director's voice

so/et(籐籠)

Q1
都内で籐籠の制作をするso/etさん。
「工房からの風」には、どのような作品を出品されますか?

A1
モノトーンカラーを纏った籐籠を出品します。
素材そのままの白に加え、浸染した黒や杢グレーの色から作品を制作しています。

特に黒色にはこだわりを持ち向き合っています。
濃く深い黒色、赤みがある優しい黒色、青みがある冷静な黒色・・・
作品の個性によって染め分け、モノトーンカラーの世界に豊かな広がりを与えています。

作品は籠鞄を中心に、お部屋で楽しむ籠や花器・壁掛けをご用意します。
籐はシンプルで自在性のある素材なので、定番の四角い鞄や丸い皿はもちろん、
異素材との組み合わせやユーモアのある形もとても似合っているように感じています。
また、それはモノトーンカラーだからこそ活きていると考えています。

ブランド名 so/et(ソエト)は、【皆様に「添え(ソエ)」る / 皆様と私が作る籠との間を取り持つ「〜と(ト)」】から成っています。
今展では気持ち良い秋風が吹く中、皆様の生活に寄り添える作品をお見せできたらと思っています。

Q2
工房で大切な、あるいは象徴的な、あるいはストーリーのある「道具」について1点教えてください。

A2
制作時に使っているアンティークのちゃぶ台です。
通常のローテーブルと比べて高さが約5cm低いので、しっかり押さえたり編み途中の籠の全体像を確認するのに、自分の身長にとても合っています。
中央の枠は火鉢を入れるための蓋です。
残念ながら火鉢を使うことはありませんが、趣ある見た目も気に入っています。

Q3
お手持ちの「工藝品」で愛用、または大切にされているものついて1点教えてください。

A3
長野県で作られた竹製のコーヒードリッパーです。
制作していると、つい休憩そっちのけになってしまいます。
制作の合間にこのドリッパーを使い丁寧にコーヒーを入れることで、制作時間にメリハリができています。
同じ籠細工ということもあり、コーヒー色が深まっていく経年変化を楽しみながら使っています。

so/et(ソエト)は、ひとりの作家がブランディングから制作前一貫して行っている籐籠です。
所謂手工芸品の趣きよりもファッション性を感じる作品が特徴で、「工房からの風」の中では少し異色かもしれません。

けれど、工房で大切されているちゃぶ台のお話や、竹製のドリッパーでコーヒを楽しまれるところなど、他の出展作家の多くと共通する感覚を感じます。
きっと、フレッシュで素敵なハーモニーがうまれるような気がして、期待しています。

so/etさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、おりひめ神社の奥。
お隣は、藍染めの革作品のenkuさん。
脇には、キャンドルの落合可南子さんのブースがあります。
鎮守の杜におしゃれな空間が出現しそうですね。

そして、程近くには、月桃など沖縄の植物で籠を編むnikadoriさんも。
素朴な籠とモダンな籠。
ちがうところ、同じく感じるところ。
作家と直接お話しする中で、心に響くことも多そうですね。

so/etさんのインスタグラムはこちらです。
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