2018年9月の記事一覧

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佐々木のどかさん(織)

東京で機に向かってものづくりを進める
佐々木のどかさんからのメッセージをご紹介します。

Q1
佐々木のどかさんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A1
さき織りバッグを出品します。

昨年から、綾織りという柄の出る織り方で
ヘリボーン柄などのバッグを制作しています。

今回は、この綾織りのバッグを中心に展示します。
きんちゃく型・手提げ・大きめなショルダーバッグなどをお持ちします。

さきおりバッグ3

佐々木さんとは、出展が決まってから作品を巡って話し合いをしてきました。
さき織りという技法でも、作り手によって作品の印象が随分違います。
その第一印象は色でしょうか。
佐々木さんのさき織りは、
クールなきっぱりとし色遣いがとても素敵に映りました。
そのことを率直にお伝えすると、佐々木さん自身もその方向がとても好きなのだと。
織りはとくに時間のかかる仕事。
あれもこれも展開を広げずに、思い切って絞って構成してみましょう!
ということで「工房からの風」を迎えます。
会場では、きっと佐々木のどかさんならではの
さき織りの世界が繰り広げられるのではないでしょうか。
私もとっても楽しみなのです。

Q2
工房でよく聴く音楽、または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心の中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?

A2
シャルロット・デュマ写真集「Stay」
日本在来馬を魅力的に撮影しています。
グレイがかった写真の色合いなど、その世界観を含め、とても好きです。

作っているものと作りたいものの間に、
少しづつズレを感じて、手探りしているような時期に
この本に出会いました。
この本がきっかけで、行きたい道のイメージが具体的に見え始めてきて、
それまで作っていたものから、今の私が作りたいものへ、と
新しい1歩を踏み出すことが出来たように思います。

絵本「あひるのバーバちゃん」
お気に入りのバッグを持つことの楽しさにあふれている本で、
子供の頃から、この本がとても大好きです。
ここに出てくるポケットいっぱいのブルーのリュックが欲しくて、
家族で出かける度に探していました。
今でも時折読んでは、ワクワクしています。

バッグという存在に魅力を感じて作り続けている理由が、
この本の中にあります。

さきおりバッグ2

素敵なお話ですね。
やはり、色彩、色調が制作の世界観に重要なものである佐々木さんならではのもの。
このご本、ブースに持ってきてくださるでしょうか。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、大切にしているものや、
思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
大学で家具などの立体デザインを中心に学んでいたこともあり、
木の家具や道具は、見るのも使うのも大好きです。

私の織り機は、桜の木で出来ています。
少しづつ色が濃くなり、傷も出来てきて、
一緒に過ごしてきた時間が感じられるようになってきました。
使う道具そのものにも魅力を感じながら、制作できることは、
とても幸せなことだな、と思っています。

さきおりバッグ1 (1)

桜の木の赤みをふくんだ艶が、織り続けるときの中で深まっていく。
ものづくりを続ける中で、織り手に与えられるひそかな恵みのようですね。
ますます、豊かな織の時間が続きますことを。

佐々木のどかさんの出展場所は、おりひめ神社の脇。
ブログはこちらになります。
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栗原志歩さん(ガラス)

埼玉県で吹き硝子の制作をする栗原志歩さんからのメッセージを御紹介します。

Q1
栗原さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A1
『溶けたガラスは水みたいだな』
と吹きガラスを始めた時に思いました。

そこから一貫して「水」をテーマに作品を作ってきました。
制作を続けてきて、ガラスが水のように美しく見えるのは
「光」があるからだと感じるようになりました。

それからは『水と光』をイメージして作るようになりました。
「工房からの風」だから、というよりも、
「工房からの風」を通過して、
自分がどのように変化していけるかを意識して望んでいます。

いつも通りのことを一つ一つ、
より大切に意識しながら制作しようと思って今現在制作に励んでおります。
日常にガラスを、という気持ちで水と光をイメージした器を持って臨みたいです。

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栗原さんのガラスは、受けとめるガラス。
そのまま展示しているときは、透明なこともあって、
見過ごしてしまいそうな印象もありますが、
盛ったり、生けたりしたときに、
ガラスならではの美しさが映えるのが特徴に思います。
展示の場では、水を張ったり、
食べ物や花が入った姿を想像してみていただけたら楽しいと思います。

Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?

A2
音楽、本、映画
この中で私にとって大切な要素は「音楽です」
音楽は私の一部だなと思っています。

吹きの現場では炎が渦巻く音の大きさ、
研磨ではガラスが擦られ、
均一な状態になっていく微妙な音の変化を聞きながらの作業なので
ほぼ音楽が聞こえない状態。

しかし、日々音楽を聴いてとても癒されている実感。
私は、音楽に関しては雑食なので
気分によって様々です。
気持ちの持ちようで聴く音楽が変わります。

本当に集中している状態は、無音が一番ですが・・・

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吹き硝子の現場を日常にされている方ならではの言葉ですね。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
大学時代に母親にプレセントしてもらった、籠のバックです。
作家もので、未だに手直ししてもらいながら使っています。

編み方が独特で、同じようなものに出会ったことがありません。
このバックを持ち歩いていると、
「珍しいね」とよく声を掛けられ、
コミュニケーションツールにもなってくれます。

丈夫なので少量のガラスの納品にも重宝します。
もちろん日常にも使用しています。
20年くらい愛用しています。

繝輔y繝ュ繧ッ繧咏畑逕サ蜒・IMG_3207 (533x800)

きっと素敵な籠なのでしょうね。
よかったら、ぜひ画像送ってくださいね!

栗原志歩さんの出展場所は、コルトン広場
スペイン階段前。
本八幡駅側から入って一番目に透明のガラスの輝きのお出迎えです。

インスタグラムはこちらになります。
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越山千帆さん(装身具)

東京都で制作を続ける越山千帆さんからのメッセージをご紹介します。

Q1
越山千帆さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A1
ビーズをかぎ針で編んで作ったブレスレットやネックレスを出品します。

改めて、編んでいること、
ビーズが並んで形を作るということを意識し、
追求した作品もあります。

編んで生まれた形に沿うように(活かすように)
ネックレスやブレスレットに仕立てたものは、
自分でも何になるのか分からない面白さの中制作していました。
編み物特有のふっくらとした丸みと立体感にワクワクしていただけたら。

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ビーズは奥の深いフィールドですね。
それなりに美しく構成することにとどまらず、
越山さんの目線は、かなり尖って攻めているような気もするのですが、いかがでしょう。
ブースでみなさま、どのように感じられるでしょうか?

Q2
工房でよく聴く音楽、または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心の中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?

A2
制作中はパワーメタルをよく聴いています。
起伏が大きく、鼓舞するような曲調も多く、
分かりやすく気分を盛り上げてくれるので、元気とやる気を補充してます。
ただひたすらに編むという時間が大半なので、
微妙に口ずさめるというのも気分転換になっています。

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ナチュラル系、癒し系の音楽が好きな作家が多い印象の工房からの風。
いいですねー、多様性!大歓迎です。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、大切にしているものや、
思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
仏像の修復をしている方に見せていただいた、
如来像の「手」は思い出に残っています。

静かで凛として、温かい生命力があり、
たおやかで本当に美しかった。

大きさは10センチくらいの小さなものだったけれど、
ひれ伏してしまう存在感と美しさでした。
この「手」のような力の凝縮した結晶のような美しさや強さに憧れます。
ビーズひと粒ひと粒が集まって構成する形が
ひとつの結晶のようになることを願って制作しています。

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越山千帆さんのものづくりは、これからぐんぐん伸びやかになっていくのでは。
そんなことを感じています。
ビーズという素材ととことん握手できたさきに、もっと自在なものづくりがあるような。
今展はその過程の中で、さまざまな方の目を養分にできるといいですね。

越山千帆さんの出展場所は、おりひめ神社の奥。
ホームページはこちらになります。
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tronco(革)

木の幹を意味するtroncoをブランド名とした立花怜己さん
物事の中心となる部分、暮らしを支えるものを作ろうという
想いをこめていらっしゃいます。

Q1
troncoさんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A1
•手染めのレザースリッパ
1点1点刷毛で染めを施し、手染めならではの色のムラ感を出しています。
仕上げにクセ付けをすることでクシュッとしたシワが特徴です。

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•レザー、キャンバスバケツ
植物、本、衣類、小物、日常の収納に。
革の表面を漉いた残りのトコ革を使用しています。
時間とともに変化していく色味を楽しめます。

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•お道具入れ
「作業中にものが出し入れしやすい道具入れ」
「ペンが飛び出さないペンケース」
そんなあったらいいのになぁから生まれたお道具入れです。

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その他、革小物もご用意しております。

お道具入れは、我がスタッフにも愛用者がいます。
文房具いっぱい入れるのに、とっても重宝しているようです。

Q2
工房でよく聴く音楽、または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心の中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?

A2
大学で建築を勉強していたときに出会ったのが
フンデルトヴァッサーの作品集でした。

フンデルトヴァッサーの絵の中には木々や鳥、
建物、人物がカラフルな色彩の中にたくさん描かれています。
また、画家だけでなく建築家の顔もあり、
絵の中に描かれている建物たちが、
そのまま立体になっていることに驚かされました。
ものづくりをしていくなかで最初のアイディアを
よりよい形に仕上げていきたいと思うきっかけをくれた本です。

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革靴をメインにインテリアや小物まで制作されるtroncoさんですが、
その背景にはさまざまな興味関心から培われた感覚が渡っているのですね。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、大切にしているものや、
思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
靴を作ったときに自分で削った木型です。
木型は靴の形や履き心地を決める重要なものです。
靴学校で靴の作り方を勉強しているときに
足の計測から木型を削り靴に仕上げました。
自分にピッタリ合った靴を履いたときはとても嬉しく、
今でもその木型は部屋に飾ってあります。

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ファーストシューズならぬ、ファースト靴型。
初心わすれべからず、その新鮮な想いをずっと抱かせてくれる宝物ですね。

troncoさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜。
コルトン広場側から入って、右手に4つ並んだテントのうちのひとつです。

ホームページはできたてほやほや、こちらです。
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三原なぎさん(ガラス)

透明感や彩度、硝子の持っている本来の美しさを大事に
作品を作る三原なぎさんからのメッセージです。

Q1
三原なぎさんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
その中で、特に見ていただきたいものがありましたら、加えて教えてください。

A1
吹きガラスで制作したグラスやお皿などのテーブルウェアを並べます。
宙吹きという型を使わない技法ですので
同じ作品でもひとつひとつ手の馴染みが違うと思います。
是非手に持って、しっくりくる器と出会ってください。

私自身、人が集う場がとても好きです。
大切な人達と過ごす時間が楽しくなるような、
そんな作品を作りたいと思っています。
ガラスという素材だからできる、
カラフルでほんのちょっぴり遊び心を持たせた
ぐい呑やワイングラスなどの酒器をメインにご覧いただきたいです。

特に『asanoha』というシリーズは今回の出展の為試行錯誤した作品です。
銀箔の内側に色ガラスで麻の葉模様を施した作品になりますが、
絵付けではなくトロトロのガラスに直接文様を写し込むという技術に挑戦しました。

色の組み合わせや発色に頭を悩ませましたが、
その分ぜひ見ていただきたい作品になりました。
飲み物を注いだ時。
飲み干す時。
万華鏡を覗き込むようなドキドキと懐かしさを感じていただければ幸いです。

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万華鏡を覗き込むような!
手の込んだ制作ならではの繊細な表情、光にかざしてみてみたいですね。

Q2
三原さんが工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?

A2
宮崎駿監督の『紅の豚』です。
小さな頃は正直内容を理解できていなかった部分が大半だったと思いますが、
これが『カッコいい大人』かぁ!
と当時は胸が高鳴ったのを覚えています。

加藤登紀子さんの劇中歌も大好きで、
先日念願叶ってライブを拝見して号泣してきました!

登場人物はみんなオシャレで、スタンスが有って、
譲れない大切なものがあるんですよね。
マルコの飛行艇だったり、ジーナのホテルだったり。
素敵な大人って〈良いもの〉が自然と自分の周りに集まってくると思うんです。
もちろんそんな人の周りには同じような素敵な人も集まります。
まだ私はそんな素敵な大人には程遠いので(いつなれることやら…)、
そんな人達の周りを彩れるような作品を作れるようになりたいですね。
吹きガラス歴は周りの作家さんにと比べまだ短いです。
ですのでまだ作品つくりの中で考え過ぎて迷子によくなりますが、
そんな時はこの作品や劇中の音楽を聴き、
余計なものをリセットするようにしています。

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リセットできる映画を心に蔵しているのは幸せですね。
ガラス制作は、瞬時瞬時の緊張感の中から生まれていきますから、
尚更、そういうものが大切ですね。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
つげ櫛です。
柘植の木から作られたヘアコームなのですが、
今でも大切にしている日用品の一つです。

ガラス作家を志す以前は美容師をしていたのですが、
当時の先輩から退職の際にいただいたものです。
初めて使った時は非常に使い辛かったです笑。
使いこなせてなかったんでしょうね。
ですが、使い込んでいくと油分が馴染でいって
驚く程滑らかに櫛が通るようになり艶が出るんです。
静電気も抑える優れものです!

元々ものづくりの世界は興味あったのですが、
『手作りの作品って素敵!』で終わりではなく、
使い手によってその人のものに成るということに感動した事をよく覚えています。
もちろん成るまでにはお手入れや日々の扱いなど、
それも含めた過程が大事と知りました。

今になって気づく事ですが、
ご高名な作家さん程、道具を丁寧に扱うんですね。
高速で日々をこなす毎日になってしまった中で、
本当に好きなものを思い出させてくれた大切な品です。
自分を構成してくれた要素の一つになりました。

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技が優れた方ほど、その繊細な技を生み出してくれる道具は、
わが手、わが身と同等なのでしょうね。
つげの櫛を通して、道具のすばらしさに気付いた三原さん。
作り続ける中で、ガラスの道具にも一層愛着が湧いていくのではないでしょうか。

三原なぎさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜の入ってすぐのテント。
梅の木の隣です。
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髙際有希さん(ニット)

「染色、紡ぎ、編み」を手掛ける作品を「高際紡糸製作所」として、
「編む」作品は「chiot.R(シオ.アール)」として活動中の髙際有希さんからのメッセージです。

Q1
髙際さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A1
ニット帽を中心に、手袋、靴下などの服飾ニットを出品します。

小学生の頃から始めた編み物。
編み物歴が長くなるにつれ「編むこと」が好きになっています。
そこから派生した「手染め」「手紡ぎ」の素材作り。
どれも時間のかかることですが、
時間がかかっていることを忘れるくらい夢中になれます。

この数年、素材作りは夫と共同で手掛けています。
それぞれに作りたいものを表現し、
それらを掛け合わせて一つ一つ手編みで作品に仕上げています。

手紡ぎの毛糸は、原毛の色や手触りの素晴らしさを伝えたいので
基本的には染めておりませんが、
藍染の藍色に魅了されたので一部取り入れています。
原毛と藍色の組み合わせをお楽しみいただきたいです。
藍のものは、特にみていただきたいと思っています。

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時間のかかるお仕事で今展を構成するのは大変なことと思いますが、
夢中になって編まれた作品の数々、じっくり見ていただきたいですね。

Q2
工房でよく聴く音楽、または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心の中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?

A2
古本屋でふと見つけた昔の編み物の手芸本。
生まれる前、手編みが盛んだった頃の本です。
何十年も前のものなのに、その編み地は古さを感じないどころか目新しいとさえ思えます。
「奇をてらった新しいものでなくて良い」
その本を手にした時、感じました。
良い意味で、手編みの良さは昔も今もこの先も
それほど変わる事がないのだと思います。

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そうですね、それほど変わることがないけれど、
常に鮮度よくありたいですね。
作家の方々が続けるお仕事には、そういう面があると思います。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、大切にしているものや、
思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
ニュージーランド製の木の紡ぎ車です。

10年ほど前、手紡ぎを始めた頃にちょうど引越しをしました。
故郷の母から
「何か新生活に必要なものをプレゼントするよ」と言われ
家電などでは味気ないと思い、
”一生使えるもの”と考えプレゼントしてもらいました。

ただ欲しくてこじつけだったので、
「新生活に関係ないやん」と笑われましたが、
母が亡くなった今でも、良い思い出です。

この紡ぎ車で色々な糸を作りだしているのを見て、
編み物好きだった母も喜んでくれているだろうと
勝手に思っています。

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髙際さんのとっておきの宝物のお話しをありがとうございます。

髙際有希さんの出展場所は、おりひめ神社のほとり。
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漆原圭子さん(金属装身具)

彫金を藝大で学ばれ、大手宝飾会社のデザイン室で勤務された経験をもつ漆原圭子さん。
独立して、漆原さんの心と手により近いものづくりを丁寧に始められました。

Q1
漆原圭子さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A1
金属の繊細な線とキラキラした珠がついた、大ぶりなアクセサリーや、
植物をモチーフとしたアクセサリーなどを出品します。

特に見ていただきたい作品は、
大きな丸い面に小さな金属の珠が一面にぎっしりついたブローチです。

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実際にお手元で見ていただくと、
金属の繊細な表現がひとつのデザインに収れんされて、
漆原さんならではの装身具に形づくられています。

Q2
漆原さんが工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?

A2
最近は「ギルバート・オサリバン」の「Alone Again」が好きで聴いています。
誰でも聴いたことのある曲だと思いますが、
この曲の旋律が私の心の琴線にふれて、切なくなるんです。

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どこか懐かしさを感じる曲ですよね。
切ない気持ちも、漆原さんの作品のエッセンスに潜んでいるような気がします。
作り手の瑞々しい感受性は、ものづくりの原動力のひとつですね。

『見る人の心がふるえるような、音楽の旋律のようなアクセサリーを作りたいと思っています』

という漆原さんの掲げる想いが感じられるメッセージですね。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
私が幼稚園生の時、とある日曜日にお父さんと木工制作する企画がありました。
私の場合、父が仕事でどうしても来られなくて、母が来てくれたんです。
もちろん母は、木工なんてできなくて。

周りのお父さんたちは本格的な鳥小屋とか作って、すごいんですね。
母は、どうしたら良いか分からなかったのでしょう、
小さな小さな簡単な木のベットを作りました。
子供心には、周りのお父さんたちの本格的な作品の方がうらやましかったんですけど、
今にして思えば、あの小さな木のベットはかわいらしかったなあと。

母はもう、他界しましたが、あの木のベットは忘れられません。

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美しいストーリをありがとうございます。
慣れない木のものづくりを精一杯行うお母様の姿は、
今の漆原さんの中にきっとあるのでしょうね。

漆原圭子さんの出展場所は、コルトン広場、スペイン階段前。
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Y.e.reeves(服)

『既製品がまだあまりなかった時代の頃のような
街のお仕立てするおばちゃんのようにありたくて』
「Y.e.reeves」は、そんな想いで立ち上げた手作り服のブランドです。

Q1
Y.e.reevesさんは「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A1
洋服と布製のバッグ(旅する鞄)を出品します。
刺繍や手まつり、ホック、縫い止まりなどに手の味を感じる洋服を作っています。
今回は生地全体に『ステッチで柄を作る』という試みに挑戦しました。
ちくちくステッチでストライプを作り…。
とてつもなく時間を要しましたが、
その分想いも一層込められたかなと思います。
ぜひ手に取って見て、そして、袖を通して感じて頂けたら嬉しく思います。

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今回、服をメインに構成した作家はおふたりいます。
どちらもナチュラルな雰囲気の丁寧な手仕事ですが、
それぞれの個性をご覧いただくのも楽しいと思います。

Q2
Y.e.reevesさんが工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、
いずれかを教えてくださいますか?

A2
普段ミシン室では、無音の中でこれから作るもののイメージを
膨らませながら作ってゆくことが多いのですが、
時々、外の音が騒がしかったり、
気持ちが落ち着かない時など聴いている曲があります。

スウェーデンのmusette(ミュゼット)の「dutum」(ダートゥム)と、
オートマタ(からくり人形)の曲のyuko ikoma
「suite for Frafile Chamber Orchestra」。

このアルバムは野原にいるような広がりがある曲、
オートマタの曲はからくりから音を集めて曲にしていて、
楽しくて懐かしい、子供心がたっぷり入った曲です。

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手になる作品と通じた音楽ですね。
ぜひ、聴いてみたくなります。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
幼稚園の時に家族で行った温泉宿のお土産コーナーで
木製のスズメのイヤリングを買ってもらった事です。

当時よくあった木彫りの熊の並びにあったもので、
掘り方もそんな感じでおしゃれではなかったけれど、
何度も引っ越した今も無くさずにまだあって、
大人になってからの方が愛着も湧いてきて、よくつけています。
木彫りの熊ならぬ、木彫りのスズメです。

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子どもの頃に連れて行ってもらった旅行のお土産、
という答えをくださった方がほかにもいらっしゃいました。
木のお土産物って、風合いが出てきて愛着わきますよね。
工房からの風の当日、スズメのイヤリング、つけていらっしゃるでしょうか。

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Y.e.reevesさんの出展場所は、おりひめ神社の奥。
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YUSHI SOSHIRODA(革)

ドイツ滞在時代に革でのものづくりを始めたYUSHI SOSHIRODAさん。
外国に暮らしてみたからこその日本の美と、
ヨーロッパのセンスが響きあった作品づくりを展開されています。

Q1
YUSHI SOSHIRODAさんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A1
動物シリーズや日本に纏わるアクセサリーシリーズの他に
新作のORIシリーズの長財布やクラッチ/ショルダーバックを出展予定です。

また普段はあまり出品しない作家さんや
お店とのコラボ作品も色々とお披露目する予定なので、
個展のようなつもりで世界観を表現できたらと思っています。

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心楽しくもすっきりとしたデザインの作品が、個展の想いで構成される。
わくわく、もりもりのブースになりそうですね。

Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?

A2
映画「LIFE! 」
少しの勇気と思いがあれば人生は変わる。
前職を辞めてドイツに自分の職を見つけに行こう、
と背中を後押ししてくれたのがこの映画でした。
これからの人生にワクワクする、そんな素晴らしい映画です。

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2014年に日本公開になったベン・ステイラーの映画ですね。
この映画に背中を押されて、ベルリンへ向かわれた十代田さん。

想いが満ちて、その想いをがはぜるきっかけになってくれるもの。
映画や本には、そんな力がありますね。
「工房からの風」という機会も、そんな場になれるでしょうか。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
フランス滞在時に一ヶ月ほどお世話になった
大草原の中に住む家族から貰った木のナイフです。

木の持ち手に名前の”Y”を手掘りしてくれ、
子供達が葉っぱに包んで庭で摘んだ花を飾った物を別れの朝に頂きました。
その瞬間、ウル◯ン滞在記の「別れの朝~・・・」
というナレーションと音楽が頭に流れてきて号泣しました(笑)
一生の宝物です。

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これは泣けますねー!
それにしても、皆さんの木の宝物、どれも見せていただきたいものばかりです。

YUSHI SOSHIRODAさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜
手仕事の庭のほとり。
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藤原里子さん(陶芸)

茨城県笠間市で作陶する藤原さんからのメッセージをご紹介します。

Q1
藤原さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A1
この度は、初めて陶器の人形を出展予定にしております。
猫と長く暮らした思い出から作られた「猫と人」
カトリックの幼稚園に通っていた頃の、思い出から作られた「天使」「聖母」
どちらも幸せや愛情を表現し、見る方が幸せに感じていただけたら嬉しく思います。

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藤原さんの応募用紙には、
人形の写真が最後の方に遠慮がちに加えられていました。
そのほかの作品とどこか比重が違う感じがして、
思い切って電話をして尋ねてみたのです。
藤原さん自身は人形を深めていきたいけれど、
陶芸作家としてそれだけでよいのだろうかと、
迷いの中にいらっしゃるようでした。

それならば、人形を中心に構成してみるというのはどうでしょう?
と投げかけたところ、とても控えめながらも、
心がふくらんでいるような、弾むような声で
ぜひに!
と返してくださいました。

なので、今回が藤原さんにとっての初めての人形だけでの展示です。
出来上がってきた作品からは、喜び、伝わってきますね。
きっと今まで秘めていたマグマがじんわり吹き出し始めたのかもしれません。

Q2
藤原さんが工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心に中で大切にしている映画、
いずれかを教えてくださいますか?

A2
ものづくりを進める中で大切にしている本
特に大切にしている本は、名もなき職人さんの生きざまや、
仕事への姿勢が書かれた本です
(いろいろな方なので特定の方ではありません)

淡々と力を入れすぎず、それでいて手を抜かず最善を尽くす、
自分の仕事に照らし合わせ身が引き締まります。
また尊敬できる先輩が身近におりますので、
自分の理想像になっております。

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Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
草や木でつくられたものでは厳密にありませんが、
大学時代に友人から貰った双葉の欅です。
引っ越しの度に連れて行き、今の庭に植栽してあります。

双葉から魚の骨状に枝葉を広げ、
上に伸び幹を回転させながら枝葉を四方に伸ばす
生き物の知恵も驚きです。

今では約6メートル以上の大木になり、
過ぎていった日々に着実に育った植物の生命力に惹かれます。
名前は けやこ です。

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けやこ!

すごい、お話しですね。
双葉から6メートルまで。
藤原さんのじっくり育てる力、大切にする力。
陶人形の制作も、じっくり育まれていくことを感じます。

藤原里子さんの出展場所は、galleryらふと脇、
参道口を入ってすぐの木と石の空間の中のテントです。