director's voice

佐藤亜紀さんから 

先週の今日は、『工房からの風』の前日。
たくさんのスタッフで準備に励んでいたのでした。
あっという間に時が過ぎ、一週間が経とうとしていますね。
なんだか夢の中の出来事だったように思うのは、私だけでしょうか?

全国各地からやってきてくださった出展作家の方々からは、
無事工房に戻りました!というメッセージをいただいています。

『凪ぐ浜の宝物』
第何回目の終わった頃からでしょうか?
展覧会という大波が去った後、凪いだ浜辺に散らばる貝殻を拾い集めるように、
今回の工房からの風で見つけた出会いの輝きを探すようになりました。

『工房からの風』を終えた後の作家からのメッセージにも、
そんな輝きがちりばめられています。
いただいたメールの中から、おひとりずつ、そう10人くらい、
ご本人のお許しをいただいて、一部こちらに綴っていこうと思います。

お一人目は、染織の佐藤亜紀さんです。

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(photo usami)

昨日、無事に京都にもどりました。

工房からの風の出展が決まってからの数カ月間、
全体ミーティングや個人ミーティング、当日と本当にお世話になりました!!

とうとう二日間が終わってしまい、
当日に向かって制作に集中した数カ月間と、ぎゅっと詰まった二日間、
さかのぼれば、工房からの風にあこがれをもってからの月日、
なんだか頭のなかで、いろいろなことがぐるぐるとしていて、
うれしかったこと・反省点・感じたことの断片がたくさんありすぎて、
まだうまく整理しきれていません。
きっと、すぐに整理しきれるものではないかと思いますが
これからのその時々で、大いに役立ってくれて
励みになってくれるようなものばかりです。

私は、作り手としての展示の経験も浅く、
初出展でしたので、準備や当日の流れもすごく不安でしたが、
わからないことや困ったことは
すぐにサポートして下さるオブザーバーやスタッフの方がまわりにおられて、
とても心強く有難かったです。
両隣りのブースの方にも、本当に親切にしてもらい、
何かとお世話になりました。

工房からの風は、私にとって本当に大きな風でしたが、
人のあたたかさにもあふれたものでした。
お話させてもらったお客さんの中には、
このイベントを毎年のこの季節の楽しみにしてると笑顔で
話して下さる方も多く、初出展の私ですが、うれしかったです。
でも、今までにないお客さんの多さに、正直、とまどいと
ちゃんと接することができなかったような思いもあります。

稲垣さんとの個人ミーティングでお話いただいたことは、
独立してから今まで必死になってやってきて、
気付かなかったことを角度を変えて見てもらい、
改めて自分の制作を考える良いきっかけとなりました。
当日まで、すべてを生かすには至りませんでしたが、
今後長い目でみて、制作に生かしていきたいと思います。

本間さん、宇佐美さんにも、いつも優しい笑顔で接して頂き、
緊張している気持ちを和ませてもらいました。
どうぞよろしくお伝えください。

話があちこち飛んだ文章になり、すみません。
まだまだ、書き足りないようなお伝えしたい気持ちがいっぱいですが
長くなりすぎそうなので、取り急ぎ、お礼までとさせてもらいます。

皆々さまに心から感謝しています。
本当にありがとうございました。

佐藤亜紀

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おりひめ神社の鳥居の脇。
椎の高木のほとりで、絹や羊毛の糸で織りあげたストールやマフラーを展示していた佐藤さん。
数年前にお客様として来場し、ずっとこの日を目指して作り進んでこられたそうです。
作った布を、どう丁寧にお伝えしようかと考えて、
まとい方、巻き方を研究!して、当日はお客様に自ら巻き巻き提案をして
楽しんでいただいた佐藤さん。(素敵ながんばりやさん!です)

京都の工房に戻り、さあ、次はどんな糸を染めて、機にかけるのでしょうか。
開催前の佐藤さんのご紹介も、あらためてご覧ください。   →