director's voice

佐藤かれんさん 染織 山梨

Q1
佐藤かれんさんは、工房からの風にどのような作品を出品なさいますか?

A1
リネンやコットンで織った、薄手ながらもキュッと吸水するタオル、つやつやと光沢感のあるクロスやミニクッションなどのインテリア雑貨をお持ちします。
また、カシミヤやベビーアルパカを使った秋冬に向けての落ち着いた色合いのストールも織りました。

私はスウェーデンに留学していたことがあり、そのときに織物の勉強を始めました。
当時の生活から学んだこと・影響を受けたことが今の自分の織物制作の種となっています。
その種を膨らませて、今の自分が美しいと思う、日常づかいできる布を織りました。

今回お持ちする作品が、使う方の暮らしをちょっぴり特別にするような、日々のアクセントになれば嬉しいです。

_80A9543

Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
工房の中で特に大切にしている道具は、織り機です。
スウェーデンから日本に帰国する際に、現在使っている織り機を先生のご友人から譲り受けました。
当時は自分の織り機を持っていなかったので、これから日本でも織物をやりたいけれど、果たしてそうできるのか不透明な状況でした。
なので、絶妙なタイミングで自分のもとに来てくれた織り機が、この先の希望の道しるべのように感じられ、とても思い入れのある特別な存在になりました。

_80A9474.CR2

Q3
佐藤さんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。

A3
私の母は若い頃に旅したイギリスで野草の生い茂る美しい庭に魅せられて以来、イングリッシュガーデンをつくることを仕事にしています。
庭づくりを通して、イギリスへの好奇心を絶やさず火を継ぎつづける母は、大変なことがあっても生き生きしていて刺激的です。
庭と手織物、分野は随分違いますが、私にとって母の存在は、自分が好きなことに素直に生きること・ものづくりを志すことの火種になったと思います。

_80A6415

お母さまのことをこのように想えるって素敵ですね。
佐藤さんはまだ20代。
織りと共にある人生は始まったばかりなので、ぜひ佳き織り手の方々とも交流の機会を持ってもらえたらと思います。
工房からの風ゆかりの作家の方もたくさんいらっしゃいますし。

これから続く織りの制作の中で、佐藤さんの鉱脈がどこにあるかは、続けていく中で見つけていかれることでしょう。
今、佐藤さんらしさがよく表れていると感じるのはタオル。
スウェーデンで学んだ日々の中から生まれてきた実感がこもった布ですね。
そのほかのストールやクッションカバーにも、未来への種がひそんでいるように感じます。
その種を感じて、探し出すのも来場者の皆さんの醍醐味かもしれません。

_80A6514

佐藤かれんさんの出展場所は、コルトン広場のスペイン階段前。
ホームページはこちらになります。
→ click