director's voice

Leather Lab. hi-hi 革 宮城

Q1
Leather Lab. hi-hiの平間博之と麻里さん、
「工房からの風」には、どのような作品を出品なさいますか?

A1
革の鞄と財布類を中心に素材の魅力を楽しめる作品を展示します。

主に国内外で作られている植物タンニン鞣しの牛革や、
地元の宮城県に自生する鹿の革を使用しており、
どれも個性があり経年変化を楽しめる素材です。

使い手をひき立たて寄り添うかたちを心がけ、
そこにほんの少しだけ私たちの遊びを取り入れています。

roundshoulder_hihi2019

Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。そして、その説明をお願いします。

A2
昨年の5月に念願の工房を構えることができました。
設計士さんと相談しながら、私たち自身も作りたいということで、
知人友人の手も借りながら小さな工房を建てました。

日々のものづくりと向き合える大切な空間であり、
ほっと安らげる居心地の良い空間でもあります。
当日は自ら手がけた工房の看板も持って行きます。

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Q3
Leather Lab. hi-hiさんにとって、
ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。

A3
2011年の3月、イタリア・フィレンツェへの留学中に東日本大震災により自宅を全て失いました。
夢と希望で満ちていた心は一瞬で糸が切れてしまい作ることの意味や希望まで失っていました。

そんなどん底にいた私に、ある日本人の料理人の方が手を差し伸べてくれたことをきっかけに、
「自分の手で恩返しをしよう、何もできない自分は作るしかない」
そう思わせ、また手を動かし始めました。

帰国後、道具も何もない0からのスタートでしたが、
知人の職人さんがチャリティーで道具を買い集め支援して下さったことにより、再び作り始めることが出来ました。

最悪の事態の中、一時は消えかけた火ですが、沢山の人の支えにより、私は今作らせてもらっています。
ものづくりに向き合える今の環境に喜び感謝できるようになったあの経験、人々との出会いこそ私の中の種火です。

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なんて愛らしい工房なんでしょう!
お二人のお城のような、秘密基地のような、絵本に出てくるような工房!
Leather Lab. hi-hi
ハイハイさん、と、他の出展作家の方たちから親しみを込めて呼ばれていらしたけれど、
ハイハイさんの作品が、この工房から生まれてくると知ると、とってもナットク!合点がいきました。
きちんとしていて、どこか楽しい。

宮城出身の平間さんは、震災でご自宅を失われるという苦難に遭われて。
夢を抱えて異国で学ぶ日々の中で、なんということでしょう。
平間さんの当時の想いは、私など思い及ばぬ深いものであったと思います。

あれから8年半。
今、こうして新たに豊かな作り手たちとの出会いを果たし、より広やかな出会いを叶えるために、
自らのイメージと手を働かせて「工房からの風」にやってきてくださること、心から歓迎します。

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Leather Lab. hi-hiさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、galleryらふとの手前。
どこかご自身の工房の雰囲気を漂わせた楽しい空間で、使い心地も楽しい革のバッグや小物が並んでいることでしょう。

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