director's voice

tama glass (ガラス)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
tama glassさんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
「ガラスの花のマチ針」

もとは実用的な形のマチ針を作っていましたが、「可愛くて使えない」「飾って眺めてます」という声をきっかけに、あえて“飾れるマチ針”へと発展した作品です。
作り続けるうちに、花びらの形や色合いが少しずつ変化し、より豊かな表情になってきました。
工房からの風では、花畑で花を摘むように、たくさんのマチ針の中から花や葉っぱを選んでいただけます。

繊細な作りのため裁縫には向きませんが、針山に挿して眺めたり、小さな花瓶に合わせてオブジェのように飾ってお楽しみいただいております。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
今回は「小瓶」を中心に展示します。
鳥や花のモチーフの栓がついた小瓶や、洋梨やクリスマスツリーをかたどった小瓶など、見ているだけで心が弾むような小瓶たちを豊富に並べ、ご覧いただきたいと思います。

すべて耐熱ガラスを素材に、バーナー技法で吹いて制作しています。
心惹かれるものが並ぶ部屋の一角に、そっと仲間入りさせてもらえるような美しい小瓶を作れたら…。
そんな願いを込めて制作しています。

Q4
「工房からの風」の出展が決まってから、tama glassさんに起こった変化について教えてください

A4
今までは考えが及ばなかったことに思いを巡らすようになったと感じています。

「工房からの風」への出展が決まるまでは、この場に立てること自体が大きな目標でした。
けれど今は、作り手として何を真ん中に据え、この先どのように作り、どんなふうに周りの世界と繋がっていきたいのか。
そんなことを考えながら制作している自分に気づき、少し驚いています。

ミーティングでいただいた数々の言葉や交流が、じわじわと自分に染み込んできたのだと思います。
この出展を終える頃には、またどんなことを考えるようになり、どんな景色が広がっているのか。
変化の続きがとても楽しみです。

tama glass 多賀屋泰子さんは、「工房からの風」の事前MTGにすべて参加されました。
多賀屋さんご自身に欲するものがあるから、吸収されるものごとが豊かだったことと思います。
「工房からの風」をこれから続く作家活動の思考の柱を育む機会にしてくださったこと、うれしく思います。

tama glassさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜のゲートから進んでgalleryらふとの手前。
ホトトギスやシュウメイギクといった秋草揺れる花壇のほとりです。

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