director's voice

吉田麻子さん(羊毛)

今回ご紹介する吉田麻子さんとの出会いは、
東日本大震災についてのフォーラム会場でのこと。
多くの方々にご参加をいただいた復興支援プログラム、
「ぬくもりを届けよう、ニッケ+工房からの風から」の
レポートに出向いた会場で、声をかけていただきました。
(ブログ記事はこちらです → 

昨年の「工房からの風」のお手伝いをしました!
と聞いて驚きました。
大学時代の友人、染織の佐藤亜紀さんのブースで
サポートくださっていた、とおっしゃるのです。
そして、ご自身は羊毛を通じて、今も石巻に通っていること
などをお話くださいました。
その後、幾度かのやり取りを通して、今回出展作家として、
参加くださることになったのでした。

Q
吉田麻子さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品されますか?
また、どのようなことをなさいますか?

A
羊毛を紡いで、マフラーを織ります。
一頭ごとに織るので、その個性を表せたらと思っています。
その作品展示販売を土曜日を中心に、
日曜日には、以下のようにワークショップを展開したいと思います。

タイトル:東北の羊の毛で糸を紡ぐ
場所:ニッケ鎮守の杜 参道入り口脇
10/13(日)のみ
10:30~12:00/12:45~14:15/15:00~16:30
定員各8名 \3,500(木製スピンドル付)
対象:10歳~大人
ぜひ、ご参加ください。

(お申し込みは、すべて吉田さんのテントで各回開始30分前からとなります。
おひとりで対応できない方(お子様など)は、必ず補助する方がお付き添いください)

「風の音」に詳しく記しましたが、
吉田さんは石巻に通いながら、羊を飼い続けてきた人と出会い、
そこから糸車をしまい込んでいた人や、
獅子頭を作っていた職人さんと、神棚工房の職人さんとの出会いが生まれ、
神棚の木材でのスピンドルづくりへとつながっていきました。

今回のワークショップでは、そのとっても使いやすいスピンドルを使って、
東北の羊の糸紡ぎをワークショップも行います。

Q
吉田さんにとって、「工房からの風」って、どんな風ですか?

A
今までの私にとって工房の風は上空で吹いている憧れの風のようでした。
けれど、先日の作家同士のミーティングで、
この風を受けとめられる強い帆を張りたいと思いました。
船の帆を張る風だと思います。

吉田さんの羊毛とのかかわりをみていると、いろいろなことを感じ、
考えさせられます。
作って売る、ということだけを仕事というのであれば、
吉田さんの制作スタイルは、仕事とは言い切れなくなりますが、
では、趣味かというと、それは違うのですね。
さまざまな矛盾を抱えながらも、進みながら、人と関わりながら、
自分ならではの羊毛や、手の仕事を模索する。
一元的にものづくりをとらえずに、動きながら、潮を生んでいく。
それが何かは未知数ですが、そんな未知数をこそ、
11回目を迎える工房からの風は、孕んでいければと思っています。
答えって、あるものを掴むのではなくて、探していくものなのかもしれません。
風の音」も、ぜひ、ご覧下さいね。

Q
吉田さんは、小学生のころ、何になりたかったのでしょうか?

A
テレビで見た、 トレンディードラマのような大人になるんだと思っていました。

ええっ。
これも、相当びっくりでした!
(私はすでに大人でしたし(苦笑))

愛らしいイラストで始める吉田麻子さんのホームページはこちらになります。 → 

出展場所は、「galleryらふと」の西側参道の向こう側。
岩が配置された日本庭園風の空間です。
同じエリアに、uiny by nakamurayui さんと、
大島奈王さんという個性派ゾーンとなっています。