director's voice

豊田陽子さん

染めの作品をつくる長野県の豊田陽子さんからのメッセージをご紹介します。

Q1
豊田さんは「工房からの風」にどのような作品を出品しますか?

A1
ストール、スカーフがメインですが、その他バンダナ暖簾なども出品します。

基本的には一枚ずつ手染めしたものですが、
ストール、スカーフは一部プリント作品もあります。
プリントは水彩で原寸大の大きさで描いたものを
京都の染色工場でプリントしています。
プリントは自由な表現方法が可能ですが、
できるだけ手仕事の温かみが感じられるように
デジタル処理は極最小限にしています。

タンポポスカーフ (598x800)

手染めの作品は糯米と米糠でできた糊のなかに
染料を混ぜ合わせて染める色糊捺染(しごき染め)、
型染め、糸糊をひかずに直接布に描いていく
無線友禅などの技法を用い染めています。

最後の工程では全て大きな蒸し器で蒸しあげ染めます。
技法により様々な制約があるのでそれらを活かしつつ、
表現の追求に挑んでいます。
いろいろな色を使うのが好きなので、
様々な色彩を見て触って楽しんでいただけたらと思います。

クレマチスのある庭・型染 (598x800)

今までの「工房からの風」では出会わなかった作品群のように思います。
作者にとっては様々な変遷を経てこの作風にたどり着いたことと思いますが、
たくさんの要素がぐるぐるっと一回りして、けっきょくはシンプルな表現、
豊田さんが描きたい世界観をそのまま布に描く、
という今の布づくりに到達されたのではないでしょうか。

ふんわり光沢のある布々に描かれた花園。
秋の空の下で広げて見たいですね。

Q2
「工房からの風」への出展が決まった時、 どのようなことを思いましたか?

出展が決まった時は久しぶりに胸の高鳴りを感じ、
と同時に心地よい緊張感が走りました。
さあ、何を作ろう、何を出そうとワクワクしながら想像をめぐらせました。

日々製作をしていると、時には苦しくなってくる事もあるのですが、
つくる私自身が誰よりも楽しくワクワクして製作していきたいと思っています。
そして使う人見つける人の毎日が
少しでも楽しく彩り豊かなものになれたら素敵だなと思っています。

タンポポスカーフ (598x800)

Q3
豊田さんの「工房」のある街の好きなものやところ、
自慢できること大切に思っていることひとつ教えてください。

A3
南に蓼科山、北に浅間山を望み、
自然豊かで夏は涼しく、冬は雪景色が美しいです。

犬の散歩をしながら山の景色や野の草花に触れ、
深呼吸をし、自身の中にその自然のエッセンスを取り入れられるところです。

2014年にこの地に移住をしたのですが、
やはり環境の影響は大きいように思います。
製作する上で自然に囲まれた生活の中で生まれる感性を大切にしています。
草花や風や香り、心象風景など、心になかにストックできる場所です。

手描きひまの葉 (598x800)

今、布に描かれている世界。
これは、豊田さんが今まで見て、感じて心の中に積もらせた景色と、
日々新たに出会う景色とがないまざって創り出された世界なのですね。
「工房からの風」で出会う景色も、そこにどんな風に加わっていくことでしょう。

豊田陽子さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜に入ってすぐ左手の小高い空間。
晴れやかに布がそよぐ景色を願いましょう。

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プリント「べりーべりー」_edited-1 (598x800)

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