director's voice

玉置久実さん(金工)

Q1
静岡県で金属を素材とした制作をする玉置(たまおき)久実さん。
「工房からの風」には、どのような作品を出品されますか?

A1
銅や真鍮を主な素材として、板材や棒材を切り出し、形成、溶接をして制作しています。

金属という素材は熱を加えれば柔らかくなるり、手を加えれば形を変え、硬くなる性質をもち、これを繰り返しながらカタチにしていきます。
私はこのピカピカで無機質だった金属の板が1打1打鎚で叩くごとに鎚目がつき、姿を変え立体になっていく瞬間がとても好きです。
手間と時間がかかる方法ですが、ハリのある丸みと柔らかなカタチはぜひ手に取って感じていただきたい魅力です。

今回出品するライトは場所を選ばず設置でるよう乾電池式にし、配線やスイッチも作品に合わせて1つ1つ制作しています。
カタチはシンプルにしてすっきりと、空間になじみながらも存在感が出るように心がけています。

花の器は絞りの技法を使い制作しています。

焼き鈍し、成形を何度も繰り返しカタチをつくっていくため、鎚の模様と手の中でずっと撫でていたいような丸みを存分に感じられると思います。

オブジェは身近にいる野鳥をモチーフに制作しています。

野鳥は当たり前のように目にしていますが、その中には季節によって何千キロも渡りをおこなうものや、生存のために住む場所を変えたものなどがいます。

あたりまえの光景は、実は尊く美しいものだと気づいたことからその姿を残したいと思い制作しています。

時の経過とともに変化していく色合いも金属の魅力の1つだと感じています。

だんだんと落ち着きのある色合いになり、使い方やお手入れの仕方でマットな質感なったり、つやがでたりと変化の仕方も様々です。

金属の色味や鎚の模様、カタチの丸み1つ1つの違いを楽しみながら手に取っていただけたら嬉しいです。

Q2
玉置さんの工房で大切な、あるいは象徴的な、あるいはストーリーのある「道具」について1点教えてください。

A2
工房で使用している机

この机は小学校の入学祝に両親から贈られた学習机です。
最初は木目でしたが、高校時代にペンキで白く塗りなおしました。
学生時代はこの机でまじめに勉強した記憶はあまりありませんが、今では制作に欠かせない机になっています。
安定感があり、天板が広く、引き出しもあるのでとても作業がしやすく気に入っています。

もらった当時はこんな長い付き合いになると思っていませんでしたが、これからも大切に使っていきたいと思います。

ランプ、花瓶、アクセサリー・・・
金属素材で幅広い制作を行う玉置久実さん。
ニッケ鎮守の杜に入って右手(銀座アスター側)に並ぶ4基のテントの、一番入り口側で、金属の作品がどのような表情をしていることでしょう。

玉置久実さんのインスタグラムはこちらです。
→ click