director's voice

柳 弘之さん(木工)

今回、木工は8名(木の装身具の方も含めると9名)いらっしゃいます。
毎年、木工の方々のブースには特にたくさんの方が見にこられますね。
野外、木立の中での木の器や生活具を選ぶ時間、
楽しんでいただいているのかと思います。
今年も個性豊かな新鮮な作家が集まってくださいました。

まずは、都内で fremont という工房名で
制作をされている柳弘之さんからのメッセージをご紹介します。

Q
柳さんは「工房からの風」に、どのような作品をお持ちくださいますか?

A
暮らすことと、木の役割について考え、学び製作しています。
器として、道具として、家具として、
実用性のあるものを。

用途を持たないものとして、
形としてそこに在るという事、佇むということ、見つめるということ。
全ては日常のかけらの様なものでありたいと思います。

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柳さんのお仕事は、表面的なかたちというよりは、
作者の内側から立ち上がってきたものをかたちにしたように感じています。

って、抽象的な言い方になってしまうのですが、
奇をてらっていない、キャッチ―な造形ばかりではないものこそ、
長く使うほどに作者の精神性のようなものが現れてくるように思っています。
精神性、なんていうと、これまた難しなってしまいますが、
柳さんの作品の場合、上品なスープのような澄んだもののよう、
と言ったら近いかしら。

Q
柳さんにとって「工房からの風」は、どのような風でしょうか?

A
ものをつくるということは、生きること。
自分と世界との呼応と調和をはかること。

風はやむことはなく世界を循環していて、
自分の中にも工房の中にも、絶えず様々な風が吹いています。

10月までの約半年の間、毎日のように考えていたと思います。
風は何かを運ぶもの。

当日は、静かで穏やかな風が吹いてくれることを願っています。

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柳さんとは、もっと機会を持ってお話しがしたかったです。
きっと風人さんたちもそう思っているのでは。
柳さんご自身が静かで穏やかな方ですが、
滋味深い風を奏でてくださいますね、きっと。

Q
柳さんのお名前、あるいは工房名についての由来、
またはエピソードを教えてくださいますか?

A
普段の活動は柳弘之で活動しています。

工房の名前はFremont (フリーモント)という名前です。
数年前、暮らしについて色々考える様になった時に
アメリカのバークレーという町に行く機会がありました。
そこから少し離れた場所にフリーモントという町がありまして、
訪れたわけではないのですが、名前を気に入って工房の名前にしました。

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柳弘之さんの出展場所は、
ニッケ鎮守の杜のgalleryらふとや、花壇の近く。
su-nao homeさんのお隣です。
お二方でcool and smart、
そして、穏やかなゾーンを作ってくださることと思います。

柳さんのホームページはこちらです。
→ click

written by sanae inagaki