director's voice

田中大喜さん 陶芸 滋賀

今回の陶芸作家は11名。
クラフトフェアと呼ばれる会では、少ないほうですねきっと。
それぞれご自分のお仕事をまっすぐに見定めて進む方たちの作品。
じっくり、味わってご覧ください。

陶芸作家のトリ?は、二回目の出展となる田中大喜さんです。

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Q
田中さんは、今回の「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A
和洋問わず、古いものが好きです。
自ら作る器がそれらのものと馴染み、響き合えるものであればと思っております。
それは時に普段使いのマグカップであったり、ハレの日の向付けであったり。

今回の展示はアイテムは絞らずに色々と並べてみたいと思っています。
それぞれの釉薬の溜まり具合、色の奥行など一つ一つの表情を手に取って、
じっくりと眺め楽しんでいただければと思っております。

Q
出展が決まってから、田中さんご自身やお仕事などに変化はありましたでしょうか?

A
‘’責任感‘’を強く意識し始めました。
12回目を迎えられる本展。
これまでの出展者や毎年楽しみに来場されるお客さん。
そして主催者の方々の積み重ねてきた思い。
それらをキチンと受け止め、次の出展者に繋げていかなくてはと・・・。

えっ~!
あ、ありがとうございます~!

なんて、こちらが照れてはいけませんね。
ほんとうにありがとうございます。

田中さんがよいお仕事を深められて、作家としてより高みに進まれることが、
「工房からの風」にとっても、一番のうれしい実りです。

田中さんのような想いが行き交う時空で、
作り手、使い手、つなぎ手の方々が豊かな出会いを育めたら、
とっても幸せな展覧会ですね。

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Q
好きな言葉、座右の銘、何気なく工房の壁に貼りとめているフレーズなど、
田中さんが大切にしている言葉を教えてください。

A
as it is美術館のポスターが作業台の正面にあります。

as it isの意味はたしか‘’何事にもとらわれず、あるがままに‘’と勝手に解釈していますが・・・。
(※そういえば今年よく耳にしましたね‘’ありのままの・・‘’)

常に意識している訳ではないのですが、何かに迷ったり立ち止まった際、
最終的にこの言葉に救われている気がします。
それはモノヅクリにおいても、それ以外のことでも。

作ること、暮らすこと、生きること。
すべてはつながって。。。
田中さんからのメッセージ、響く方が多いのではないでしょうか。

田中大喜さんの出展場所はニッケ鎮守の杜に入って、レンガ道に沿った場所。
「あたりのつよい場所」と呼ばれている?ところです。
田中さんのシンプルで美しい佇まいの器が、来場者の方々を迎えてくれることでしょう。