director's voice

椿文香さん(染織)

今回の最多出展回数(3回)を誇る?椿文香さん。
前回までは、森文香さんでしたけれど、
ご結婚されて、また何とも美しいお名前になられました。

Q
椿さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品されますか?

A
草木染め・手織りのストールを2種類の幅で出品します。
いつも 作品それぞれにタイトルを添えているので、
それにまつわる想いや季語などもあわせて、
お客さまと一緒に言葉を味わえるような空間を作れたらと思っています。
「秋の食卓」「十三夜」など、秋をイメージした布 を中心に持って行く予定です。

綿と麻の糸を草木で染めて、織り上げていく椿さんの布。
その布に寄せられた言葉との出会いも、見る人の喜びのひとつになっています。
主に夏から秋に向かって織られた布には、さあ、どんな世界が綴られているのでしょうか。
新しい暮らしを始められた、新鮮な風も息づいているかもしれませんね。

Q
椿さんにとって、「工房からの風」って、どんな風ですか?

A
「秋の風」みたいだなぁと思います。
実際開催も10月なのでヒネリがないんですけど(笑)。

日によって暑さや涼しさが交じったり、澄んでいるように感じたり、
煮物とか金木犀の香りがしたり…
同じように、工房からの風に携わるみなさんの色んな息づかいが、
準備の時からそこここに感じられて、
それぞれにとって大きな季節の変わり目になっていくんだなぁという気持ちになっています。

椿さんの制作についても、昨年出版した
「工房からの風―作る・働く・暮らす・生きる」
の中で取材をさせていただきました。
工房や機や糸の佇まいも撮影させていただいていますので、
ぜひ、ご覧になってみてください。

Q
椿さんは、小学生のころ、何になりたかったのでしょうか?

A
文集に「お絵描き教室の先生」と書いた記憶はあります。
当時習っていただけなので、これもヒネリが無いんですが…。
図書館で工作や折り紙 の本を借りて自分でやってみるのが好きでした。
あと、編み物をしたり人形をつくってみたり。
元から絵を描くよりも、物をつくる方に興味が あったんだろうなと思います。

大学で織を学ばれたあと、デザイナーとしてではなく、織り手としてありたいと、
結城紬の産地で働いた椿さん。
ふんわりと子どもの頃の夢に近い日々を得られたのではないでしょうか。

写真もとても美しい椿さんのブログはこちら → 

出展場所は、おりひめ神社のほとり。
正面に向かって右側になります。
木々の緑と言葉を交わすように、布がそよいでいることでしょう。