director's voice

相馬佳織さん(ガラス)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
相馬佳織さんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
うたかたの器
「うたかた」と名づけたこのシリーズは、シンプルな器の形の中でガラスの新しい表情を探している時に生まれました。
透明な小さいガラスの粒をまとった表面は光を柔らかく受け止めるだけでなく、心地よい手触りが特徴です。
同じシリーズで不透明色もありますが、こちらは陶器のような温かさを感じる手触りになっています。
同じガラスでありながら少し肌寒くなってきた季節にも出番が増えるような柔らかさやぬくもりがある器になりました。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
最近制作している作品のひとつ「ミチカゲ」があります。
フラット板皿で表と裏に決まりがなく、どちらの面も自由に使えるのが特徴です。
片面には色をのせマットな質感に仕上げています。
ガラス特徴であるクリアで艶のある面とは違い、落ち着いたやさしい表情を楽しんでいただけます。

色のある面に焼き菓子をのせて柔らかい雰囲気をみせたり、ガラス面にはフルーツやケーキを盛ると明るくすっきりと。
ひとつの器で、食卓の空気をがらりと変えてくれる皿になっています。
その日の気分などに合わせて、自由に使っていただけたら嬉しい作品です。

Q3
相馬佳織さんの「工房」で印象的な「もの」をひとつ教えてください。

A3
工房と同じ空間にある印象的なものという意味で、自身の「店」です。
直売店と言えばよいでしょうか。
大きなものになってしまいますが、訪れる方が制作のすぐそばで作品を手に取ってくださり、そこで会話ができる時間があることで、日々の制作を支えてくれる大切なものとなっています。

FUKUglassworksの相馬佳織さんが前回出展されたのは2014年。
11年も経ったのですね。
成熟したお仕事を皆様とともに楽しみにお待ちしています。

前回はコルトン広場での出展でしたが、今回はニッケ鎮守の杜。
入って中央の下草萌ゆる空間に建つテントです。

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