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森屋茉莉子さん ガラス 東京

Q1
森屋茉莉子さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品なさいますか?

A1
主にパート・ド・ヴェール技法(鋳造ガラス)で制作した皿や花器などの器と装身具を中心に、フュージング技法の小物等も少しお持ちします。

お皿は植物の種や実(小麦や粟など)を型取りしたり、釉薬や土、ガラスを独自で調合、装飾したブローチや花器なども特徴的です。

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Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
右端に写っている踏み台。
初めに工房としたのは山梨の生まれ家。
岩殿山の麓、川の崖上にあり、いつも涼しい風と水の音が流れてくる場所です。
そのお勝手にいつからかずっとあった踏み台。

今はシェアアトリエの一角をお借りして制作していますが、
ほっとする存在としてこちらにも。
野外展のときに展示台として、椅子として来てもらうことも。
「ニッケ鎮守の杜」にもご一緒します。

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Q3
森屋茉莉子さんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。

A3
セーターや靴下を編んでくれた祖母、
服や鞄を縫ってくれた叔母、
毎日の母の料理、
山で拾った木で魚網を作る祖父、
写真を撮り暗室に籠る父、
親戚、ご近所さんが作った野菜やお米。

物作りを楽しみ持ち寄る周りの人達から少しづつ種火を頂いたのだと思います。
そして私はパンを作る人になりました。
パン作りの種火が決して消えない確かなものになってきたと感じられた頃、
ずっとくすぶっていたガラスに惹かれる種火を起こしてみようと思いました。

今はガラスの火がなんとか消えないようにと精一杯ですが、
「工房からの風」で少しでも種火を持って帰って頂けますように、
私もしっかり火を灯し向かいたいと思っています。

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森屋さんには、先日の自由学園明日館での展示にも出品いただきました。

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右から、森屋さん、手塚えりかさん、山口未来さん。
工房からの風直前ではありましたが、広やかに新たな方々へ伝わるようにとご参加いただきました。
歴史ある美しい空間の中で、光を浴びて、3人の方それぞれの来し方や、
硝子への想い、それをかたちにする技法について言葉を交わすことが出来ました。

森屋さんはパン職人からガラスづくりへとその種火を移されてきた方。
どこかもちもちっとした?立体を感じさせるガラスには、共通のものがあるのかもしれません。
そしてガラスには、光との関係性が新たな要素ですね。
ぜひ、光とともに作品を感じていただけたらと思います。

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森屋茉莉子さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜に入って、レンガ道を進んだ先。 

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