director's voice

白井隆仁さん 陶芸 滋賀

Q1
白井隆仁さんは、工房からの風にどのような作品を出品なさいますか?

A1
花ブローチや指輪、ピアスなど、白を基調にしたアクセサリー。
箸置きや小さなオブジェを出品します。

ブローチは一枚一枚花びらを重ね合わせて作っており、また箸置きやオブジェは自然の草花や、
その時々に感じたものたちをモチーフにしたものです。

華飾的に人を飾り立てるのではなく、優しく人に寄り添う存在、また身に付ける人に、控えめながらも
華のある存在であればという思いで日々制作をしております。

今回は、素材や質感にこだわったアンティークのような風合いのブローチや陶小物も出品したいと思っています。

白井磁器800

Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
奈良から近江に抜ける里山、信楽の町のいっかくで、もともとは診療所だったところを仕事場として日々制作活動をしています。
慌ただしい仕事もありますが、普段はゆっくりと丁寧なものづくりを心けています。

特に大切にしているものは仕事場、手回しロクロ、作業をするための道具たちです。
毎日の生活の中でふれる、モノ、は仕事の道具もその一つであり、ずっと愛着をもって長く使い続けてきたものたちです。
ところどことにさびが残っていたり、削れて傷ができたり、、と。
使い込まれた道具たちですが、それはいつも暮らしに少しずつ幸せをもたらし
豊かさも紡いでくれるような、そんな存在でもあるような気がします。

白井隆仁 ブログ用工房からの風800ピクセル

Q3
白井隆仁さんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。

A3
私は古く時間を経てできたもの、朽ちてゆく姿や過程に心惹かれます。
小さい頃から、道端に落ちているさびた釘やネジを拾って集めたりしておりました。
何気ないものなのに、そこにはとても存在感があり、大きなエネルギーが宿っているような気がしました。
朽ちてゆく過程にもその一つ一つに物語がある、、
飾らないものにも美しさあり、自然体でありながらも存在感があるものたち、
そんな作品を生み出せるような仕事がしたいと思うようになったのがきっかけです。

自分がいいと思うものを見つけたとき運命的な出会いを感じることがあります
自分が描いて想像し制作したものたちが出会えてよかったと思えるような、そして使う人の心を動かすような、そんな存在でありたいとも願っております。

身につけている人の内にある魅力を引き出し、輝かせる存在。
これからイベントに足を運んでくださる方との、新鮮な出会いを通して、
私が見つけ、感じた作品の物語の断片が、皆さんの元で新たな物語を紡いでゆくことを願っております。

白井ハートカズラ800

白く繊細な磁器のブローチ。
この作者の名前が白井隆仁さんということに、何度も書類を見直してしまいました。

その後、ミーティングに出席くださって、お話しをし、工房のある信楽でもお会いしました。
こまやかな美しさを湛えたブローチ。
思わずひとつを求めさせていただき、帽子につけてみたり、服につけてみたり。
最初は破損が怖かったのですが、とても丈夫で(壊れないということではないでしょうが)、
見た印象よりずっとしっかりとした装身具でした。

白井さんは設計のお仕事を経て、陶芸の道に進まれたとのこと。
自由な発想からのものづくりで、このような作品が生まれたのだと思います。
制作発表を始めたのは近年からのことですので、これからの展開もとても楽しみですね。
ぜひ、しなやかな発想で、新鮮な作品を生み出してほしいと思います。

白井800

白井隆仁さんの出展場所は、おりひめ神社の奥。

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