director's voice

Humming Works(木工)

四国、香川県で制作をするHumming Worksさんからのメッセージをご紹介します。

Q1
Humming Worksさんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A1
今回のテーマは箱です。
屋号であるHumming Works(ハミングワークス) の思い
「使い手から思わず鼻歌の出るようなものづくりを」
にそった様々な用途の箱をお持ちします。
手紙を想う箱、アクセサリーを飾る箱 etc.

収納という箱のもつ機能に、僕の思うところの美しさと、
飾るという機能を足す事で、使う人の毎日がちょっと気分の良いものになる箱。

「あ、私、また手紙書いてるわ。すっかり筆まめ」
「アクセサリーなくさなくなったよね、いっつも使うときに探してたのに」
ふっふん♪と言う様な。
なかなかニッチな箱もありますが、皆さんの琴線に触れる箱が見つかるとうれしいです。

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また、今年度のメインヴィジュアル「木(草)」にちなんで、
季節のリースやドライフラワー、モビールやエアープランツなどを飾る
「Hunging tree」を制作してみました。

家族以外では初お披露目です。
お気に入りの何かを飾る事で美しさを増す、+αで変化する木。
影も計算に入れて飾るものを選ぶと、夜は違った表情を見せてくれます。
木肌や木目、それぞれの木の持つ色や性質に会わせて仕上げも変えています。
お気に入りの一本を探してみてください。

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魅力的な木工作家が集う中、
特にテーマを設けて個性ある内容に構成くださった
Humming Worksさん。
木の箱、様々な展開が生まれているようですね。
見る方もイメージが広がっていきそうです。

Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心の中で大切にしている映画、
いずれかを教えてくださいますか?

A2
朝には朝の、雨の日には雨の雰囲気に合う音楽を選びたいと思っています。
土曜の夜と日曜の朝は何となく特別で、
夜にはNorah Jones、
日曜の朝にはHenning Schmiedtが聞きたくなります。

また、子供が生まれてから不思議と急に心にしみるようになった曲があります。
Louis Armstrongの『What a wonderful world』
この歌の言葉をじっくり噛みしめると、
自分の周りにある色がひときわ眩しくみずみずしく感じられるようになる気がします。
また、いつまでもそう感じていたいなと思ったりします。
I hear babies crying の歌詞の後のくだりでぐっときます。
夜に書く手紙と、夜に聞くアームストロングはくせ者です。

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なんとなく耳さびしくてかけてしまうのではなく、
その日、その時ならではの曲を選んで聴くのはいいですよね。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
小学生の夏休みに青森の祖母の家に遊びに行ったときの事。
剪定した細いりんごの丸太を短く切って、
穴を3カ所あけるという簡単なペン立てを父とつくりました。

慣れないのこぎりを使って、長さを切り、
手まわしのドリルでペン用の穴をあけ、磨いて…。
今考えると、簡単に出来そうなのに、当時は無我夢中でした。

のこぎりは疲れるのに切れないし、
穴は綺麗にあかないのに深くならず、
磨いてもなかなかすべすべにはならない。
なんて、木工ってのは思い通りにいかないんだ!と。

今でも、まさかっ…。こんなことが…。
と、突如現れる割れや、誤算に悩まされる事もしばしばです。
でも、何とも美しい杢目と出会ったり、
想像以上にきれいな経年変化を見せてくれる木に
出会えたりするのもまた、木工の嬉しい誤算なのです。

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思い通りにいかなかったことが、未来の仕事になったとは。
子どもの時に手を通して作る行為は、とっても大切なのだと思います。
「工房からの風」でも、子どもたちに向けて「素材学校」というのを、
ずっと続けていますので、こちらもぜひご覧くださいね。

Humming Worksさんのテントはニッケ鎮守の杜の本部テントすぐ近く。
庭の駅というテントの隣です。

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