director's voice

クドウテツトさん(木工)

Q1
北海道札幌市で木工に取り組むクドウテツトさん。
(遙か北の大地からありがとう!ございます!!)
「工房からの風」に、どのような作品を出品されますか?

A1
一輪挿し、照明、お皿、箸置き、燭台、鏡などを用意します。
地元である北海道の樹を素材として使っています。

木工旋盤で製作していますが、鉄染めや彫りを施したりもしています。
樹の美しさをみていただきたいですし、そこにそっと添えた、人の手から生まれる揺らぎのような何かを感じ取ってもらえたら嬉しいです。

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Q2
クドウテツトさんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
暗い作業場に差し込む光。

コンクリート製の車庫で仕事をしていて、そこには小さなガラスブロックの窓があります。
窓の近くだけが明るくなるほどの光しか入ってきません。
空間のほとんどが薄暗く隅の方は暗闇に包まれるような場所です。

そんな暗く作業しずらそうな場所ですが、私にとっては暗いこの場所が落ち着けて、また手元だけを照らす光に集中できます。
そしてガラスブロックを通した光がつくる陰影は、製作物の形をよく捉えられるように感じます。

意図して選んだ環境ではないのですが、仕事がしやすく気に入っている自分の居場所です。

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Q3
クドウテツトさんが自作以外で、大切にされている、あるいは、愛用されている工藝品をひとつ教えてください。

A3
工藝品として多く持っているのは器なのですが、ひとつだけ紹介するとなると悩みました。
なので一番工藝品的な付き合い方をしている物はなんだろうと考えたら、眼鏡でした。
これはメーカーの量産品で、工藝品とは言い切れないですが、紹介するならこれしかないと思いました。

鼻あてやレンズを交換して5年ほど使っています。
とてもしっくりきていて、これと出会ってから新しい眼鏡を探さなくなりました。

プラスチック部分も壊れてしまったら、樹で作り直そうかと思案しています。
そこまでいったら工藝品って言ってもいいのかも?
どのように作られたものなのか。
どのような質のものなのか。
そういった大事なこととおなじように、どんな付き合い方ができるのか、も大切だなと改めて思いました。

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眼鏡のお話し、面白いですね。
クドウさんの言う
『樹の美しさをみていただきたいですし、そこにそっと添えた、人の手から生まれる揺らぎのような何か』
を、ぜひ会場で触れてみたいです。

クドウテツトさんの出展場所は、コルトン広場。
ニッケ鎮守の杜のゲートにやや近いブースです。

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