director's voice

叶谷真一郎さんより

おりひめ神社のまうしろで、使い心地のよさそうな器が
さりげなく風景に溶け込んでいましたね。
叶谷真一郎さん。
神戸から来られた陶芸作家の方からもお便りをいただきました。

こんにちは、叶谷です。

無事帰りました!
疲れと余韻とが重なり、まだぼ~っとしております。

今年初めから、この日の為に考え、
目標にしてきたと言っても過言ではありませんでした。
頭の中に常に”工房からの風”の文字がありましたから・・・。

前日の準備の段階から終わるのが怖かったくらいです。

本当にあの場所は良かったです。
木漏れ日が器と花を照らしてくれて・・・
日々の器を作っている僕にとって、
皆さんがじ~っと器を見て、
食卓に思いを馳せていらっしゃる姿を拝見していると、とても嬉しくなりました。
季節を感じながら、器を選ぶこと、素敵だなとしみじみ感じた時間でした。

個人的には、今までと違った器も展示してみようと試みました。
改善点等、考える余地も生まれ、今後の指針となりました。

今回の展示で、結果が伴った人
(どういうことを結果が出たというのかは人それぞれだとは思いますが)、
思ったような展示にはならなかった人。
思いはさまざまだっただろうなと思いました。

売れたか売れなかったかとか、次の仕事が来たとか。
そういうことではなくて、こぼれ種が自分の中で芽生え、
それがどこへ向かうかだと思っています。

この2日間だけではないと思うのです。
そこからいつかどこかで何かに繋がっていく。
だから、この出展者の誰もが、これからの活動の糧になるはずだと。

若い人が多いこの工房からの風の中で、
おそらく年長者の方ではないかと思われる僕の経験を踏まえた実感でした。

同じ作り手の仲間と出会えたこと、有意義な1年間でした。
自分だけでなく、この仲間達の種が風に乗って、どこかでまた会えるように・・・
そう思ってやみません。

このような場を作って下さった、スタッフの皆様、
そして何より「工房からの風」にお越し下さるお客様に、感謝の一言です。
ありがとうございました。
また、ご一緒できるのを、楽しみにしております!

叶谷真一郎

叶谷さんとの会話やメールには、必ずなおこ夫人が登場して、
その恐妻ぶり!がおふたりの仲の良さを表しているのだと
今回お二人にお会いして気づきました。
でも、今回は妻話!(掲載はできませんが(笑))の他にも
しっとりとした文章を寄せてくださったのでした。

目まぐるしく進む時間軸の中で、数か月をかけて取り組んだ展覧会。
そこでの結果は これからの時間の中に。
ほんとうにそうですね。
出展年次も超えて、この風に吹かれた作家同士、
これからさまざまな地で、よき交流が生まれることを願っています。