director's voice

フクシマアズサさん

茨城県でホウキの原料、ホウキモロコシを、
種蒔きから畑で育て、収穫したその素材でホウキを編む若き女性、
フクシマアズサさんからのメッセージをご紹介しましょう。

Q1
フクシマアズサさんは「工房からの風」に、どのような作品を出品しますか?

A1
種から育てたほうきを出品します。

私の住むつくば市には、
明治中期からほうき作りが行われてきた地域があります。
私は、その地域のベテラン職人さんに教わった技術で、
原料の栽培からほうき作りを行っています。

01

今回出品するほうきたちは、
今年の春~夏にかけて育てたものです。
サイズは、小さなコーヒーブラシから、
卓上ほうき、片手ほうき、両手で掃ける大きなほうきまで。
原料のホウキモロコシは、
大きな穂から小さな穂まで色々な大きさのものが育つので、
草に合わせてほうきを作ろうとすると、様々な種類のほうきができていきます。

穂は夏の青いうちに収穫したものなので、とても柔らかく軽やか。
その掃き心地は、是非お手に取って、感じてみていただきたいと思います!

04

ひとりの作り手が素材から手掛けたホウキを使いことができるなんて、
現代の日本では夢のような出来事ですね。
そして、なんと美しい編み模様でしょう。
想い、哲学と実践されていることの素晴らしさが、
美しい形となって存在していること。
フクシマさんのお仕事は始まったばかりですが、
よい意味でマイペースに思うままに制作を続けていただきたいと願っています。

Q2
「工房からの風」への出展が決まった時、どのようなことを思いましたか?

A2
「登るべき頂を見つけた!」

「工房からの風」への出展が決まったときは、
上空の霧がすーっと晴れて、進んでいる先に高い高い山の頂上を発見した気分でした。

私は、ほうき職人を志して3年目になります。
1年目2年目は、師匠から技術を学びつつ、
小さな畑で実験的に栽培をしていました。

実家が農家なわけでもなく、資金があるわけでもなく。
地元から離れた場所で、アルバイトをやりながら、
一人で、ほうきをやろう!と決めて。
霧の中を、信じる気持ちだけを頼りに、
ほうき作りをものにすべく進んでいたと思います。

そして3年目の今年。
大きな畑を借りて、本格的に栽培をやると決めて、
その決意と共に「工房からの風」へ応募。

選考通過の通知は、進んできた道は間違っていなかったんだ!
と、これまでの日々が報われる気持ちでした。
同時に、絶対に失敗できない!
やるべきことは全部やろう!
なんとしてでも登り切る!
と、決意を新たにする瞬間でもあったと思います。

05

まあ、なんと大きなことを(笑
でも、ほんとうにそう思ってくださったんですねー。
ありがとうございます。
まずは、ここに向かって取り組まれ、ぜひこの場での新たな出会いをもって、
ホウキを作るお仕事の持つさまざまな可能性を育んでいってくださいね。

Q3
フクシマさんの「工房」のある街の好きなものやところ、
自慢できること大切に思っていることひとつ教えてください。

人の豊かさに尽きます。
ほうき作りの技術を教えてくれる師匠、
畑を貸してくれた地主さん、
声をかけてくれる方、応援してくださる方々。

今借りている畑は、
元アルバイト先で知り合った方が地主さんと繋いでくれて、借りることができた場所です。
地主さんもすごく優しくて、
「種まきいつやんだ?機械動かさねぇといかねぇからよ。うなってやっから」
と電話してくれたり、ちょくちょく見に来てくれたり。
畑の近所の方も、作業途中に声をかけてくださったり、
差し入れまで頂いてしまったり。

そんなふうに、気遣ってくれる方がすごく多いのが、私の住む街です。
私のほうき作りは、一人でやっているようで、
応援してくださる人たちの力あってのものだと思います。

03

それは一重にフクシマさんがよき人の輪を引き寄せているんですね。
そして、こんな風にがんばっている若い人がいたら、
応援したくなりますよね。

フクシマアズサさんの出展場所は、galleryらふとの前方。
時間があれば、ホウキ編みも実演されているかもですが、
ちょっと忙しくって難しいかもですね。
でも、いろいろなお話しぜひ、直接なさってみてください。
ホウキのヒキダシ?たくさんお持ちですから。

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