲炉裏の自在鉤や、台所で祀られていた大黒様の彫像なども、
同じように黒光りしいている物を見かけます。

長い間、人の手で大事に育てられきた物に宿る表情には、
強く心動かされるものが有ります。

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黒光りとは、時と人の手が共に磨いた輝きですね。
中里さんの手になる器や匙も、使われるほどに艶を豊かにしていくことでしょう。

中里洋平さんの出展場所は、コルトン広場、スペイン階段前。
唯一の漆器の作品ブースです。

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鈴木美佳子さん(陶芸)

「工房からの風」には3回目の出展となる陶芸作家の鈴木美佳子さん。
以前は福島県で作陶されていましたが、
震災後に長野県に移られてからは、初めての出展になります。

Q1
鈴木美佳子さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
その中で、特に見ていただきたいものがありましたら、加えて教えてください。

A1
すべて日々の生活の中で普通に使う器(花器)です。
小さいものから、お箸置き、小鉢、中鉢、
5・6・7寸プレート、ボウル、ピッチャー、
ポット、花器、角皿などです。

特に見ていただきたいのは、
今まで作っていた土もの(白化粧など)と、
新しい品もの(象嵌)を見比べてほしいと思います。
全然違うようで、どこかに共通点がある様子が伝えられたらいいと思っています。

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驚くほどに作風に変化が生まれた鈴木さんの陶磁器。
特に磁器の器は以前には見られなかったものですが、
ほのかに愛らしさを湛えた雰囲気は新旧どちらの器にも感じられます。

鈴木さんが希望されるように、ぜひブースでお手に取って見比べてみてください。

Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?

A2
本で、松浦弥太郎さんの「しごとのきほん くらしのきほん 100」を最近よく手にしています。
ものづくりだけではないのでしょうが、
仕事をするうえでよい言葉が簡潔に書いてあるところが好きです。

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Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
母が作ってくれた木のお盆です(大小2枚あります)。
私が娘を出産した際に作ってくれました。

普通の形で使いやすく毎日活躍しています。
後ろにびっくりするくらい大きく母のサインと娘の名前が入っていますが、
使うときには見えないので、まあ良しとしています。

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お盆を作ってくださるお母様!って。
すばらしいですねー。

サインが記された裏側、見せてほしいような・・。
美佳子さんの器を載せることもできて、大切な宝物ですね。

鈴木美佳子さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜のレンガ道に面したところ。
アーモンドの木の近くです。

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平田いぶきさん(金属)

千葉県で制作を続ける平田伊吹さんからのメッセージを御紹介します。
(いぶきさんて、素敵なお名前ですね)

Q1
平田いぶきさんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
その中で、特に見ていただきたいものがありましたら、加えて教えてください。

A1
金属を素材とした装身具とBookマーク(しおり)を出品します。
大きめのキルトピンも多く出品しますので、
これからの季節ストールに合わせて使っていただけたらと思います。

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印象的なデザインのキルトピンは、活躍の場が多そうですね。
そして、Bookマークをたくさん展開されていて!
本好きの方へのプレゼントにも洒落ていますね。

Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心の中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?

A2
作業中はFMラジオをつけている事が多いです。
新旧問わず、色々なジャンルの曲を聴く事ができますし、
ラジオをつけているとリラックスして作業できる気がします。

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作り手でラジオ派の方はとても多いのです。
人の営みの気配とその距離感がいいのかもしれませんね。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
小学生の時に父親が作ってくれた手作りの竹馬です。
周りの友達はほとんど市販のスチール製の物を使用していましたが、
私は自宅の裏山に生えている竹を使って父が作ってくれた竹馬を使っていました。
今でも時々、ふと竹馬に乗りたくなる時があります。
よい思い出です。

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こちらもなんて素敵なお話し。
草や木を素材に作ってもらったものたちの存在感のあたたかなこと。

それにしても、竹馬、最近見なくなりましたね。

平田いぶきさんの出展場所は、コルトン広場、スペイン階段前となります。