「凪ぐ浜の宝物」
嵐の去った後の浜辺にきらりと光る宝物のような想い、言葉。
稲垣宛に届いたメールの一部を、10作家ほどご許可をいただいて皆様と共有していきます。
岩手県で手編み作品を制作する佐藤サエコさん。
ニッケ鎮守の杜、galleryらふとの奥、参道に沿って立つテントで展示くださいました。
冷んやりとしていましたから、この場で求めてすぐにニット帽や手袋をはめて、会場を回っていらしたお客様も多かったですね。
それでは、佐藤サエコさんから届いたメールの一部をご紹介します。
工房からの風への出展を終えて、先ずはここまでご尽力いただいた稲垣さんをはじめ、風人さん、庭人さん、事務局スタッフの皆さん、そして今回一緒に出展した作家の皆さんへ感謝を申し上げます。
これからの活動へ向けてのターニングポイントとなる経験をさせていただき、ありがとうございました!
出展の通知が届いてからの約10ヶ月、前半は自身にとって冬の時期でした。
編み針を持っても全く進まず、何が編みたいのかがわからなくなり、気ばかり焦っていました。
その状態で迎えた5月のミーティング。
年齢もジャンルも様々な出展作家それぞれの物語、そして稲垣さんや風人さんから語られる「工房からの風」への思いや歴史。
この方々と同じ空間で出展する機会をいただいたんだ、、そう思いながら皆さんの姿を見て、まるで冬眠から目覚めたように意識が変わりました。
そこから、これまでを振り返り、これからを考え直し、新たな気持ちで製作に向かえるようになりました。
2回のミーティングで作家仲間が増え、知り合いだった方とはさらに親しく、製作の幅が広がるようなつながりもできたことは、大きな実りのひとつです。
出展の朝、いや、そのもっと前から、稲垣さんをはじめ風人さん、庭人さん、事務局スタッフの方々が、空気感も含めた会場づくりのために懸命に動いてくださっている様子を見て、私もお客さまも笑顔いっぱいになれる2日間にする!と気合が入りました。
そして2日間、あっという間に時間が過ぎました。
なんだかずっと笑っていたように思います。
手編みというジャンルにとっては、間違いなくあの天気も季節の変わり目を意識するきっかけとして味方についてくれました。
ホームページや紹介動画で、所謂予習をされて足を運んでくださった方も多く、この展示へのお客様の期待値の高さを感じましたし、動画に挑戦してよかった!と思いました。
お客様と接していて印象に残ったのは、手仕事への理解の高さと、本当に欲しいものを選ぶ、という方の多さです。
一度手にとり、身に付け、その後会場を一周り、二周りしながら考える。
そして、やはり気になったのでと戻ってきてくれる。
もう一度身に付けて、うん、やっぱり良い、これにしよう、と。
普段の出展でもそのようなことはありますが、ここまで多くはないのです。
あの場にいながら私はその理由を考えていました。
そして「自分をよく知り、大切に扱える人」が多いのだ、という答えが出てきました。
そのような方々のアイテムのひとつとして作品を選んでいただけたことを幸せに思います。
この出展を機につながった物事や浮かんだアイデアを今後の活動で形にし、そして2年後に再びチャレンジできるように、体を労りながら励んでいきます。
またお会いできるのを楽しみにしております!

いつもにぎわっていた佐藤さんのテントですが、ふとお客様が途切れると、微笑みながら編み針を動かし制作を始められていたのも印象的でした。
佐藤サエコさんの出展前のメッセージはこちらです。
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