director's voice

ふじい製作所さん(木工)

兵庫県小野市で「ふじい製作所」と名付けた工房で制作をする藤井健一さん。
挽物(ひきもの)を中心としたかたち作りで、
すっきりとしたフォルムも美しい作品を制作されています。

Q
ふじいさんは、「工房からの風」にどのような作品を出品されますか?

A
私たちは夫婦で、木地(加工)と塗り(仕上げ)に分業して、
漆やみつろうで仕上げた木の器を中心に制作しています。

木地は、木工ロクロを使った挽物がほとんどですが、
新たに、和紙を貼って漆で仕上げた重箱や弁当箱、
コーヒー豆などを入れるキャニスターなど指物も持って行きます。

自分たちと同じ30代40代の方にも、
普段の生活に漆の器を使っていただきたいという思いで制作しています。

重箱や弁当箱、キャニスターなど指物の新作も楽しみですねー。

先日行ったチャリティーには、丸い木のブローチを協賛下さったふじいさん。
(ありがとうございました!)
その丸さのすっきり感がとても印象に残っています。
たくさんの作品の中で個性を強く放つ感じではなく、
でも、印象がたしかに残る作品。
ふじい製作所さんが目指す、長く使うほどに愛着の増す作品作りを実感しました。

Q
ふじいさんにとって、「工房からの風」って、どんな風ですか?

A
普段、ペースを守っていこうとする自分に、後ろから風が吹いたというか、
ぐぐっと押されている感じです。
初回のミーティングから始まった自分の中の気持ちを、
しっかりとカタチにして、届けたいと思います。

ふじいさんからの私信には、
『ほぼ漆木地の制作が、終盤を向かえています。
残りの時間で漆を塗り重ね、しっかりと乾かしつつ、みつろう用の木地加工を進めます・・・』
と綴られてありました。

粛々と自らの制作時間を重ね、進めている人の爽やかな調べを感じて、
私もこうでなければ、、と心を整えてもらった気がします。
そういえば、ふじいさんの作品には、使い手の心を整える作用があるのかもしれません。

Q
ふじいさんは、小学生のころ、何になりたかったのでしょうか?

A
書道の先生です。
(当時は習字の先生になりたいと言っていました)
習い事のひとつで、通っていた書道の先生に憧れて。
マスの中にバランスよく並んだ字を、単純にいいなと思っていました。

ふじいさんも、子どものころから気持ちの向く方向が
変わっていないのかもしれませんね。
『マスの中にバランスよく並んだ字を、単純にいいな』
というフレーズ。
整った美しさ、気持ちよさ。
今のふじい製作所さんのお仕事ととても通じている気がします。

では、ふじい製作所さんのホームページはこちらから → 
出展場所は、スペイン階段の前のテント。
お隣には、精緻な文様も華やかなピサンキの飯野夏実さんがいらっしゃいます。