director's voice

藤野華子さん(染織) 

続いても織り手をご紹介しましょう。
藤野華子さんです。

Q
藤野さんは「工房からの風」に、どのような作品をお持ちくださいますか?

A
コットンやリネンを使用したブランケットや、
ランチョンマットやランナーなどのテーブルウェアやハンカチ。
カシミヤのネックウェアなど。

出展が決まってから、新たに構成を見直して織った新作を持って行きます。

ここ数年、二重組織に熱中しており、
今回持って行く作品のほとんどはリバーシブルで楽しめるアイテムとなっています。
表も裏も無く、2枚の布がくっついたり離れたりして1枚の布になる、
両面楽しめる二重織りは、織れば織る程奥が深くて興味が尽きません。

秋の展示ですが、にぎやかな色合いの物が多いかと思います。

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綿麻(綿糸とリネン糸のコンビ)のハンカチタオル

藤野さんはスウェーデンの
セーテルグランタン手工芸学校で2年間学んだ方。
Sätergläntan hemslöjdens går
私は6年ほど前にダーラナ地方に向かったときに立ち寄ったことがあるのですが、
とても美しい環境で手工芸が充実した学びの場だと感じました。

心が華やぐ色使い、明快な文様など、
藤野さんもこの場でよき学びを得られたことと思います。

そして「工房からの風」では、二重織の布がたくさん!
ぜひ、その風合いと裏表の妙、触れてみてくださいね。

Q
藤野さんにとって「工房からの風」は、どのような風でしょうか?

A
毎年この質問に答える作家さんの記事を読みながら、
どんな風なんだろう〜と想像していましたが、
自分がその立場になると、ふむふむこんな感じなのかぁ、
と気持ちがあふれて上手く言葉に出来ないものですね。

今はほんとに、この風の渦中にいて、
日々夢中で織っているので、どんな風か分かるのは、
終わってからかもしれません。

沢山の方に見ていただくのも、野外展示も初めてですので、
とにかく今出来る事を精一杯やろうと、
出展が決まってから制作に専念してきました。

「北欧の〜、スウェーデンの〜、
も良いけれど ”藤野さんの織物”を」

という稲垣さんの言葉が胸に響き、
作業で悩むたび今日まで何度も思い出しました。
周りの支えてくださる方々のおかげで、
今日も織る事が出来ると感謝しています。

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綿麻(綿糸/がら紡糸と綿麻糸のコンビ)のブランケット

爽やかな色合い、風合いの布ですね!

藤野さんとゆっくりふたりでお話ができたのは一度だけでしたけれど、
そんな風に響いてくださってうれしく思います。
学んだこと、影響を受けたことは大切な宝物。
その宝ものを基にふくらませた、藤野さんならではの布。
「工房からの風」で出会えそうですね。

Q
藤野さんのお名前、あるいは工房名についての由来、
またはエピソードを教えてくださいますか?

A
結婚をした時に、さっきまで名乗っていた姓が旧姓となり、
あっという間に使わなくなってしまうのは
なんだかもったいないなぁーと思い、
ワーキングネームとして使う事にしました。
どちらも大切なものですし、仕事をする自分と、
普段の自分と、気持ちが切り替えられて気に入っています。

でも屋号に憧れもあるので、
もし今後なにか新しい展開がある時には屋号を付けてみたいです。

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両面ともカシミヤのネックウェア

ふわふわとしていて、肌にうれしい感触ですね!

藤野華子さんて素敵なお名前ですものね。
そして、これからの布づくりの時間の中で、
わくわくするような新展開が生まれますように。

藤野華子さんの出展場所は、コルトン広場スペイン階段前。
サイトはこちらになります。
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written by sanae inagaki