2023年11月の記事一覧

「企画テント/工房からの風」New

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風人からの風 映像公開

「風人からの風」テント
このような展開で臨みました。
→ click

制作公開やトークイベントの最中も、オリジナル映像を放映していました。
岡林厚志さん(hyakka)が編集してくださった制作の光景、まさに「工房からの風」。
(木工作家さんですのに、なんでしょう、この映像編集力!!)

内容はこの方々

片田学-木工 ボウル制作
勢司恵美-竹細工
大野七実-陶芸
岡林厚志(hyakka)-木工 家具つくり
香田進・香田佳人(アトリエ)-木工
和泉綾子(RIRI TEXTILE)-染織
鈴木友子(もくのすけ)-木工 挽き物
長野麻紀子(Anima uni)-金工 装身具

なんといったらよいか!
かっこいい。
手や身体の動きが美しい。
テロップに書かれている言葉が珠玉。
・・・
46分と長いものですが、ぜひご覧ください。
こちらです。
→ click

尚、この映像を含め、今年の映像はこちらにあります。
kouboukaranokaze → click

そして、昨年までの映像はこちらにあります。
工房からの風 → click

こちらの都合で分かれてしまったのですが、同じ運営ですので、共にご覧くださいませ。
便宜上、youtubeにあげておりますが、もちろん!ユーチューバーではありませんので(笑)
アーカイブ的に活用できたらと思います。
皆様にもそのようにご活用いただけましたら幸いです。

では、ぜひご視聴くださいませ。

そして、以下は岡林さんが撮影くださった風人さんたちのショット。


すべてphoto by hyakka

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鎮守の杜の色暦(染色アーカイブ)

galleryらふとには、鎮守の杜の色暦、という染色ワークショップがあります。
春の桜枝、夏の藍の生葉、秋のコブナグサ、冬の枇杷…
ニッケ鎮守の杜という定点を巡る季節の色を追うことで、
この場所が持つ奥行きが感じられるのではないかと思っています。

春が来れば、一年草は種まきから。
太い根で地面を支える樹木も芽吹き、やがて葉が茂り、花や紅葉や。
それぞれの生長と共に、染める草木と色も変わります。
これまでに染めた糸や布を並べると、目の前を鎮守の杜の四季が軽やかに駆け抜けていくようでした。
まるで季節がバトンを渡す、色のリレーです。

このワークショップから派生し、染色アーカイブをまとめた特装本「鎮守の杜の色暦」が、
RIRI TEXTILEの和泉綾子さん、空想製本屋の本間あずささん、galleryらふと、
それぞれの手が繋がって生まれました。
手仕事の庭の花壇近く、藤棚前の「鎮守の杜の色暦」ブースにてお披露目です。

和泉綾子さんは、工房からの風出展以降、手仕事の庭の植物での染色を数年にわたり続けてくださっています。
和泉さんの手とまなざしを通して現れる、清々しき”庭の色”。
枝葉の内に秘めたる美しさにはっとする、続いてどこか懐かしい。
それはちかしい植物たちのあたらしい表情を見せてもらっているような。

今回のために、すべてを手仕事の庭の植物で染めた絹糸で織り上げた四季の布、
春/夏/秋/冬を本に収めました。

そして、この四季の布をストールに仕立て、春/夏/秋/冬、限定1点ずつ、
工房からの風で特別に展示販売をします。
作品に添えるキャプションは本間さん制作のスペシャルバージョンです。

当日は染色デモンストレーションも。
RIRI TEXTILE『手仕事の庭の植物で染める』
両日12:30〜14:30
植物を煮出し、糸を染める工程をご覧いただきます。(本間さんと紙染めの予定も!)
これまでのワークショップで染めたリネンストールもアーカイブとして展示します。

製本家の本間あずささんは、日本とスイスで学ばれた技術をもとに本の修復や、オーダーメイドの本づくりを手がけ、近年はオリジナル作品も発表中。
自ら植物で染めた紙や糸を用いるなど、自然に寄り添った制作をなさっています。
galleryらふとでは「庭」をテーマにした製本ワークショップや、2018年には「庭の本 風」の装幀、製本をしていただきました。

今回は文章、標本、染め糸、織布をおさめるという内容と、手仕事の庭が重ねてきた時間を合わせ、
「折」と「円環」という時の連なりをあらわすふたつのかたちから成る装幀に。
その「折」と「円環」をおさめる夫婦函はしずかな光沢をたたえたハーブ染め絹布張りの「ひかりのはこ」。
標本、染め糸、織布の豊かな色調を引き立てるように、内側の光を静かに宿す器のような入れものを、と。
筆者も敬愛する詩人、片山令子さんの詩から、本間さんが「ひかりのはこ」というフレーズをすくいとってくださったことをきっかけに、
三者それぞれが「ひかり」を想いながらの制作となりました。

また、興味深かったのは、織(布)と製本の共通点。
共に糸を用いる仕事で、「織」と「折」、同じ響きの動作を持っていること。
textile には text という文字が入っていること。
布張りの装幀は丈夫で、大切なものの象徴でもあり、古くより織(布)と製本は密接な関係であったことがうかがえます。

本間さんの工房での制作風景をおさめた、hyakkaさんによる美しい撮影・編集の映像からも、
その繋がりを感じていただけることと思います。

特装本の制作にあたり、
日々手仕事の庭の植物育成に携わってくださる大野八生さん、庭人のみなさん、
そして、「鎮守の杜の色暦」の想いに賛同し、
豊かなアイディア、技術、あたたかな心を惜しみなく注いで取り組んでくださった
和泉綾子さん、本間あずささんに、深く感謝申し上げます。
応援してくださるみなさんの声も励みになりました。
ありがとうございます。

最後に、前出の片山令子さんの詩を一編紹介させてください。

「本について」
本はやっぱりいいなと思います。いつでも開いてくれる扉があり、重みがあり、背中がまっすぐで、胸に抱えることが出来ます。

季節の扉が開く、背中がまっすぐで、胸に抱えることができる、手仕事の庭の宝物ができました。
ながく愛される本に育ちますように。

◎当日、特装本は「展示」となり、お手を触れて閲覧いただくことはできませんが、
中をご覧になりたい方は本間あずささん、和泉綾子さんにお声がけください。
お二人がページをめくりながらガイドをしてくださいます。

宇佐美智子 記
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『鎮守の杜の色暦』 特装本
折〈アコーディオン製本〉手仕事の庭の植物染め手織布 春/夏/秋/冬
円環〈リンクステッチ製本〉手仕事の庭に育つ12の植物にまつわる小さな文章と標本、染め糸
藍の生葉/いちじく/梅/オリーブ/月桂樹/コブナグサ/桜青葉
ジンジャーリリー/どんぐり/ハーブミックス/姫りんご/枇杷
折、円環の表紙、函の表紙布〈ハーブミックス染め〉

発行日  2023年10月28日
企画・編集・文・デザイン  宇佐美智子/galleryらふと
染織  和泉綾子/RIRI TEXTILE
装幀・製本  本間あずさ/空想製本屋
植物育成  大野八生・庭人のみなさん/ニッケ鎮守の杜

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素材の学校(こどものワークショップ)

未来の作り手たちへ
未来の使い手たちへ

工藝作家が行う、こどもたちへのワークショップを今年も開きます。

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※画像はイメージです。

キッズ庭めぐりツアーは、日曜日のみ行います。
素材の学校の先生達と一緒に、手仕事の庭や、出展作家さんのテントをめぐり、素材のお話を聞いたり、作品を見せてもらったりします。
各先生からの素材のかけらのおみやげ付きです。

お申し込みは、コルトン広場、モニュメント周りの「素材の学校」テントへ!

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風の光 アトリエ倭ワークショップ

毎年恒例のアトリエ倭、香田進さん、佳人さんの木工ワークショップ。
今年は、どんな素敵タイトルで、何を作るのでしょうか?

風の光

今年は小さな万華鏡を作るワークショップをします。
長く続いたコロナ渦を抜け、光を取り戻した世界を、そして秋の美しいお庭を楽しむ為のアイテムです。

2本の木で構成された万華鏡の中には、三角柱のミラーと透明のビー玉が入っています。
お好きな木を2樹種選んでボンドで組み立て、あとはひたすら好きな形にヤスリで削り、ラインなどもお好みで入れていただけます。
最後にオイルを塗って磨いて完成です。

基本の形は四角形のものと八角形のものからお選びいただけます。
是非ご自分で作った万華鏡で、美しい光の世界と、秋のお庭を楽しんでいただけたらと思います。

風の光 – 小さな万華鏡を作る
両日 10時~16時 随時
定員 両日各40名様 
   お子さんから大人の方まで、どなたもご参加いただけます。 
参加費 \1,800
(最終受付15時15分・定員に達し次第終了) 

今年は例年よりもじっくり型のワークショップ。
その分、定員もいつもよりは少なくなっています。
お手製の万華鏡。
しかも、木工作家のもとで作る一生ものの(ちよっとオオゲサかなあ)手と心の友になる道具つくりです。

アトリエ倭さんのインスタグラムにも情報書いていただいます。
→ click

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風人からの風

ニッケ鎮守の杜、花壇の奥に二基のテントが建ちます。
風人からの風

企画運営から、企画運営をサポートくださる出展経験のある作家の方々。
今年は16名の作家が担ってくださっています。

出展作家の方々が輝けるように、搬入、搬出、各種サポートといわゆる「黒子」の存在。
けれど、風人作家の方々にも、この役割が結果として進化成長の機会にしていただけたら!
そう願って、数年前から「風人企画」を実行してきました。

その中のひとつがこの「風人からの風」テントです。
内容をお知らせいたしますね。

【制作動画放映】
〇工房での制作動画を上映します。
anima uni※  金工
アトリエ倭   木工
大野七実    陶芸
片田学     刳りもの
勢司恵美※   竹細工
hyakka※    家具
もくのすけ   挽きもの
吉田慎司※   箒
RIRI TEXTILE※染織

※は制作動画に、インタビューに基づいた作り手の言葉が添えられています。
編集・制作 :岡林厚志(hyakka)

51分構成。
会場ではBGV的に放映しています。
会場に公開するQRコードで、あとで見ていただくこともできるようにします。

【デモンストレーション・制作工程公開】
大野七実(陶)
「タタラ作りで陶のうつわをつくる」

片田学(木工)
「木のボウルを彫る、削る」

杉田創作(木工)
「南京鉋で削る木の道具」

hyakka(木工)
「スツールを作る」

吉田慎司(箒)
「手箒と小箒」

【上映会&トーク】
「風の実りと風人」
映像制作、インタビューを通して見えたこと、作り手同士の交流の中で得られるものについて、映像を交えて解説します。

稲垣早苗(工房からの風ディレクター)
岡林厚志(hyakka・風人)
吉田慎司(中津箒・風人)

皆さん、ひたむきに、真剣に取り組んでくださって。
惜しみなく行ったことは、きっとこれからの宝物になっていかれるように思います。
その実りのかたちですから、見応え、聴きごたえたっぷりと思います!

こんな感じの構成です。

使い手、作り手。
「工房からの風」に何かを感じてくださったら、ぜひ各テントをのぞいてみてください。

出展作家の方々も、風人からの風テント、タイミングをみつけて見に来られたらいいですね。

岡林厚志さん(hyakka)のインスタグラム → click
大野七実さんのインスタグラム → click
吉田慎司さんのインスタグラム → click

に、熱い!想いや情報が詳しく書かれていますので、合わせてご覧ください。

では、他に、素材の学校、鎮守の杜の色暦、アトリエ倭企画、、、を別記事でご紹介してきます。

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ハレの日へ

あと16日。

今年の「工房からの風」の開幕が迫ってきました。

第21回となる今展の特徴。
それは、ひとりひとりの作家のブースが、輝いて立ち上がっていること。

コロナ禍で3年間できなかった事前ミーティングを行ったことで、各作家が自身の仕事について深く考えて、それに基づいて準備に進めてきました。

その実りは、当日の各テントで豊かに花開いていることと確信しています。

そう確信している理由の一つが、明日からこの場でご紹介していく作家からのメッセージ。
例年以上に自身の仕事について、とても丁寧に伝わる文章や写真が届いています。
まとめている私が、読みながらほんとうにワクワクしてくるのです。

ただなんとなく作品を持ってきて並べる。
そんな作家は「工房からの風」には、ひとりもいません。

作品の豊かさ、その展示の仕方、自身の仕事のプレゼンテーション。
個展が50ブース集まったような第21回「工房からの風」。
10月 28日 29日の土日。
ぜひ、カレンダーにチェックしてくださいね。
そして、ものづくりとそれを心に響かせてくださる方々が集うことで生まれる、清々しくも優しい人の笑顔が満ちた「工房からの風」に、ぜひご来場ください。
出展作家、風人作家、主催者一同、皆様のご来場をお待ち申し上げております。

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出展作家50ブースと共に、今展では風人(かぜびと)と呼ばれる、企画に加わってくださる16人の作家の方々の展開も輝きがひとしおです。

出展作家からのメッセージを前に、今日はこちらをさくっと(個々にはあらためて)ご紹介いたしましょう。

制作光景動画放映/デモンストレーション/トークセッション
1 「南京鉋で削る木の道具」 杉田創作 (木工)
2 「手箒と小箒」 吉田慎司 (箒)
3 「タタラ作りで陶のうつわを作る」大野七実 (陶)
4 「木のボウルを彫る、削る」 片田学 (木工)
5 「家具を作る」 hyakka (木工)
6 「上映会&トークイベント」-風の実りと風人-
岡林厚志(hyakka 風人)× 吉田慎司(中津箒 風人)× 稲垣早苗(工房からの風ディレクター)

鎮守の杜の色暦
ニッケ鎮守の杜・手仕事の庭で約20年にわたって続けてきた草木染めの営み。
製本家の本間あずささんによって、「Book」にまとめ、
RIRI TEXTILEの和泉綾子さんによって、布に織りあげ、当日は草木染めのデモンストレーション(制作公開)を。

素材の学校
こどもが工藝に触れる喜び。
ものが作られていく過程を見聞、体験。
大人の(工藝作家の)本気!を感じてもらう「素材の学校」という企画を10年以上続けてきました。
いつの日にか、このワークショップを体験した子どもが、出展作家として参加することも夢見て!

金属の時間「刻印キーホルダーを作ろう」川崎千明
金属の時間「たたいて作る錫(すず)の腕輪」川崎千明
紙の時間「かお、顔、どんなかお?再生紙で作る壁飾り」森友見子
綿の時間「綿の糸を指で織る」磯敦子
木の時間「いろんな木でお魚を作ろう!」鈴木友子(もくのすけ)
竹の時間「竹のオーナメント」勢司恵美
フェルトの時間「お水でゴシゴシ、羊毛フェルト」西澤泉(IZOOMI)
綿と紙の時間「綿と紙で作るスイーツ」森友見子×磯敦子
キッズ庭めぐりツアー 風人
(詳細は、別記事でご案内しますね)

風の光 – 小さな万華鏡を作る
アトリエ倭による恒例となった木工ワークショップ。
今年は、万華鏡づくりです。
子どもから大人まで、どなたもご参加いただけます。 

ほかにも、特別編集の制作光景動画の公開など、ここから2週間、webやSNSを通じて、「工房からの風」のプレゼンテーションを行っていきます。
ハレの日、二日間をより心から楽しんでいただけますように、ぜひ、このサイトやインスタグラム→clickをご覧ください。

さあ、明日から、出展作家からのメッセージをお届けします。
定番の
Q1
「工房からの風」には、どのような作品を出品されますか?
の他に、今年は以下のような質問にお答えいただきました。
Q2
工房で大切な、あるいは象徴的な、あるいはストーリーのある「道具」について1点教えてください。
Q3
お手持ちの「工藝品」で愛用、または大切にされているものついて1点教えてください。

Q2とQ3は、どちらか、あるいは両方をお答えいただいています。

ではでは、どうぞお楽しみに~

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ワークショップ・デモンストレーション・トークイベント

2022WDT_B

2022WDT_A

企画段階では、コロナ禍の状況は読めませんでしたので、今年は大人向けのワークショップは、アトリエ倭さんの『風のかけら』のみといたしました。
場所 → コルトン広場、工房からの風会場の本八幡側

お子様向けの素材の学校は、3年ぶりに開校いたします。
詳しくは画像をご覧ください。
場所 → コルトン広場、モニュメント周り

風人からの風
風人さんによる制作公開ライブ、工房での制作光景映像放映。
20回展を記念して、年表などの展示。
日曜日14:30~は、婦人之友編集者山下謙介さんと工房からの風稲垣早苗によるトークイベント。
場所 → ニッケ鎮守の杜、花壇奥

竹細工・勢司恵美さんの制作公開ライブ
場所 → ニッケ鎮守の杜、galleryらふとデッキ

ひとまず、お知らせいたします。
ぜひ、こちらもお立ち寄りくださいませ。

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会場マップ

map2022

会場のマップを公開します。
ぜひ、ごゆっくり巡っていただけたらと存じます。
54作家ブース+ワークショップ、素材の学校、風人からの風テント。
何往復、何循環・・・とお楽しみくださいませ。

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文庫テント

文庫テントは、長野麻紀子さん(Anima uni)と松塚裕子さんが創ってくださいました。
本のリストが知りたい!
というリクエストも多数いただきましたところ、
松塚裕子さんからまとめたリストと、メッセージをいただきました。

+++

文庫テントは、風人の皆さんからの大切な本をお貸しいただいての展開となりました。

お立ち寄りくださる方、ご意見、反応さまざまでした。
ぜひ毎年やってほしい、
こういう企画はここでしか見ることができない、
とおっしゃってくださる方。

熱心に本のメモをとってゆく方。
全体を写真におさめてゆく方。
なつかしい!と言って手に取ってくださる方。
本をひらいて、涙する方。
いずれも、やはり言葉の世界に敏感な方がゆっくりされておられる印象でした。

出展作家の方でお立ち寄りくださった、
二井内さん、片田さん、土居さんと、
お話できたこともありがたかったです。
(もしかしたら、私が把握していないだけでまだおられるかもです!)
工房からの風のたいせつにしているところ、
同じように大切に想って出展くださっているのが伝わり、ほんとうにうれしかったです。

目立つテントではありません。
作品やワークショップがならぶ野外展では、むしろ少し不思議な存在だとおもいます。
けれど、作り手の思考に触れたい方、
作品の奥にある何かを見たいと思って足を運んでくださる方が確実にいる。
そこに大きな励ましを、まるで私自身が頂いているような時間でした。
ささやかに、でも確かに火が灯るような静かな瞬間をいくつも見ることができたこと、
嬉しく思います。

本を提供してくださった風人のみんなが、
当日はなかなか忙しくてゆっくり見ることがかなわなかったかと思います。
色々な方から、ぜひ紹介した本のリストが欲しいというお声を頂きましたので、
一覧としてまとめたものをお送りします。
ぜひ、出展者のみなさまに、来場者や工房からの風にお気を留めてくださっている方々に向けてもブログに掲載いただけましたら幸いです。

アトリエ倭
原色インテリア木材ブック   宮本茂紀
スキップ  北村薫
最初の質問 長田弘 いせひでこ

永盛千賀   
葛西薫の仕事と周辺  葛西薫
わたしのワンピース  にしまきかやこ
茨木のり子の詩集   茨木のり子

川崎千明
わすれられないおくりもの   スーザン・バーレイ
どうぶつのあしがたずかん
文・加藤由子 絵・ヒサクニヒコ 慣習・中川志郎
バケツでごはん  玖保キリコ

和泉綾子
色を奏でる  志村ふくみ
すこやかにおだやかにしなやかに  谷川俊太郎

森友見子
海からの贈物  リンドバーグ夫人
センスオブワンダー  レイチェルカーソン
よあけ  ユリー・シュルヴィッツ

磯敦子
青春を山に賭けて   植村直己
智恵子紙絵    高村智恵子
長くつ下のピッピ   アストリッド・リンドグレーン

フクシマアズサ
GOLEM   David Wisniewski
生きる  小野田寛郎
「ない仕事」の作り方   みうらじゅん

谷田貝陵子
THE ATLAS OF BEAUTY    MIHAELA NOROC
さむがりやのサンタ   レイモンドブリッグズ
ザ・ストリートスタイル   高村是州

大野七実
いのちの窓   河井寛次郎
ばらに贈る本   鈴木省三
はっぴいさん   荒井良二

吉田慎司
春原さんのリコーダー   東直子
フラワーズカンフー   小津夜景
hibi   八上桐子

岡林厚志
おおきなきがほしい
文 佐藤さとる 絵 村上勉
シェーカーへの旅   藤門弘
魔女第2集   五十嵐大介

大濵由恵
一日江戸人   杉浦日向子
ほのぼの革小物教室   大濱由恵

vanilla
装苑
ゴールディーのお人形   M.B. ゴフスタイン
小鳥の贈りもの

勢司恵美
西表島フィールド図鑑

nomama
触れもせで‐向田邦子との二十年‐  久世光彦
チャーちゃん   保坂和志
ヘンな論文   サンキュータツオ

長野麻紀子
よあけ  ユリー・シュルヴィッツ
吹上奇譚    吉本ばなな
長い旅の途上  星野道夫

松塚裕子
ことばの食卓 武田百合子
ぶらんこのり   いしいしんじ
よるのかえりみち    みやこしあきこ

+++

私自身、美術からこの世界に入ったわけではなく、
文芸の世界から気づけばここにいた、という感じです。
でもそれはとても自然なことで、古来より作り手の中には、
佳き書き手も多く存在しているのでした。
手と文章。
これらの豊かな在り方は、工房からの風でずっと大切に想っていたいこと。
そして、長野さん、松塚さんには、常々、書くことも続けてほしいと願っています。
そんなことで二年続けて「文庫テント」をご担当いただいたのでした。
ご自身の制作のほかに、ご苦労が多かったことと改めて思います。
ありがとうございます!

+++

最後に、ごくごく個人的なストーリを。

今年、文庫テントで一冊の絵本と出会いました。
よあけ
ポーランド人のユリー・シュルヴィッツ作の絵本。

長野さんと森友見子さんの選んだ大切な本。
今、この本をぜひ贈りたい。
そう想うひとがいて、そのために写メを撮ってその場を後にしました。
二冊を買って、一冊をそのひとに、そしてもう一冊は自分自身にと。

工房からの風が終わって1週間後。
巡ってきた私の誕生日に、その人から贈り物をいただきました。
包みをひらけば、そこに「よあけ」が。

寄せられたメッセージには、
「文庫テントで出会った絵本がとても美しかったので、
稲垣さんとお揃いで持てたら・・と思いお贈りさせていただきます」と。

まったく同じように思っていたこと。
驚き、そして、どこか嬉しさの泣き笑いのような気持ちになったのでした。

+++

文庫テントでは、上記のリストのように、
作家たちのさまざまな心を育んだ本が二日間揃いました。
会期が終わり、それらの本は再び持ち主のもとに戻っていきました。
けれど、二日間の「出張」が、幾つかのストーリーを生み、
どこかのだれかの心をこれから育んでいくように思います。
当日ご覧になれなかった方も、
このリストからストーリーが生まれていくかもしれませんね。

 

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素材の学校テント

素材の学校テントを担当してくださったのは、
森友見子さん、磯敦子さん、フクシマアズサさん、谷田貝陵子さん。
授業はほかに、川崎千明さんも加わって充実の構成でした。

校長先生といつのまにか呼ばれている!森友見子さんからレポートいただきました。

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素材の学校では、こども達のワークショップブースとして2つのテントで4時間ずつ、
革の時間、ほうきの時間、綿の時間、紙の時間、金属の時間、綿と紙の時間を行いました。
どの時間もこども達がものつくりを楽しめるように心を込めて準備しています。

始めた当初は何度も会場アナウンスで参加者を呼びかけましたが、
今では受付にこども達が集まり、毎年楽しみに来てくださる子も増え嬉しい限りです。
また先生をやってみたいという作家の方までも現れ、楽しいことになってきました。

2日目の最後には課外授業として、
こども達とテントを飛び出して手仕事の庭や作家テントを見て回る、
キッズ庭めぐりツアーを行いました。

いくつかの作家テントにおじゃまして2つの質問をします。
「素材はなんですか?」
「なぜその素材を選んだの?」
少し恥ずかしそうな作家と興味津々のこども達の目。
私たちがしたかったこと、こども達と作る人との出会いが確かにありました。
こども達にわかりやすく説明してくださり、
またお土産の素材のかけらをご用意してくださった作家さんも!
ご協力いただき、本当にありがとうございました。

森友見子

_DSC8649

コルトン広場、モニュメント周りの二基のテントが素材の学校。
作り手が、所謂こどもだましではなく、本物の素材を使って、
真剣にものづくりを行う時間。

_DSC8673

ここ数年取り組んでいる「キッズツアー」。
日曜日の最後のプログラム。
こどもたちを連れて、数名の作家のブースを訪問する企画。
この画像は、藍のあをのようさんのところですね。
ほかに、

c隨ャ17蝗槫キ・謌ソ縺九i縺ョ鬚ィ・壼・逵・IMG_7170

木・竹・漆の中村理さんのテントなども巡ったツアー。
どのテントでも真剣!こどもたちも、作家さんたちも(そしてご父兄も!)

cc隨ャ17蝗槫キ・謌ソ縺九i縺ョ鬚ィ・壼・逵・IMG_7186

締めは、竹細工の㔟司恵美さん。
青竹まるごと一本からヒゴを割り出していく、
豪快な仕事をたっぷり見ていただきました。

周りの方たちも、目が輝いてしまう恵美さんの手技と口上!

c隨ャ17蝗槫キ・謌ソ縺九i縺ョ鬚ィ・壼・逵・IMG_7176

今回は、このようなドームまで拵えて、キッズツアーの締めを飾ってくださいました。
これは、恒例にしてほしいなぁ。。。

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初期から参加くださった森友見子さんとの話し合いから始まった素材の学校。
簡単なキットがあってのイベント的ものづくりではなく、
素材そのものに親しんで、なるべくものづくりのレアな部分に触れてもらおう!
という想いをもって始まりました。
とはいえ、商業施設内でのイベントですし、
定員があること、時間に限りがあることも含め、
プログラム構成にはいつも風人さんたち、頭を働かせてくださいます。

「いつか、素材の学校から出展作家が出てきたらいいね―」
森校長先生!ぽかぽかの笑顔で言いますが、
ええ、きっといつかそんな出展作家が出てきてくれますよ。

ゆっくりじっくり始まった「素材の学校」ですが、
森さんの言葉にもあったように、
先生をやってみたい!
協力したい!
という作家さんも増えてくれました。
この企画テントがあることも、「工房からの風」の
重要な個性のひとつになってきたんだなぁと、

今回改めて思ったのでした。

さぁ、来年はどんな先生で、どんなプログラムが生まれてくるでしょう!
愛あるアイデア、お待ちしています!