director's voice

三温窯さんより

こんばんは。
三温窯の佐藤です。
ミーティングから会期中と大変お世話になりました。
昨晩遅く無事に秋田に戻りほっとしているところです。

出展は自分にとって初めてのことが多く
どんな作品をどんな展示にしたらいいかとかなり考え悩みました。
結論として普段自分が作っているものをじっくり見て頂くことにつきるという考えに至り
作り手として使い手に何を伝えたいかを自問自答を繰り返し制作をしてきました。

器を作るために、土・灰の各材料の準備に制作時間の半分を費やします。
今回、五行テントで三温窯の制作のストーリーを作り手として
お伝えする機会を得ることができ、大変嬉しく思いました。
一つの器が出来るまでの作り手側のストーリーと
使い手側のこれからのストーリー、
それぞれ器を介してストーリーを繋ぐ展示が出来たのではないかと思っています。

この経験は次の制作に向けて大きな活力となるはずです、
これからも伝えることができるよう作陶していきたく思っております。
ありがとうございました。

秋田にお越しの際は是非お立ち寄りください。
交通が不便な所ではありますが最寄まで迎えにあがりますので
遠慮なくおっしゃって頂けると幸いです。
またお会いできる機会を楽しみにしております。

三温窯 佐藤幸穂

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秋田から、首都圏の大きな催事に初めて出展された佐藤さん。
個人ミーティングも早めに行って、意気込みも十分、
準備にも力を注いでくださっていることを感じていました。
ほんとうは秋田の三温窯をお訪ねしたかったのですが、
それが果たせずに時間が過ぎていきました。

個人で始めた作家活動と違って、
お父様が築いた窯で共に制作を継ぐひとの仕事に対して、

同じようなアドバイスはできないと感じていました。
お父様の意思や、それを継ぐ幸穂さんの想いの先に実っていく仕事。
現在の純朴な窯の在り方と、これからの時代での在り方・・・。

折々電話で話したりもしましたが、どれほどの力になれたか心許なくもありました。
けれど当日、関東に暮らす弟さんのサポートのもと展示を行った佐藤さんの姿には、
私の心配など杞憂でした。
しっかり焼かれた使い心地のよさそうな陶器を並べて、堂々とお客様とお話を重ねている姿は清々しかったです。

そして、五行テントの企画との連動で、土や灰づくりから行う制作について、
ご自身のテントでも展開してくださったのもすばらしかったですね。
三温窯、しっかりと伝わっていました!
これからも今の窯の豊かさを尊重しながら、新たな使い手と豊かに出会える三温窯でありますように。

三温窯さんの出展前のメッセージはこちらです。
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