Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
けもの舎さんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。
A1
耳飾りでお作りしている「雫」という作品は、私が猟師として山の中で出会う木々の朝露をイメージしております。
また、ケルト紋様やアイヌ紋様など、寒い地域の伝統的なエッセンスを取り入れ、お手に取られた方の温かい暮らしを祈りながら作成しております。
素材の軽さ、彫りの繊細さを実際にお手に取ってご覧いただければと思います。
Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。
A2
指輪でお作りしている「霖」(ながめ)という新作は、初秋に長く続く雨をイメージしお作りしています。
この長雨が止むと霜が降り、鹿が鳴く奥山から冬が少しずつ降りてきます。
山のイメージを吹き込みつつ、マットな質感の白色をお楽しみいただきながら、日常的に使える軽さのあるものを。
この作品を身につけた方に少し良いことがありますようにと祈りながらお作りしています。
Q4
「工房からの風」の出展が決まってから、深山けものさんに起こった変化について教えてください。
A4
春に参加した「工房からの風」のMTGにて、風人の作家さんからこんなお声をいただきました。
「工房からの風では、来場する皆さまが、必ず皆さまを温かく迎えてくれます」。
普段、山や工房にひとりきりで作業している私にとって、この一言は、「自分の作品が誰かの生活の中に繋がるイメージ」をより強く持たせてくれました。
たくさんの来場者さまとお会いし、山のこと、作品のこと、お話しできるのを楽しみにしております。
けもの舎さんは岩手県盛岡市で猟師をし、鹿骨細工のアトリエを営んでいらっしゃいます。
「現代の森林の課題に対し、けもの舎では、地元の猟師さんから鹿の骨を買取り、活動の資金源としていただくことで、長く継続して捕獲を行える環境を整えていこうと考えています。」
想いが芽生えても、それを実践として継続させていくのは簡単なことではないはず。
初めてお会いした深山けものさんは、しずかに力強さを凛と感じさせる方でした。
きっとこの仕事を続けて来られた中で培われたものなのだと思います。
鹿骨細工は「工房からの風」では、初めての出品目。
けもの舎さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜に入って奥の稲荷社の手前。
ホームページはこちらです。
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追記
けもの舎、深山けものさんは、もちろんご本名ではなく作家名。
今回、山野うさぎさん、という作家さんもいらして、ストレートな作家名を付けられる方が揃ったなぁと思ったのでした。
また、作ることにとどまらず、その前のこと、環境や社会のことにも強く想いを馳せる、しんこきゅうさんや吉田慎司さんたちの活動も、深山けものさんに響くように感じています。