director's voice

佐藤亜紀さん・染織・京都

秋から冬に向かうこの季節、
巻き物を探していらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
そのような方々にぜひご覧いただきたいのが、
京都で染め織りをする佐藤亜紀さんの布。
こっくりとした草木染の糸を織り上げた布が登場します。

Q
佐藤さんは、工房からの風にどのような布を織ってきてくださいますか?

A
主に絹糸をつかったストールを中心に出展します。
経糸に絹、緯糸に綿、ウールを織りこんだものもあり、布の表情もさまざまです。

ウールを使ったのは今回が初めてで、
糸は、ホームスパンの作家の吉田麻子さんに原毛から紡いでもらいました。
絹のストールに比べ、かなりざっくりめの
ワイルドな仕上がりです。

布をまとった時の、素材と草木の色が重なる立体感、心地良さを
楽しんでもらえたらうれしいです。

他には、綿・麻のしっかりふっくら織り上げた布の
がまぐち小物入れシリーズ、くるみボタンなどなども並びます。

素材である糸の風合いをひとつひとつ生かして織り上げる佐藤さん。
どこか大陸的なものを感じさせるデザインも魅力です。

 

 

Q
佐藤さんにとって工房からの風ってどんな風に感じられているのでしょう?

A
いつか、いつか。。。と
見上げていたら、吹いてきてくれた風。

待ち焦がれていたものの、
吹いてきた大きな風にはとまどいの連続。
そんな大きな風が、気づけば前へ前へと
進めさせてくれていたように思います。

当日は、思いきって風に吹かれて
布たちを広げるのが楽しみです。

数年前から工房からの風を憧れてくださっていたという佐藤さん。
この出展を大風ととらえて、ぐんぐんお仕事を整え、新たなものへと
進化させてくださいました。
「布たちを広げるのが楽しみです」
って、なんて素敵な気持ちを表したフレーズなんでしょう!

 

佐藤亜紀さんのホームページはこちら →

佐藤さんの出展場所は、おりひめ神社を正面に鳥居の右側です。
年月を重ねたシイの高木に、草木で染めた布が、さっそうと広げられていることでしょう。