director's voice

木と漆 万緑さんから

ニッケ鎮守の杜に入って、右側の桜の木の下に建つ4基のテント。
おりひめ神社側の端で展示をされた「木と漆 万緑」さんからの言葉のかけらをお届けします。

昨夜に無事に福井県に帰り着くことができました。

寝入るこどもたちに身を寄せながらこのメールを書いています。

工房からの風へ応募すると決め、郵便局に応募資料を持って行ったあの日から、もう工房からの風が始まっていたんだと改めて感じております。

もちろん当日2日間のために準備を進めてきたのですが、作品を作る時間も什器や価格について考える時間も、ミーティングへ参加することやブログの文章を書くことなどの工房からの風に携わること全てが大小関係なく当日2日間と同じく価値のあることであり、何にも変えがたい経験をさせていただいたと感じました。

そしてそれは会期が終わってからも、私が作り手である限りずっと続く糧の源のようなものを与えていただいた感覚を持ちました。

稲垣さんを始め、事務局スタッフの皆さま、風人の皆さま、庭人の皆さま、運営・設営に携わってくださった皆さま、そしてお客様に、言葉ではいい尽くせない感謝を感じております。
ここまで連れてきてくださり心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。

この経験を通して、私に何が足りないかを冷静に見つめることができ、物を作って対価を得るということを私の人生にリアリティを持って取り込んでいきたいと思います。
澄んだ心で制作ができるように生涯務めてまいります。
大変お世話になりました。
本当にありがとうございます。

木と漆 万緑

木工、挽き物の技術を真剣に学び、その先に迷い、考えたぬいた先にたどり着いた、この木地人形。

愛らしいからこそ、易しく捉えられてしまうこともあるかもしれませんが、原点の想いを曇らせずに、志高く、ぜひご自身の望む世界に向かって、この木地人形を櫂として進んでいただきたいと願っています。

『物を作って対価を得るということを私の人生にリアリティを持って取り込んでいきたいと思います。
澄んだ心で制作ができるように生涯務めてまいります。』

その気持ちがきっと、万緑さんが幸せな気持ちでいられる世界へと連れて行ってくれることでしょう。

木と漆 万緑 さんの出展前のメッセージはこちらです。
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