director's voice

北直人さん 金属 大阪

Q1
北直人さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品なさいますか?

A1
真鍮板を主な素材にして、人や動物をモチーフにした半立体作品を出品します。

学生時代は鋳造の技法で人の影が伸びたかたちをイメージし大きな立体作品を制作していました。
卒業したあとの助手時代にその作品の雰囲気で身につけられるものを作ってみようと、
金属の板からシルエットを切り出し鎚目をつけたブローチなどの制作をはじめました。

その延長で近年は、板から切り出したシルエットをコラージュした作品や謎の置物も発表しています。

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ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明 をお願いします。

A2
僕は工房にいる時間、常に音楽と一緒です。
写真は昔々に不思議なおじさんからいただいた古いアンプ。
多分僕より年上で、決していい音ではないのですが、メーターの針がぴょこんぴょこんと生き物のように飛び跳ねながら、大好きな音楽を鳴らして僕のお尻を叩いてくれます。
良き相棒なのです。

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Q3
北さんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物 との出会いについて教えてください。

A3
動機は憧れだったと思います。

好きな音楽を聞いたりするととても豊かな気持ちになります。
でも高校生の時に見たあるバンドのライブがきっかけで、満足感の他に焦燥感に駆られるようになりました。

それは受け手ではなく自分も送り手の側に立ちたいという願いだったと思います。
誰しもが経験することかもしれませんが、僕はギターを買ってロックスターを志しましたがあえなくゲキ沈。
人間得手不得手があることを改めて痛感しました。

そんな折、進学した芸術大学の同級生や先輩のおかげでたくさんの美術作品に触れることになります。

グレイソンペリーの陶芸、舟越桂の木彫、加藤泉の絵画との出会いが幼少から楽しかった図画工作美術を思い出し、送り手としての表現をものつくってゆく生き方に舵を切るっかけをつくってくれました。

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今回、金属の作家の方がとくに豊かな構成になっています。
さまざまな素材、技法、作風・・。
北さんの作品は、皆さんにどのように響くでしょうか。

北さんの作品には、それぞれに作り手からのストーリーがあるようでありながら、
見る側のストーリーに広がっていくような自由さがあります。
そして、これからもっとさまざまな展開に広がっていくような予感も楽しい作品群です。

北直人さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜。
銀座アスターを背中に並んだつの4つのテントの中。

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