director's voice

メロウグラスさん・ガラス・長野

ガラスの持つ透明さ。
ガラス作家はそれをさまざまな方向に生かして制作を進めます。
研ぎ澄まされたエッジの効いたもの。
水や氷のように自然を思い起こさせてくれるもの。
やわらかなもの。
冷ややかなもの。

メロウグラスさんのガラスは、穏やかで優しい佇まいなのですけれど、
それだけではない、どこか遥かな時間や空間を思わせてくれるものがあります。
その秘密は、どんなところにあるのでしょう。

 


そのむこうに見えるもの

Q
メロウグラスさんは、『工房からの風』には、どのような作品を出展されますか?

A
日々のなかで見つけた景色や気持ちを硝子のオブジェにしています。
硝子のオブジェ作品と
作品をスケッチしたときの言葉を一緒に並べます。

定番のプレートやカフェプレート
そして
草花をちょこんといけられる花入れなどを展示します。

家や建物をモチーフに作られた作品は、その透明感から、
置いた周りの空気を清浄にしてくれるような爽やかさがあります。
(私は本棚にちょこんと置いて、本の醸しだす空気感を和やかにしています)
そして、小さな緑が映えるガラスの器も、小さいながらも豊かな存在感です。
展示では、その作品に添えられた言葉の柔らかさも
作品を豊かにまとうオーラのひとつになっていますよ。


メロウグラスさんにとって、『工房からの風』は、どんな風に感じられますか?

A
はじめての『工房からの風』。

風鈴が風にゆれて鳴る音
心地よくて やさしい音色が好きです。
そんな心地いい音色が鳴るような風にしたいと思います。

硝子と日々向き合うなかで
透明な硝子のなかにグングン入っていき
その中を見て作品をつくっています。
自分の心のなかだったり
意識の奥底だったり
指先で感じる感覚のようなものだったり。

工房からの風で
「わたしが見ている景色を見てもらえるように」
と思いながら作品をつくりました。

掌に載るほどの愛らしい作品も多いのですが、
その作り方はダイナミックさと繊細さが合わさったもの。
透明、または半透明の塊の中に、何を思い、何を見るのでしょうか。
作家の心へ思いを寄せるのもいいですし、
自分の心の中にある風景をそこに映してみるのも心楽しいですね。


家のある風景

メロウグラスさんにお会いすると、イマドキの言葉で言えば、女子力を高めたくなります!
なんというか、女性の持つやわらかさ、たおやかさ、しなやかさ、そしてよきつよさを、
メロウグラスさんから感じて、日々の自分の心の姿を反省します。
その反省する気持ちが、なんだかうれしいというのも、不思議な魔力!
そう、メロウグラスさんの作品の秘密は、しあわせ色の魔力なのかもしれません。。

メロウグラスさんのホームページはこちら → 
出展場所は、『ニッケ鎮守の杜』に入ってすぐの原っぱエリア。
秋草に揺れる『手仕事の庭』のほとりです。
草花とガラス作品が、囁きあっていますね、きっと。