2025年10月の記事一覧

「出展作家紹介/工房からの風」New

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鷺谷綾子さん(ガラス)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
鷺谷綾子さんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
3年程前から作っているお猪口です。
パウダー状に砕いたガラス粉と色を混ぜたパーツを一緒に焼成しており、白色の中に色が流れていく表情が気に入っています。

ガラスは色や粒度によって溶け方が異なるので、どんな風に流れたか、石膏型を割り出す時は少しワクワクもします。
原型はろくろで作っており、一つひとつ形を変えています。
色も形も様々なので、一期一会を楽しんでいただきたい作品です。
同じシリーズでコップやお皿も出展予定です。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
器のほとんどは鋳造の技法で制作をしていますが、フュージングやスランピングの技法も取り入れています。
この長皿はザラメくらいの粒度のガラスを溶かして板を作り、バリを取った後、石膏型にのせて焼成し、熱をかけてお皿の形に曲げています。
型に流し込む鋳造と違い、ガラス粒の溶けた表情や熱で動いた跡が見えるのが魅力だと思っています。

Q3
鷺谷綾子さんの「工房」で印象的な「もの」をひとつ教えてください。

A3
ガラス学校時代に作った電気炉です。
いわゆる実験炉サイズなので、一度に多くは焼けませんが、小さい器の焼成や試作、ガラスカレットの水砕など、使い勝手がよく常に稼働しています。
使い始めてから10年が経ち、だいぶ年季が入ってきましたが、これまで一度も故障なく動いてくれています。

古代メソポタミアに起源を持つパート・ド・ヴェール技法などによって制作されるガラス作品。
白と組み合わされたカラーのゆらぎも鷺谷綾子さんのガラスの魅力です。

2回目の出展となった今回は、ニッケ鎮守の杜、おりひめ神社鳥居のふもと。
スダジイやクスの高木の木漏れ日にガラスがどんな風に映えるでしょうか。

鷺谷綾子さんのインスタグラムはこちらです。
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樋野由紀子さん(染織)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
樋野由紀子さんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
作り続けているものの1つに絹のストールがあります。
“身につけるもの”という事で、肌触り、軽さ、保温性に長けている絹でストールを制作する事が多く、
また、草木染めをした時の発色の良さもあってさまざまな色を使っています。
ぜひ、触って、巻いてみていただけたら嬉しいです。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
特に見ていただきたい作品は、獣毛を使ったストール、マフラーです。
今まで獣毛は羊毛のみで制作していましたが、今回初めてヤク、キャメルのマフラーを制作しました。
全て自然色で手紡ぎで行っています。
今後、ほかの獣毛や極細の紡績糸でも制作したいと考えています。
出展する数は少ないですがぜひお手に取って見ていただきたいです。

Q3
樋野由紀子さんの「工房」で印象的な「もの」をひとつ教えてください。

A3
私の工房に、私が織ったマットの上に料理家のなかしましほさんのマフィンがある写真(パネル)があり、いつも気分を上げてもらっています。

以前イベントで島根のクラフト製品に合わせ、なかしまさんのお菓子とコラボという企画がありました。
そこで使用されていたパネルを記念にいただいたものです。
昔からなかしまさんのお菓子の本をもっていてファンでしたので、とても嬉しく今でも大切にしています。

島根県出雲市から参加くださる樋野(ひの)由紀子さん。
出雲の波音が聞こえる工房で、機(はた)の音を響かせながら織られた布には、
古えから続く佳き手仕事の確かさと、今を暮らす人の心に彩りを与えてくれる美が宿っています。

樋野由紀子さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、gallerらふとの前、スダジイの木の下。

インスタグラムはこちらです。
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そして、出雲の工房からの映像も是非ご覧ください。
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村上愛さん(金属装身具)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
村上愛さんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
タガネで一打ち一打ち、こつこつと音を立てながら、放射線状に打ち描いた装身具です。
制作を重ねるうちに打ち方も洗練され、繊細な揺らぎが耳元を彩り輝かせる装身具へと成長しました。
様々な大きさの展開も、作り続けたからこそのこだわりのバリエーションです。
ぜひ手にとって繊細な輝きを見ていただけると嬉しいです。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
巳年に「長いもの」とそして「再生」という想いも込めた、チェーンのブレスレットです。
装身具を作る際に出る美しい銀板の切れ端を溶かし塊にし、線引きという方法で一から細い線を生み出しています。
その線を曲げ、ひと鎖ひと鎖を繋ぎ合わせ、1本の長いチェーンを仕立てていく。
小さなことも日々積み重ねていくと大きな輪が広がる。
そんな想いも込めたブレスレットです。

Q3
村上愛さんの「工房」で印象的な「もの」をひとつ教えてください。

A3
制作の相棒でもある「糸のこ」です。
3種類のサイズを持っていますが、左側のものは学生時代から愛用している、一番古く思い入れのある道具です。
金属板の大きさによって糸のこを使い分け、切りたい形や表現したい細かさに合わせて繊細な刃を選び、付け替える。
そうして様々な装身具を生み出しています。

“身に纏う方を引き立て、日々を彩る装身具”
をコンセプトに、『Gacha atelier』として作品を発表される村上愛さん。
岡山県倉敷市から参加くださいます。
真鍮を中心とした金属の繊細な輝きと明快なフォルムの装身具が、木漏れ日の中でどのように映ることでしょう。

村上愛さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、galleryらふとの手前。

ホームページはこちらになります。
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そして、工房からの映像も是非ご覧ください。
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tama glass (ガラス)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
tama glassさんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
「ガラスの花のマチ針」

もとは実用的な形のマチ針を作っていましたが、「可愛くて使えない」「飾って眺めてます」という声をきっかけに、あえて“飾れるマチ針”へと発展した作品です。
作り続けるうちに、花びらの形や色合いが少しずつ変化し、より豊かな表情になってきました。
工房からの風では、花畑で花を摘むように、たくさんのマチ針の中から花や葉っぱを選んでいただけます。

繊細な作りのため裁縫には向きませんが、針山に挿して眺めたり、小さな花瓶に合わせてオブジェのように飾ってお楽しみいただいております。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
今回は「小瓶」を中心に展示します。
鳥や花のモチーフの栓がついた小瓶や、洋梨やクリスマスツリーをかたどった小瓶など、見ているだけで心が弾むような小瓶たちを豊富に並べ、ご覧いただきたいと思います。

すべて耐熱ガラスを素材に、バーナー技法で吹いて制作しています。
心惹かれるものが並ぶ部屋の一角に、そっと仲間入りさせてもらえるような美しい小瓶を作れたら…。
そんな願いを込めて制作しています。

Q4
「工房からの風」の出展が決まってから、tama glassさんに起こった変化について教えてください

A4
今までは考えが及ばなかったことに思いを巡らすようになったと感じています。

「工房からの風」への出展が決まるまでは、この場に立てること自体が大きな目標でした。
けれど今は、作り手として何を真ん中に据え、この先どのように作り、どんなふうに周りの世界と繋がっていきたいのか。
そんなことを考えながら制作している自分に気づき、少し驚いています。

ミーティングでいただいた数々の言葉や交流が、じわじわと自分に染み込んできたのだと思います。
この出展を終える頃には、またどんなことを考えるようになり、どんな景色が広がっているのか。
変化の続きがとても楽しみです。

tama glass 多賀屋泰子さんは、「工房からの風」の事前MTGにすべて参加されました。
多賀屋さんご自身に欲するものがあるから、吸収されるものごとが豊かだったことと思います。
「工房からの風」をこれから続く作家活動の思考の柱を育む機会にしてくださったこと、うれしく思います。

tama glassさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜のゲートから進んでgalleryらふとの手前。
ホトトギスやシュウメイギクといった秋草揺れる花壇のほとりです。

インスタグラムはこちらになります。
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tronco (革・帆布)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
troncoさんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
「お道具入れ」は、troncoが長く作り続けている定番の作品で、自分の道具を収めるために作ったことが始まりです。
カラー帆布に加え、天然素材で染めた生地を取り入れ、季節ごとに変わる色合いも楽しんでいただけます。
仕事の道具や趣味のもの、ちょっとした日用品まで、思い思いの使い方で暮らしのそばに置いていただけたらうれしいです。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
一枚の革を細く裁ち、一本一本を編み上げて形にする革かご。
しっかりと編み上げることで、丈夫で長く使えるかごになります。
日々の手の中で少しずつ馴染み、革の表情が深まっていく過程を楽しんでいただければと思います。
これまでのたて型やよこ型に加えて、今回は新しくショルダータイプも制作しています。

Q4
「工房からの風」の出展が決まってから、troncoさんに起こった変化について教えてください。

A4
「工房からの風」への出展をきっかけに、新しい作品ができると『これを応募してみよう』と考えるようになりました。
出展が決まると、まわりの人から『今度は何を作るの?』と聞かれることも増えて、励みになっています。
今は、昨年から始めたハギレワークの新しい作品作りに取り組んでいます。

革のサンダルも含め、多彩なアイテムをおひとりで制作されるtronco(トロンコ)、立花怜己(れいな)さん。
今回で3回目の出展となります。

今回の出展場所は、ニッケ鎮守の杜レンガ道を抜けて、galleryらふとに向かう途中。
ホームページはこちらになります。
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工房からの風の映像もご覧ください。
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makoto sakurai(ガラス)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
makoto sakuraiさんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
Tumblerです。
何度か手からグラスが滑り落ちて割ってしまった経験からデザインを発想しました。
口を広げることにより薄く、口当たりも良くなります。
大小2サイズ展開して持っていきたいと思っています。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
Shelterです。
チリやホコリから守り、何気ないところで豊かさを感じられると思います。
小さい方に爪楊枝や綿棒を入れたり、多肉植物も入れられます。
大きい方にも少し大きめのサボテンを入れたり、乾燥ハーブを入れてデフューザーとして使って頂いてる方もおられます。
使う方により用途のアイディアにバラエティがあって楽しいです。

Q4
「工房からの風」の出展が決まってから、makoto sakuraiさんに起こった変化について教えてください。

A4
出展が決まって大変喜びました。
また、ミーティングに参加させていただいて、スタッフの方達や出展者の方達とも交流できた事で、
皆んなで一丸となり良いクラフトフェアにしようという意気込みを感じ、私も最大限努力し、展示を成功させたいと強く思いました。

北陸、富山県で制作されるスモーキーな色合いに研ぎ澄まされたフォルムのガラス。
ニッケ鎮守の杜の中で、どのように光と出会うでしょうか。
ちょうど中央の本部テントの近く、坂田琢磨さんのお隣のブースです。

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BLUEPOND(ガラス)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
BLUEPONDさんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
『ORIGAMI』 平皿

”この世で1番シンプルなお皿があるとしたら、それはどのようなお皿だろう?”
と考え、生まれた作品です。

硝子は、透明で、光そのものを集めたり反射したりします。
それは空気や水や氷のようで、時には記憶や想い、願いのようでもあり、まるで
「目に見えない大切なものを触れられる形にしたような不思議な素材」
だと感じています。

硝子の光が、お皿にのせるモノそのものを、そっと引き立てるとともに、ご使用になる方、おひとりおひとりの個性や魅力、暮らし方、生き方自体にも光を添えるものとなりますように願いを込めています。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
『ミニオブジェ』 

板ガラスをカットして、縦の状態で並べて焼成することで成型する小さなオブジェです。
ある程度予測をしながら窯にいれ、熱を加えますが、焼成後、窯を開ける際に、硝子達がどのような動きを見せたのかを確認する瞬間が大好きで、重力と硝子と一緒に制作しているのを実感できるのが楽しいシリーズです。

朝昼晩の時間帯や、晴れや曇りなどの天候の変化によっても、光や影がうつろいます。
そして、角度や視点を変えるだけでもかなり違った表情を見せてくれます。
室内では窓際や照明のある場所に置いたり、様々なシチュエーションで観察(鑑賞)していただきたい作品です。

クリアなガラスや磨りガラスを施したもの他、金彩や白金彩の焼き付けをしているものなどもあります。
全て一点もので同じではありませんので、惹かれるものがあれば、お手に取ってお楽しみいただけましたら幸いです。

Q4
「工房からの風」の出展が決まってから、BLUEPONDさんに起こった変化について教えてください。

A4
自分がこれまで続けてきたことはどのようなことだったのかを客観的に捉え直したり、立ち位置を再認識する機会になりました。
今後の方向性がより明確になるといった変化が起きたように思います。

硝子への興味はもちろん、光や音や香りや感覚、様々な素材との関係性、意識や未知なもの。
暮らしや自然の摂理について知りたいという好奇心が制作や日常の原動力になっています。

これまでは、その時々で求められるものに合わせ、部分的にお届けする機会が多かったのですが、
”自分の世界を思い切り出したらいいと思います”
とのアドバイスをいただいたことで、枠に囚われず、まるごと表現していいんだという安心感が生まれました。

アクセサリーや暮らしの小物からオブジェ、音にまつわる作品など様々になるかと思いますが、
緑の美しい会場へ、”工房からの風” をお届けして、今回ならではの光を一緒に愉しんでいただけますよう準備に励みます。
当日お会いできますのを心より楽しみにしております。

”暮らしに光を添える” デザインアトリエ BLUEPOND
という名前でお仕事を展開する青池茉由子さん。
青 池 なので、ブルーポンド!なのですね。

札幌のビルの一角を素敵な工房に仕立てて、光とともにある作品作りに励まれています。
夏の終わりにお訪ねしたのですが、工房には「硝子琴」が。

妙なる調べ、光の音色。
青池さんは音楽活動もなさっていて、なんとも愛らしいお声のヴォーカルとウクレレ奏者。
BLUEPONDのガラスには、光と共に音色も感じさせてくれる作品なのでした。

装身具、器、オヴジェ、楽器・・・広やかであって、芯はつながっているBLUEPONDの作品群。
ニッケ鎮守の杜中央部、花壇のほとりのテントでご覧ください。

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前川わとさん(陶磁)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
前川わとさんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
下の写真にある作品は、積層させた粘土を彫りこんでいくと、次の層が顔を出してくれるものです。
時間がかかる技法なので沢山は制作出来ないのですが、彫り込みの具合や色土の重なり具合でその都度雰囲気が変わる面白さがあり長く続けている技法のひとつです。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
数年前から中国茶の勉強をはじめ、更に昨年より茶道もはじめた事で、茶器についてこれまで以上に考え形にするようになりました。

季節や文学を含んだ総合芸術であるお茶の世界の美しさと、
同時に機能を持った道具である用の美を併せ持つものを目指しています。

Q3
前川わとさんの「工房」で印象的な「もの」をひとつ教えてください。

A3
15年前に結婚し、木彫作家である夫の暮らす町に移住しました。
その町は富山県の山間の町で、古い街並みやお寺、「ものづくり」が暮らしの中に当たり前にある街でした。

関東のベットタウンで育ち、生まれてから結婚するまで集合住宅以外で暮らした事が無かったので、そのような環境に新鮮に驚き影響されていきました。
この町で長く暮らし、夫と共に「ものづくり」をつづけていく中で、共に響きあい、いつしか井波の歴史と木彫は私の制作においてとても近いものになりました。

今回はこれまで私の制作活動とその発露に常に寄り添ってきてくれてきた、井波彫刻にリスペクトを持ったアイテムを制作中です。

紹介したいのは、家からすぐの瑞泉寺の山門です。
文化6年(1809)に完成した富山県の重要文化財です。
私にとって、アイデアを刺激してくれる大切な場所のひとつです。

2016年、2022年と出展くださった前川わとさん。
富山県の現在は南砺市になる井波町から参加くださっています。
旧井波町は欄間などの木彫で有名な町で、木彫作家の夫、前川大地さんも今回ご一緒くださるそうです。

わとさんの磁器も彫刻を感じさせる表現で、大地さんのお仕事と響きあった展示を見せていただけるかもしれません。

前川わとさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜に入って、中央花壇の手前。

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キンノイト(糸装身具)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
キンノイトさんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
屋号を立ち上げた頃より作っている作品の一つにちょうのブローチがあります。
当初は真鍮のフレームにラメ糸を編み込んでいました。
デザインはそのままに、最近は14KGFのフレームに本金糸を編み込んで、より繊細で上品な輝きと編み目の透け感を感じていただけるブローチも作っています。
ニッケ鎮守の杜の手仕事の庭に来る昆虫たちの仲間になれたら嬉しいです。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
国産の笹和紙の糸を普段から作品に取り入れているのですが、今回、手仕事の庭で育てている楮を使って和紙糸を自作し、装身具に仕立てました。
楮の幹から和紙ができ、和紙から糸ができ、身に纏う装身具へと形を変える。
その装身具は「お守り」というデザインでちょっとした大切なものが仕込まれています。
素材を原点から作ることで自然や先人に思いを馳せることが出来ました。
お庭の楮、ぜひ探して見てください。

Q4
「工房からの風」の出展が決まってから、キンノイトさんに起こった変化について教えてください。

A4
今まで感覚的に選んできた糸に今一度注目し、どうしてその素材に惹かれるのか言葉にするきっかけになりました。
追求する気持ちもさらに湧いて生紙からの紙糸作り、新しい色の草木染めにつながりました。
作り手同士の交流や話を聞く機会も多く、刺激をいただいたり、世界の広がりのありがたさを感じています。
積み重ねていきたい探究心、柔軟に感受する心を今後も大切にしていきたいと思います。

1次選考に通過されたキンノイトさんは、その機会を活かして作り手同士や企画者との出会いを得て、制作を支える思考を育まれたのですね。
キンノイトさんの手から生まれる唯一無二の小さき美しきもの。
その素材感と共に、ゆっくりご覧いただければと思います。

キンノイトさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜に入って左側に沿って歩いたところ。

インスタグラムはこちらです。
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1loom(染織)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
1loomさんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
これまで何度も織ってきたデザイン「玄/KURO」を紹介します。
私が感じている織の魅力は、“柄”を作るだけでなく経と緯の重なりによって立体的な質感を生み出せるということです。
それを一番表現できたものがこの作品です。

幾つかの織組織が一つの布の中に存在し、一見シンプルな格子模様ですが、よく見ると様々な表情が見えてくると思います。
手触りには濃厚なとろみ感があり、綿素材で秋冬春と使っていただけるボリュームのあるストールに仕上げました。
今回はシリーズとして藍を多く使ったもの、遊び心を入れたものも持っていきます。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
この夏「漣SAZAMANI/凪NAGI」シリーズ制作のため、徳島の馴染みの工房にお世話になりました。
藍染めのグラデーションは深く、後染めによって織だけでは表せない藍色の魅力が生まれます。

藍瓶の吸い込まれそうな深い黒緑の表層と向き合い、何度も繰り返し染めていきます。
灰汁を洗い落とし藍本来の色が見えてくると、水の反射でより透き通った美しい青に目が覚めます。
その瞬間の光景が見たくて、また何度でも藍染めをしたくなります。

染めた直後の瑞瑞しい藍を、少しでも感じてもらいたいとこの作品を制作しています。

Q3
1loomさんの「工房」で印象的な「もの」をひとつ教えてください。

A3
1loomを始めた頃に海で出会った猫のもん、お別れも経験しました。
もんの大切なものを入れている手作りの巾着は、心のお守りのようにいつもお部屋に鎮座しています。

徳島の工房では朝日が差し込む部屋と西陽の当たる部屋に織り機を置いていました。
冬になったら午前は朝日の部屋、午後は西陽の部屋に移動して自然の暖房を。
夏はその逆。

猫の習性と同じだったようで、気付くといつも同じ部屋に。
私が機織りしている隣ですやすや眠ったり、窓の外を警備したり。
作家としての開拓の時期を見守ってくれた、良き相棒です。

もんちゃん、っていうんですね。
『作家としての開拓の時期を見守ってくれた、良き相棒』
猫と共に生きる私には何だかじーんと心に響いて、目頭熱くなってしまいました。

東京の美術大学に入られてより、現在は関東で制作される1loomさんは徳島のご出身。
徳島の美しい藍を中心に織りを続けていらっしゃいます。
若々しい感覚で、伝統の豊かさに学びながら織り上げられた布。
風にそよがせ、光を通して、その美しを感じていただけたらと思います。

1loomさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜に入って少し歩くと出会う梅とアーモンドの木の間。

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