director's voice

per.(装身具)

「工房からの風」では、初出展の作家の年齢は30代前半の方が多いのですが、
今回は20代の出展者が二名いらっしゃいます。
そのうちのひとりが、東京で装身具を制作する「per.」の久島涼さんです。

Q1
per.さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
その中で、特に見ていただきたいものがありましたら、加えて教えてください。

A1
真鍮をメイン素材としたブローチ作品を中心に出品致します。
数ある金属加工の中でも ”腐食” の偶然性による変化と
その独特な風合いを活かした作品を始め、
特殊塗料を用いてカラーリングしたシリーズなども展開予定です。

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経年変化を楽しみながら長く愛されるものを目指し、
1点ずつ手作業でじっくり作り上げています。
写真だけでは伝わりにくい質感や、
作品の持つ空気感などを直接肌で感じていただけたら幸いです。

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per.さんの制作は、新鮮に生まれたところ。
今ならではの輝きと出会えるのも喜びですね。

Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心の中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?

A2
制作中は常に音楽を流しているのですが、
最近よく聴くものは河原太朗さんという方の
ソロプロジェクトである「TENDRE」の曲です。

優しい歌声と豊かで心地よいグルーヴ感がとても格好良く気に入っています。
気持ちを高めたいときはもちろん、
忙しいときには心を落ち着かせてくれたりするので、
「TENDRE」の音楽にかなり支えられています。
特に真夜中の作業時に聴くのがオススメです。

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作品には、作家が制作の時に好んで聞く曲がどこかに沁みているのでしょうか。
「TENDRE」、聴いてから作品を見ていただくのも素敵ですね。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
高校生の頃、工芸の授業で木製のオリジナルスツールを制作したことがあり、
それは今でも大事に使用しています。

何パターンも考えたデザインを模型に起こし、
決まったサイズの合板から無駄のないようにパーツ取りを行い、
釘や接着剤を使わず組み木のように造形していく
という作業は当時の私には難しく大変な作業でした。

しかしその分、完成した時の感動は大きく、
ものを一から生み出す面白さもこのスツール制作で学ぶことができました。
現在行っているアクセサリー制作でも
この時覚えたことが多く活かされているので、
若いうちにこうした経験ができて本当に良かったと感じています。

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これからもっともっと、完成した時の感動が
深く、大きくなることが増えていくのではないでしょうか。
per.さんの制作は始まったばかり。
今の芽を大切に、豊かな実りに向かいますように!

per.さんの出展場所は、コルトン広場、スペイン階段前。
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