director's voice

白い時間

満開の桜のもとで、今年初めての展示がgalleryらふとで始まります。

クロヌマタカトシさんの木彫展
白い時間
2012年の「工房からの風」に出展くださった作家の方です。
(おりひめ神社の奥で大きなユニコーンを印象的に展示されていましたね)

新たに塗り清めた白い壁の空間に、作品がひとつひとつ所を得て置かれていきました。

花を摘む女性
手紙を読む女性
腕を組む女性
読書をする女性

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何かに夢中になっている姿、自己没入の姿を、白い時間ととらえて、
「白へ向かう」
という作品群もあります。

一点、神々しいようなおおきな作品も

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僧侶、巨岩と名付けられた作品も白い時間の中に

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今展に向かい、何かに没入している人物の白い時間を追い続けたクロヌマさん。
冴え返りの日々の中、このような便りが届きました。

「・・・
最近は小屋を彫っています。
小屋は以前から心引かれるモチーフでもあり
簡素で必要最小限な佇まいには一種の清貧さのようなものを感じていました。
(建築を学んでいたころから小屋好きでした)
今回、人物像ばかりを追っていく中で
何か個人的に息の詰まるようなところ、
ぐるぐると堂々巡りしてしまうようなところに出くわしてしまい
違った側面から白い時間をとらえてみようと試みています。

ですので展示風景は人物と小屋(家)になりそうです。・・・」
と。

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今回、デンマークの画家ヴィルヘルム・ハマスホイへの
オマージュも心に置きながら企画を進めてきました。

案内状の写真は、ハマスホイが好んで描いた静謐な空間を探してデンマークで撮影してきました。

冬の光の中で、どの角度から撮影しても美しさと新鮮に出会いました。

今展でも、ぜひ全方位から作品と出会っていただきたいと思っています。
貴重な画集もご覧いただこうと揃えています。

クロヌマさんは、会期中4日の土曜日のみ不在ですが、ほか4日間はギャラリーにいらっしゃいます。
開館時間は11時から18時。
桜のはなびら流れるギャラリーでお待ちしています。

クロヌマタカトシさんのホームページはこちらです →