director's voice

落合 可南子さん(キャンドル)

Q1
都内でキャンドルの制作をする落合可南子さん。
「工房からの風」には、どのような作品を出品されますか?

A1
キャンドルをメインに蝋で制作したオブジェ、花器の作品を出品させて頂きます。
自分の心が疲れきっている時に蝋という素材に出会い数年。
その日から蝋の魅力に夢中になり、自分の心を癒してくれた蝋という素材。
蝋の様々な可能性を模索し日々向き合いながら、日常に潜む美しさの気配を大切に “暮らしに寄り添う自然美”を意識に制作しています。

蝋という素材の本来の用途はキャンドルとなり火を灯すのがメインな素材です。
灯りに魅力があるのは勿論なのですが、溶けてしまうのが勿体無いや火をつけるのが怖いという声から灯さないキャンドルがあっても面白いのでは、と思ったのがオブジェや花器を創り始めたきっかけです。

蝋の表情は様々な表現を見せてくれます。
灯り、灯りだけでなく蝋だからこそ出来る傍にあるだけで暮らしに馴染み寄り添えるような静かな空気感を纏うモノ。
作品にはひとつずつ手でこねて成形し丁寧に作り上げたキャンドルや季節の移ろいをイメージし精油で香りつけした香るオブジェ。
色付けは蝋に合うかどうかを試しながら見つけた墨、木灰、藍などの天然の物を使用し天然だからこそ出る優しい色合いに仕上げています。

移ろい行く日々の中、日常を過ごす大切な空間に寄り添い暮らしをささやかに彩り穏やかで満ちた情景を想い浮かべながら。
秋のお庭の中、お手に取っていただけたら嬉しいです。

 

 

Q2
落合さんが、工房で大切な、あるいは象徴的な、あるいはストーリーのある「道具」について1点教えてください。

A2
ホーロー鍋と温度計。

制作で使用するものはどれも重要で大切な物ばかりですが、制作の土台となるホーロー鍋と温度計は特に大切なものです。
蝋は温度管理が重要なので常に温度を測りながら制作していきます。
ホーロー鍋は最初に購入した道具で、様々な形を試しながら今の数種類の鍋に落ち着きました。
ホーロー鍋でゆっくり溶ける蝋を眺めている時間が心を整えてくれる時間にもなっています。

Q3
落合さんのお手持ちの「工藝品」で愛用、または大切にされているものついて1点教えてください。

A1
伊藤環さんのマグカップ。

量が入る大きめなマグカップをずっと探していた所に、親友から誕生日のお祝いに頂いたものです。
アンティークのマグカップのオマージュとして作られた作品は置いてあるだけで眺めたくなる美しい佇まいなのですが、初めて使用した時に口当たりの良さにも感動を覚えたくらいです。

今では朝一にはまずこのマグカップで白湯を飲み、その後にコーヒーを淹れ自分の心と身を整えてくれる365日欠かせない宝物のようなマグカップです。

落合 可南子さんから寄せられた写真をみても、シックな美意識が伝わってきます。
当日はどのようなプレゼンテーションになるのでしょうか。
とても楽しみですね。

落合可南子さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜おりひめ神社の奥。

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