director's voice

風人テント − めぐる手仕事の庭

風人とは、「工房からの風」に出展経験がある作家で、1年ごとに構成されています。
企画運営に携わることで、人の輪が広がり、作家としての成長を期待されている仕組みです。
今年の風人テントでは、庭をめぐる四季に、4組の作家の手仕事をなぞらえてブースを構成しました。

工房からの風には、「手仕事の庭」があります。
そこには、自然の素材をいただいて工芸品を作るということ以上に、工芸家が集う場として豊かな奥行きがあると感じます。
季節ごとに草木が彩りを変えてめぐり行き、花のあとには種を継ぎ、次の年へとバトンが渡される。

「庭」の在り方とは、人の営みと象徴的にも身体的にも関係が深いように思います。
そんな庭の営みを本に綴じた『鎮守の杜の色暦』を起点に、4枚の染め布がつながり合い、庭の四季をうつした映像が途切れることなく続いていきます。
そのあいだに、4組の出展者に寄せていただいた「めぐる手仕事」をテーマとした文章と写真がたゆたう空間を設えました。
個々の作り手の「点」がつながり「線」となり、やがてめぐり行く……そんな手仕事の循環が、ここ「工房からの風」でも、その後の作り手の日常でも、ふくよかに広がっていきますように。

季節が手をつなぎ、連綿と続いていく営みに心を寄せて

風人テント
和泉綾子 RIRI TEXTILE
大野七実
岡林厚志 hyakka
本間あずさ

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事務局より

風人テントを担当くださった4作家の企画で、今年度出展作家の中から4作家に寄稿を依頼されました。

『めぐる庭、めぐる手仕事』
これらの文章と写真を響かせて、風人テントで展示をいたします。
ニッケ鎮守の杜、手仕事の庭、花壇の奥です。
ぜひ、ご覧ください。

僕のめぐり − 榎並慎太郎(陶芸)
山から街へ、街から山へ − kino workshop(木工)
めぐる手仕事 − 糸花生活研究所(木工+染織)
戸隠・季節の巡り − 戸隠かごや 朗々 -rou rou-(竹細工)